日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女経 1960年 大映

監督 市川崑 増村保造 吉村公三郎  脚本 八柱利雄

出演 若尾文子

   山本富士子

   京マチ子

 

 

ずいぶん前にWOWWOWで観た記憶があります。今回DVDを購入し、観なおしたところ、(3本の短編で若尾文子山本富士子京マチ子が出演していたことだけは記憶にありました)クレジットで脚本が八柱利雄ということに気づきました。私の好きな(多分一番)脚本家です。特に五所平之助と組んだ映画作品はどれも素晴らしいのです。

この「女経」どんな話だったかはは全く覚えていなかったのですが・・・

 ①耳を噛みたがる女: 若尾文子と川口 浩のコンビですが、よくある大映映画の話と違い、最後の終わり方が良かった・・(いい意味で期待を裏切る話・・これ以上は書けません 笑)

 ②物を高く売りつける女:前に「夜の蝶」のレヴューでも書きましたが、私はあまり山本富士子は好きではありません。
しかし、ここでは彼女の得意?な役(上品な奥様、優しい女性、いじめられる役)とは違って、これもいい意味で期待を裏切られました・・最後は・・やっぱり言えません 笑)

 ③恋を忘れていた女:京マチ子はうまいですねぇ・・・中村雁治郎との「鍵」とはまた違ったうまさです。
関係ないですが、役作りにおいては山田五十鈴もすごいです。(悪女でも上品な奥様でも、すれっからしな役でも、普通の優しい女性でも、貧乏でもお金持ちでも、なんでもこなしてそれが決して不自然ではない)
・・そしてこれもこれ以上言えません(笑。

最後にケースの裏に「三大女優と三大巨匠が夢のコラボレーション!」とありますが、私は「脚本家」もいれて欲しかったです。映画の出来、不出来は、「脚本家」とそして「撮影」も重要な要素だと思っています。
特に各編30分程度のオブニバス映画は観客を納得させたり、満足させたりするのはとても難しいことだと思います。
八柱利雄はやはりすごい脚本家です。

 

これもアマゾンのレヴューです。第一話はすでに埋め立てられている東京の川がでてきて貴重な映像。そして船上生活者の若尾の母親役が「稲妻」の村田知栄子。ちょっと太目になった?のか役作りで着こんでいるからか?