日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

人間蒸発  1967年 日活

監督 今村昌平 

出演 露口茂

 

確か30年?ほど前、WOW WOWで観て、5年ほど前、米アマゾンで売っていた今村昌平の3作品がセットになったDVDを購入してまた観た。

最近アップされていた。DVDはあるがセットするのも面倒なのでアップされたものを見た。だから3回目の視聴。

 

行方不明になった婚約者を探す実際の恋人?が露口茂と共に各地に行って探すところを今村昌平が撮った映画・・くらいしか記憶になかったけれど、

久々に見てみると、後半がおもしろい。

ドキュメンタリーでノンフィクションだと思っていたが、ドキュメンタリータッチの

フィクション?だったのか、そしてそれはどこまでフィクションなのか・・・

なんだかわからないおもしろさ。

今村自身がこれはフィクションだというところがあるし、婚約者を探す女性とその姉が暮らす部屋に姉と婚約者が一緒にいたところを見たという近所の魚屋のお兄さんが現れ、姉を前に確かに見たと言い、姉はそんなはずはない、私は妹の婚約者とふたりだけで会ったことはないという場面は・・・実はセットだったり。

 

婚約者を探す女性が露口に魅かれていき、最後は好きだという場面もあるけど

それは本当?それとも脚本?

そもそも消えた婚約者は本当にいたの?

 

ドキュメンタリーとは言っても全て脚本がある。

真実はひとつではなくていくつもある(各人からみた真実)。

そんなことを今村昌平は言いたかったのか?

藪の中・・・なんだか「羅生門」のような映画だった。