岩波文庫から同時代ライブラリーとして発行された今村昌平のエッセイ集です。
今村昌平というと「にっぽん昆虫記」と「豚と軍艦」を見て知ったのが最初ですが、
川島雄三の助監督としていつも名を連ねていた・・・ような・・。
しかし、このエッセイの中で彼は小津安二郎にとても影響を受けたと言っています。
坂口安吾から始まり、自分の生い立ちの話で引き込まれ、昨夜で殆ど読んでしまいました。特にからゆきさんの取材の話はかなりページを割いてあります。
「人間蒸発」みたいに追っていく様が思い浮かぶようでした。
それににっぽん昆虫記のあの暗さと重さ・・・は彼の土着?に対する意識の表れなんだというのがこの本でよくわかりました。
いつも借金でたいへんだったらしいのですが、これもびっくりしました。
一応有名な監督ですしね。
でも映画が斜陽になってからの監督ですし、彼の撮りたいものと社会(映画会社)が要求するものが違って苦労されたようです。
人間のどろどろしたところを映像にするのが得意?(好き?)な監督ですが、私は豚と軍艦以外は暗くて重くて、いやらしくて、、、観なおそうという気になれない作品を作る人・・・でした。特に吉村実子は、「脱ぐ女優さん」となってしまい残念ですが、
その後の70年代はポルノだし、80年代でも若手女優がおっぱいポロリが普通だったので
(どうやって口説くのでしょう?やはり綺麗なうちに・・とか、落ちぶれて脱ぐより売れている今のほうが・・・とか言うのでしょうか 笑)
観客を呼ぶには女の裸・・・(それもポルノ女優ではない)が必要だったのでしょうね。
私からするとどんな場面であろうと、おっぱいポロリなんか必要ないと思うのですが・・・。
あ、本の話でした。以外にインテリだったのと(私のイメージがそうではなかった)
からゆきさんの取材の話、未帰還兵を探しに行った話は暗いけど、当事者の話がそのまま書いてあり、こんなふうに取材するのだと思いました。
豚と軍艦の記述もありますが・・・これから読みます(笑。