日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

警視庁物語 ウラ付け捜査   1963年 2月

監督 佐藤肇 脚本 長谷川公之

出演 井川比佐志 神田隆 堀雄二 南廣 岸輝子 沢村貞子 花沢徳衛

   須藤健 山本麟一 八代万智子 今井健二

 

東映チャンネルより

 

60分の映画。

沢村貞子岸輝子の演技がよい。

 

強盗で捕まった川村(井川比佐志)は浅草署の留置場でうなされ、3年前にオートレース場裏の身元不明の女の殺人を自白する。

そのウラをとるために、本庁の刑事は捜査を開始する。

 

林刑事(花沢徳衛)が戦前だったら自白だけで罪に問えたが、今はその自白の信ぴょう性を捜査しなければならないなんて時代は変わった・・・・などと言う。

 

また捜査過程で訪れたアパートの管理人(沢村貞子)は去年(1967年?)に結婚しているのに何かのミスコンテストで優勝した女性のことを刑事に話したり、この脚本、時事のことをちょこちょこ取り入れておもしろい。

 

殺された女性の身元がなかなかわからず、川村に聞いても ユキという名前しか知らない。

結局、彼女は新潟県小千谷出身で確認のために現地へ向かう。

 

若いころに恋仲だった町長の息子(今井健二)は今は地元の酒造会社の娘と結婚して会社を継いでいる。

これ、本物の酒造会社らしく、殺人事件の刑事ものなのによく承知したよねと思った。

 

オークファンより


高の井酒造は現在でも映画にうつる建物そのままなのがネットでも確認できます。

 

 

 

 

ぜったい多数  1965年 松竹

監督 中村登 脚本 権藤利英

出演 桑野みゆき 伊藤孝雄 田村正和 吉村実子 石立鉄男 北村和夫

   早川保 中村晃子 浜村純 加藤治子 二本柳寛

 

www.shochiku.co.jp

 

関係ないが、私はずっとメイベリンのコーム型のマスカラを愛用していた。

ブラシ型よりつけやすいのは瞼が下がってきているからだと思う。

失敗して瞼や目の下にマスカラをつけてしまうこともなく、汗をかいてもマスカラが落ちて目の下が黒くなることもなく、値段も1000円ちょっとくらいで(定価1360円?)良かったが、このコーム型を売っているお店は限られていて(あまり売れないせいか?)

メイベリンを扱っているからといってあるとは限らないのが難点だったけれど売っていると知っている駅地下のドラッグストアで購入していた。

 

最後に買ったのが去年の10月頃で数か月前から買わないと・・・と思っていたけれど

のびのびになった。なんとなくネットで検索すると4000円台!とか安くても3000円台だったので え??と思ったらなんと廃番になったためだと分かった。

某メ〇カ〇でも定価以上の金額の3本セットとか10本が出品されていてしかも売り切れ(笑。

もちろん定価+2000円も3000円も高く出して買おうとは思わないが、品不足、廃番商品をメ〇カ〇で検索すると転売で儲けようとする一般人の多いことにビックリ。

業者も混じっているのかもしれないけれどなんと○○〇〇な。

しかし、こういう情報ってどうやって知るのだろう?中には使いかけまで出品されている(笑。

品不足や廃番を知ったあとに怖いものみたさに覗くサイトとしては非常に面白いです。

 

銀行帰りにいつも買っていたドラッグストアに見に行く。やっぱりもう棚にはない。

ウォータープルーフのブラシ型を買って家にあるコーム型のマスカラのコームを使うことにするか・・・と思ったが、なんと別のメーカーのコーム型マスカラを発見!

ケイトで出している「ケイト ラッシュウォーマー クリアタイプ」という1000円ちょっとの製品。

コーム型で小さく、柄も短い。色味はうすーい黒(ほぼ無色)なんだけど基本、自分のまつ毛の存在感をアップ(メーカー宣伝より)するタイプ。

使って2日目なんだけど意外に良い。これからはこれを使おう。

 

で、この映画。桑野みゆきが一番美人だなぁと思った映画だった。

 

大学を卒業はしたが良い就職口はなく、田舎へ戻ろうと最後の夜、ひとりで飲みに行った暁子(桑野みゆき)はエレベーターで正紀(伊東孝)と乗り合わせる。途中でエレベーターが故障し復旧まで停電したエレベーター内で過ごした二人。話すついでに仕事がないから田舎へ帰るという暁子に、正紀は良い就職口があると暁子を歌声喫茶へ連れていく。彼は歌声喫茶の経営者であった。彼女にはそのマネージメントを任せられ暁子は仕事に精をだす。

 

暁子と同じアパートに住む賢三(石立鉄男)は暁子を先輩と呼ぶが、彼は大学を留年してしまったので暁子とは同期なのだ。別の部屋には弥生(吉村実子)がおり、彼女は暁子に大学院生の勲(早川保)と同棲したいから部屋の広い暁子の部屋と交換してくれなどという。

 

歌声喫茶で働くボーイの秋山(田村正和)の両親は亡く、身寄りもいない。彼は歌声喫茶で寝泊りしながら働いて2年となる。

ここでは労働者の賃金について問題にして歌声喫茶で働く者たちが集まる場面もある。

 

暁子は他のボーイから「ハチ公」と呼ばれているのをしり、自分は忠実に働いてはいるが犬扱いされる覚えはないと社長、正紀に言って憤慨するが、正紀と暁子・・・ふたりの将来が気になる。

 

最後は泣いてしまった物語。前頭葉緩みっぱなしで軽い青春ものとは違った。

 

スカパーより

桑野みゆきは1942年生まれで公開当時は23才。童顔の彼女だけれど現代の女性と比べるとやっぱりしっかりした年齢以上の顔をしている。

 

 

 

新しき天  1954年 大映

監督 鈴木重吉 脚本 笠原良三 原作 牧逸馬

出演 山本富士子 北原義郎 南田洋子 林成年 小沢栄太郎 滝花久子 村田知栄子

   見明凡太郎 岡村文子 青山敬治 姫路エリ子

 

スカパーより

 

結末が予測できるメロドラマ(笑。

 

好きな人を一緒になれないことに悩むお決まりのパターン。山本富士子ファンは必見♪

 

南海子(山本富士子)は父(小沢栄太郎)も認める婚約者で造船会社経営の原(青山敬治)がいる。彼女が20才の誕生日、父は南海子と弟の隆介(林成年)を捨てて出ていった母、柳子(村田知栄子)に会いに行けと言う。父は柳子をまだ憎んでいるが子供が成人を迎えたら会わせると約束したという。

 

南海子は母の住む再婚相手の屋敷へ行く。ところが母は南海子が想像していた女性とは違い彼女はさみしく思う。帰り際、再婚相手の息子の信也と出くわすが後々、彼は南海子の婚約者、原の大学の後輩で不良であることを知る。南海子も信也にはいい感じは受けなかった。

 

婚約者の原の会社が新しい船の造船記念のパーティーで南海子は酔った外人客から絡まれそこを信也に助けられるが勘違いした南海子の弟の隆介に罵倒される。

 

南海子の婚約者の原には女給の愛人、鈴子がいるが原と南海子を邪魔しようと信也と南海子に偽手紙を出し、ふたりを映画館へ誘い出す。信也は南海子から、南海子は信也から呼び出されたと思い出かけるがふたりともそんな手紙はださなかったことがわかるが

同じ館内に鈴子と一緒に来た原は鈴子の策略で二人は仲が良いと勘違いする。

 

映画の後、日比谷公園を散歩した南海子と信也。なんとなくお互い意気投合し、来週の土曜日に同じ場所で会うことを約束するが、ふたりの仲をいぶかしんだ原は南海子との結婚を早め、彼女はなんとなく納得しないまま結婚式を迎える。その日は信也と会う約束の日であったが祝福してくれる周りに何も言えない南海子。

新婚旅行へ熱海へ向かう車中、愛人の鈴子が乗ってきて原の子供を宿していることを言い、原に結婚を迫る。焦った原は鈴子と別の座席で話そうとするが途中横浜駅で停車したときに南海子は汽車を降りる。

 

南海子は親の言うことをきく良い娘で父を喜ばそうと原と結婚しようと思っていたが

今はなんだかわからない気分だ。

 

従妹の香苗は南海子より現代娘で好きになった人と結婚するというのだ。

 

その足で従妹の母、南海子の叔母(岡村文子)の家へしばらく住むことにした南海子。

叔母はドレスメーカーを営み、彼女も手に職をつけようと店を手伝う。

 

そこへ信也の婚約者だという女性が現れ彼女はショックを受ける。

信也は親が勝手に決めたことだという。

信也は柳子と一緒になるために父から離婚された母(滝花久子)がすむ郊外の家にたまに遊びに行く。彼女は学校の先生をしており信也は母の手料理で癒されるが普段の生活は父の会社の仕事ももせず遊び惚けている。

 

結局、信也と南海子は結ばれるのだが、お互いの好意はどうやってはぐくんだのかちょっと早すぎないか?

最後、南海子は佐渡へ渡る。後を追った信也と相川の断崖絶壁から身を投げようとする。

心中で終わりかと思ったらやっぱりハッピーエンドだった。

 

まだ若くて細い北原義郎と林成年が見れます。

 

オークフリーより

 

 

 

 

橋  1959年 松竹

監督 番匠義彰 脚本 柳井隆雄 原作 大佛次郎

出演 岡田茉莉子 笠智衆 大木実 石浜朗 須賀不二男 細川俊夫 福田公子

   渡辺文雄 水戸光子 磯野道子

 

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題名は「橋」だけど、橋はあんまり関係ない。

ただし冒頭、勝鬨橋と上空から撮った三吉橋はまだ川が流れていて貴重な映像だ。

 

元軍人の良平(笠智衆)は長女、敦子(福田公子)の夫、谷口(細川俊夫)と馬が合わず、今は明石町の元部下、中山(渡辺文雄)の世話で古い家に住んでいる。

 

そこへ次女の良子(岡田茉莉子)がバス停から歩いて来るところから映画が始まる。

同じバスに中山から家庭教師の口を紹介された松村三造(石浜朗)が中山の会社を訪ねるために前を歩いている良子に道を訊く。

 

三造は中山から老人の家庭教師だと言われる。住まいへ案内されると良平とその娘でさきほど会った良子がいた。

 

良子は姉の嫁ぎ先の谷口の家で暮らしているが、父とふたりでアパート暮らしをしたいとアパートを借り父と住むことにするが、勤め先の外資系の会社が突然神戸へ移転することになり職を失う。困った良子は元同僚で今は外国人あいてに車のブローカーをしている宮原(大木実)に相談に行くと宮原は英語に堪能な良子を雇い、早速大阪へ商談に。良子の評判は上々で大阪の商談もうまくいった。宮原は東京へ帰る前に奈良観光をしていこうと良子を誘うが東京でバーを営む女、おきく(水戸光子)が宮原を追って大阪へ来ていた。

宮坂はおきくに出資してもらい、経営者となったが良子を知ってから自分の生き方を変えたいと思うようになるがおきくは突然冷たくなった宮原を疑って大阪へ来たのだった。

おきくと付き合いで奈良へは行けなかった宮原は、良子に腕時計をお詫びだと贈る。

この時代、腕時計って高かったんだね。

 

一方、良子の父、良平は中山はじめ、元部下3名から大切にされ、彼らは将来清掃会社を設立して良平には社長になってもらおうという計画がある。

良平はそんなことは知らずに彼らに紹介してもらったある会社の受付として働きにでるのだが、そんな日、娘婿の谷口が社へ現れる。受付で仕事をする義父をみて、谷口は自分への当てつけですか?と不満を口にするのだ。

 

この谷口家、当時からしたらずいぶん裕福みたいだ。良平と違い、谷口は融通が利かないが決して悪い人間ではないような感じだった。(義理の妹や父の面倒をみてきたり、

良子が家を出るときは困ったら戻ってきなさいと言ったり)

ただ、映画では「かなりいやな男風」に描かれていたのがちょっとね。

 

良子は宮原との仕事が楽しく、会社は儲けをだす。

ある日宮原から誘われた熱海で、良子は宮原の求愛を受け結婚を決意するのだが

おきくという女の存在を三造から告げられ、自分で確かめに行くとおきくから

良子が受け取っていた給料も自分からでていたのだなどと言われそんな汚いお金はもらっていたくないと義兄の家になった三造からおくられた時価30万円はするという壺を売って金に換え、おきくに返しに行く。

そして宮原には結婚はできませんと断るのだ。宮原はおきくとのことをもっと早く言うべきだったと後悔し、謝るが良子の決心は変わらなかった。

 

アパートには三造が来ていた。良子から宮原との結婚は断ったときいた良平。

長女から壺のことを聞いていた良平は良子を打つが、三造に反論されなにも言えなくなってしまう。

良子は三造から宮原の行状を訊いた時に喧嘩したので二人は前のように仲良くなくなっていた。

三造はあわただしくアパートを後にすると三造が忘れたマフラーが・・・

良平は良子にまだ間に合うから渡せと言い、陸橋でおいついた良子はマフラーを三造に渡す・・・終わり・・・

 

成瀬映画みたいで結末がはっきりせずに終わるけど、三造も良子が好きだったが

良子の結婚を訊いて中山と飲み屋で愚痴を言い合う。中山も未亡人だとい女性と良平を通して知り合っていたが彼女には夫がおり妊娠していることがわかって失恋してしまっていたのだ。

酔って外へでると三造は宮原を目にする。彼はおきくと話をつけにおきくのバーへ行くのだった。それを目撃した三造が良子におきくと宮原の関係を暴露したのだ。

終わりのシーンまではなんだかんだ言いながら三造が結局良子と恋仲になるのか・・・と思ったけど、陸橋でマフラーを受け取ってそのまま行ってしまう三造だったので

まぁ納得(笑。

 

しつこいようだが「橋」らしい橋は物語には関係ないし、最後は陸橋で終わる。

陸橋といえどもまぁ橋だけどね。

 

スカパーより

 

 

母と子の窓   1957年 松竹

監督 番匠義彰 脚本 猪俣勝人 原作 竹田敏彦

出演 杉田弘子 田村高廣 高橋貞二 中川弘子 渡辺文雄 沢村貞子 吉川満子

   水戸光子 山形勲 二木てるみ 須賀不二男 高橋とよ 谷よしの 太田博之

 

www.shochiku.co.jp

 

母子寮に勤める里村圭子(杉田弘子)は同じ職場の指導員、井関壮吉(田村高廣)と仲が良い。

ある日母子寮の一人の男の子が学校で拾ったお金100円を届けずに問題となる。

PTAの有力者であるお金持ちお夫人(高橋とよ)は臨時総会で貧乏人の子供とクラスを分けるように主張するが、小学校の教師をしている宗方繁子(小林トシ子)がはっきりものを言ってそんな提案はチャラになる。圭子と壮吉はすっかり感心して繁子と知り合いとなった。

 

母子寮に住む会社員の瀬川夏江(水戸光子)は上司の塩沢(山形勲)と不倫関係となる。彼の妻は病弱で塩沢は夏江のためにアパートを借りる手はずをする。

夏江は悪いと思いながらも塩沢と愛を誓うのだ。

 

圭子は学生時代、会社経営者の娘の家庭教師をしており、その娘の兄の真木陽一(高橋貞二)に気に入られる。陽一には親が決めた婚約者の由利(中川弘子)がいるが、彼女のブルジョア的な生き方よりも圭子のような女性が好きなのだ。

 

壮吉は繁子の紹介で豊島区の小学校の代用教員となり突然母子寮を辞めた。

壮吉の家には母(吉川満子)がいるが、彼女は近所の圭子の家で、圭子の母(沢村貞子)に息子が変わってしまって困っている。圭子に息子の嫁になってくれれば嬉しいなどという。圭子は壮吉が繁子と出会ってから変化してしまったのを感じているが

自分からはなにもできない。

そんな中、陽一からプロポーズされ、指輪を手渡されるのだ。

 

夏江親子が母子寮を出ることになったが、なんと塩沢の妻が自殺未遂をしてしまい、遺書から夏江と塩沢が不倫しているのが会社に知れることになった。夏江は会社を辞めさせられ、塩沢は北海道へ飛ばされると決まり、夏江は塩沢に仕事はないし、住む場所も失ってどうしたらいいのかと泣くが塩沢ももうどうすることもできない。

その夜、夏江は初めて塩沢と関係をもった渋谷の旅館で服毒自殺してしまう。

 

夏江の一人娘の道子(二木てるみ)は宇佐美にある孤児院へ行くことになった。

圭子が道子を連れていくが圭子が院を去る時の描写が泣かせる。

 

圭子はやはり自分の居場所は母子寮で子供たちのために精一杯頑張ろうと陽一のプロポーズを断る。

今なら、陽一との結婚条件でどうせ有閑マダムになるんだから母子寮にそのまま勤務ってことをのませればいいんじゃない?と思った。

当時は結婚=仕事を辞めて家に入る しかなかった・・ってことか。

 

小学校の先生となった壮吉だが学芸会の劇の指導で学校側からイデオロギーを植え付けていると問題になるが繁子の思想に踊らされていると教頭から注意を受けるも壮吉は自分の考えでしたことだと反論する。しかし壮吉は繁子に対して疑問も感じた。

彼女の「目的達成のためなら手段を選ばない」ことだ。

もう繁子に陶酔している壮吉ではなくなっていた。

 

母子寮の子供たちに迎えられ、一緒に母子寮へ入っていく圭子を遠くから見守る壮吉がいた。

終わり・・・。

 

なんか続編作れるんじゃないかと思った映画。続編は作られなかったけど。

 

プロポーズを断られた陽一も「諦めない」といった会話を妹とするのだ。

 

壮吉は母子寮に戻るのだろうか?そして圭子と壮吉、陽一の行方は????

続編あったら見たかった。

 

ところで大学生役でまだ細い渡辺文雄が登場する。高橋貞二も細かった(笑。

 

スカパーより

 

   杉田弘子という女優さんは美人で昭和30年代松竹を代表する人気女優となったとwikiにあるが1962年に富士車両の息子と結婚し引退してしまったのでやはりこの映画のような結婚感だったんだね。なんと57才(1992年)で没とある。

さらに彼女の死がわかったのがなんと国会質問。彼女の夫は富士車両社長の次男であったがヤクザの組員だったという・・・。ビックリ。そして警察から後に指名手配を受ける。二度ビックリ。

美人てなかなか大変です。

   

漕艇王 1927年 日活

監督 内田吐夢 脚本 矢野義明

出演 廣瀬恒美 夏川静江 菅井一郎 島耕二 神戸光

 

www.nikkatsu.com

 

久々の無声映画

なんと後から気づいたが菅井一郎、島耕二が出演してる。

夏川静江ってヒロインを演じているんだけれどこれだけ古くから映画に出演してたのに

「大女優」とか言われないのはなぜだろう・・・

長く女優をすればするほど脇役にまわるからその時には誰も「大女優」とは言ってくれないからか。

 

ボート競技の能力をかわれた望月(廣瀬恒美)は二つの大学からスカウトされる。

去年の試合で負けた大学にわざわざ入学した望月は対抗大学へ情報を売っている銀座の紳士(菅井一郎)らを懲らしめて学長やその姪(夏川静江)の信頼を受ける。

腹の収まらない銀座の紳士はたまたま望月と学長の姪がボートに乗っているところを写真に撮り、後日、偽手紙で望月を呼び出す。その日は練習の日だったが姪からの誘いで出かけた望月はその後欠席したのは職業婦人とデートしていたからだと学長に告げ口され、彼は除名されてしまう。

望月がいないボート部は精彩を欠き、勝利できそうもない。

対抗試合が始まる寸前、その写真をみた姪は学長に真実を告げ、望月を呼び戻し

彼の活躍で見事優勝したのだった・・・

みたいな話。

 

日活のサイトには隅田川上流で撮影とある。とにかく周りにビルがない。

 

手前の二人組のうち一人が菅井一郎

望月(廣瀬恒美)にやり込められる二人組 左が菅井一郎だと思われる

学長と姪の夏川静江

 

真っ赤な恋の物語  1963年 松竹

監督 井上梅次 脚本 白坂依志夫 井上梅次

出演 岡田茉莉子 吉田輝雄 根上淳 榊ひろみ 大木実 安部徹 藤木孝

 

スカパーより

 

日活と新東宝映画のいいとこどりをしつつ松竹なんで女優さんメインのメロドラマな

映画だったけど、変!変!(笑。

 

まず出演者が吉田輝雄・・・岡田茉莉子の相手役なんだけど、刑事役の彼が麻薬密売組織を探るため、横浜に赴任してくるところから始まる。

駅で男ふたりに拉致されるように連れてこられた一室・・・そこには安部徹がいる。

なんと安部徹、ここでは警部で、男たちも刑事だった。

というオープニングで見るのをやめた・・・(で、昨日記事を書いた「闇を裂く口笛」を見た)

 

立野三郎(吉田輝雄)がピアノが上手だということで組織が経営しているクラブに

ピアノ弾きとして潜入することになる。同じくそのクラブへ中華そばの出前持ちに扮した刑事も潜入し、三郎がつかんだ情報を受け取るのだった。

 

クラブの歌手のマキ(岡田茉莉子)は自由奔放な女で男たちに囲まれ過ごしているが

ボスがいない間にクラブを任されている組織の鬼頭(根上淳)の愛人であり、鬼頭はマキの浮気にいつもイラつき、嫉妬する。

いつものように男と遊んでクラブへ現れたマキは、ピアノ弾きとして入った三郎を一目で気に入り彼に赤いバラを投げるのだ。

マキは気に入った男には赤いバラを差し出すという。

 

クラブには花売りをしている恵子という娘がいて偶然にも三郎が住まいとして警察から借りてもらった同じアパートに住んでいた。

同僚刑事が訪ねて来たのを恵子に見られた三郎だが、恵子は三郎がなにか犯罪でも犯したのかと気づかれずにすんだ。恵子の兄は組織に消されたらしく、その証拠をつかもうと恵子はそのクラブで働くようになったという。

 

ある晩、マキに誘われドライブに行く三郎。マキは強引に三郎と接吻を交わす。

しかし三郎はマキのような女より恵子のような女性が好きなのだ(ということが後に恵子との会話でわかる)

 

三郎の情報で組織の麻薬取引の現場に踏み込んだ警察だが、捕まらずに済んだ鬼頭はマキから三郎が怪しいとにらみ、三郎のロッカーを調べると三郎が刑事であることがわかる。仲間は誰だと拷問を加えるがそれでもはかない三郎に恵子がどうなるかわからないぞと脅しをかけ、とうとう中華そばの出前持ちが刑事であることを白状してしまう。

そしてその刑事は水死体であがった・・・。

 

そのことを知った三郎、鬼頭から仲間を売ったお前が警察に戻れるのか?本当のことを言えばいいさ・・・とさらに脅され、利用価値があると三郎を仲間に引き入れる。

三郎はもう警察には戻れない・・・と組織の一員としてある取引を行う。

 

そこへ片目と呼ばれるボス(大木実)が逃亡先の香港から戻りるが鬼頭は片目を殺して全て自分のものにしようとするが片目からまた裂きリンチで殺されてしまう。

このまた裂きリンチというのは鬼頭の両足を2台のボートでひいてドンドンスピードをあげ左右にボートがわかれる・・・という凄惨なもの。

 

片目からご苦労だったと渡された現金だが、三郎はこれからは五分五分の分け前が欲しいと言うと片目が激怒。そしてマキを独り占めしたい三郎はマキと共に逃げることにするのだが・・・

 

ところがマキはクラブへ歌いに来た歌手の赤木健二(藤木孝)に一目ぼれしてしまい・・・ってここで歌手の名前が赤木健二ってなにかの冗談か?と思った(笑。

 

井上梅次監督だから岡田茉莉子を魅力的に撮ろうとしている努力は認める。

岡田茉莉子も美しい・・・・

が、

これが松竹のメロドラマだと言われると何とも言えない(笑。

 

原作はカルメンからだというのはなんだか納得したけど。

 

衛星劇場より