日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

われ過ぎし日に 哀しき女優の告白 志賀暁子 1957年 学風書院

志賀 暁子(しが あきこ、1910年明治43年6月17日 - 1990年(平成2年)9月17日)は、日本女優である。絶頂期に堕胎事件で有罪になったことで知られる。

wikiより。

 

彼女が堕胎事件を起こし、当時のスキャンダルに発展したことは何かで読んで知っている。ただ、彼女の出演した映画、動く彼女を私は見たことはありません。

著作の中で「浪人街」(1950年)で復帰したことを知り、観たいと思っています。

1933年に「新しき天」という入江プロの映画に、混血児英里子役でデビューとあるし、この本には数種類の写真があって、特に「デッド・エンド」のケイ役の写真は、外国人のようです。

 

本は出生から始まって、特に自分の母親が芸者だと書かれているが、それは後妻に来た人で自分の母親は学歴のある立派な人である・・と強調されています。

 

堕胎事件の裁判記録がかなり占めていますが、印象に残ったのは、彼女の周りの男性が、みな彼女と関係を持ちたがった、あるいは持った・・と言う点です。

それも実名で書いてあります。作家の菊池寛にも接吻されたそうです。

え。

また彼女が書いた童話もあります。

また結婚相手に死なれ、その時の苦労も綿々とつづってあります。

元々文学少女だったらしく、この本は多分彼女が本当に書いたのでしょう。

 

この本の帯が残念なことに半分ちぎれていて、そこには学風書院から本を出した人達の名前が書かれています。

その中に北林谷栄轟夕起子宇佐美淳山路ふみ子大河内伝次郎、細川ちか子、河津清三郎などの名前が読めます。

今、手に入るのは入江たか子くらいでしょうか。

入江たか子は最後のページに「映画女優 入江たか子 素顔の自叙伝」

五〇〇〇〇部突破・大好評発売中・価 二二〇円 とありますが、今購入するとなると

結構高値でした。

ただ、入江たか子のは売れたらしく、この志賀暁子のよりは安い感じです。