日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

風の女王 1938年 松竹大船撮影所

監督 佐々木 康

脚本 野田高梧

出演 佐野周二

   高杉早苗

   三宅邦子

 

 三宅邦子は常識的な姉、高杉早苗は妹で姉の会社の重役の佐野周二とひょんなことから知り合いになり(姉のフランス赴任の件)なぜか佐野周二パトロンにして高級アパート住まいになる・・。この間、思わず寝てしまったので詳細はまたみないと不明(笑。

姉の同僚に野心的な森川まさみ。彼女がフランスに赴任したいのでやはり同僚の笠智衆を使って三宅邦子に色々工作する。例えば笠が三宅にプロポーズしたり(本当は森川と関係がある、佐野周二の悪口を言ったり。

高杉早苗佐野周二が好きなのだが、病弱な妻がおり、高杉の望み・・(男女の関係になること)には一線をひいている。そんな佐野に捨て台詞でどこかに行ってしまうが、

(多分)伊豆か箱根の旅館にいて、そんな高杉を佐野が迎えに行く。

夜遅いので佐野も泊まることになるが、あいにく別な部屋がなく、同じ部屋の別なところに布団をしいてもらう。

ところが、翌朝三宅邦子が慌てて妹のところへ行くと、ふたりの様子がおかしい。

二人は関係をもってしまった。

 

罪の意識にさいなまれたのか、

佐野周二が自殺してしまう。

 

なぜ??(笑。

 

それが判るのが三宅がフランスに旅立つ時のその船内に高杉がいて(見送り)佐野の遺書が読まれる(のか みせるのか 忘れた)ことによる。

 

あの時代に女性のほうが不倫を望み、それに応えた男性が死ぬというのは衝撃的です。

なんせ、1938年は昭和13年、太平洋戦争前です。

 

そういえば大川平八郎の「君といく路」という映画も え?という結末で結構残酷だったことを思い出しました。

三宅邦子は小津映画の奥様、おばさんの脇役イメージが強かったけれど、1930年代の映画をみるようになって、主役で色々な役を演じていたというのがわかりました。

時代は変わっても芸能界はどんな人でも年齢が上がるにつれて主役から脇役にならざる得ないところ、それが嫌な人は・・・続けないのでしょうね。

 

脚本は野田高梧・・といっても私は知らなかったのですが、wikiでみたらあの「愛染かつら」「東京物語」などの脚本家だったのですね。

”小市民の生活を味わい深く描いたいわゆる「大船調」の代表的存在””wikiより。

 

なぜかwikiにはこの「風の女王」の脚本の記載はありませんでした。

 

追加

この映画には寅さんでもおなじみの永遠の?大部屋女優、「谷よしの」が出ています。

女中役ですが、なんせ画像がよくないので(多分 高杉が泊っている旅館の女中役だと思う)顔がよくわかりません。

1938年当時ですからかなり若いはずです。(寅さん映画の頃はすでにおばさんになっていた)

そういえば、長屋紳士録でも若いおかみさん役で飯田蝶子と話す場面があります。ある程度セリフがあって、若い頃の谷よしのがこちらではよくわかります。