日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

新妻鏡  1940年 東宝

監督 脚本 渡辺邦男 原作 小島政二郎

出演 山田五十鈴 岡譲二 斎藤英雄 沢村貞子 立松晃 清川虹子

 

このところ動画のアップが多くて嬉しい限りです。とにかくまだ観たことのないものから観るようにしています。自分で録画したものは後回しです(笑。

 

この映画、一昨日観ている最中に寝てしまい(笑、声も小さくて画像もよくないし、

もう観なくていいか・・・とあらすじだけ翌日に検索しました。

あらすじ読んだら観たくなりました(笑。

 

山田五十鈴扮する七里文代は親?の残した遺産?でばぁやと共にお屋敷?に住み、

お琴の名手でもある。

隣に住む岡譲二の弟(年が離れていて小学生)がよく遊びに来て、山田はサンタクロースのプレゼントとして空気銃を送る。

それを持って「サンタクロースって嘘つかないんだね」と言い、もらった空気銃を山田宅へ見せに来るが、誤って山田の目に弾があたってしまい、山田は失明してしまう。

山田には結婚の話が持ち上がっていて、その相手が立松晃だったが、山田が失明したことを知ると結婚話はうやむやになる。

 

弟のせいで失明してしまった山田に兄の岡譲二は病院へ見舞に行くが、ばぁやは冷たく接する。

面会謝絶をとかれた日、岡が山田のところへ行くと、山田は婚約者の立松が来たと勘違いしてしまう。目が見えないので声を聞いて勘違いしてしまった山田を不憫に思ったばぁやが、岡に立松だと演じてくれ・・・と頼む。

二言言葉を交わすが、いたたまれなくなった岡は病室を後にする。

 

山田が退院し、家にひとりでいるところへ岡が訪ねる。

山田には本当のことを言おうとした時、立松の悪友?の斎藤英雄が山田との縁談を断ってやると山田宅へ訪れ、この男は立松の振りをしているが隣の岡だと言い、山田とばぁやを丸め込み、自分が結婚する。

立松との縁談を断られたと知った山田が「もう少し居てください」という女心をうまく利用する。

 

山田とふたり、新婚旅行?先(熱海?)で斎藤の愛人の沢村貞子から手紙を渡される。

目が見えない山田はそんなこともつゆ知らず・・・。

 

山田の家の財産狙いで結婚した斎藤は、偽の兄に仕立て上げたギャンブル仲間?高利貸し?を呼んで3万円という(今でだといくらくらいか?)大金を山田からせしめる。

沢村貞子の愛人宅で山分けし、「あといくらくらいもってるのかしら?」などと沢村が言ったりする。

沢村貞子の洋装と悪女は初めてみたような気がします。それに若い(笑。

 

ある日、斎藤が山田にまた入院したら?と提案し山田が入院している間に家探しをして

屋敷も預金も全て持ち去ってしまい、山田は一文無しになる。

岡の家に身を寄せた山田は斉藤の子を身ごもっていたが、まだ斎藤を信じていた山田は

子を産んだ後、届け出を出しに役所へ行ったばぁやから籍が入っていなかったことを知らされ、この子が私生児になってしまうと動揺する。

 

ここでも私生児という言葉が使われてる(笑。

 

岡は山田に魅かれつつもこのままではいけないと3年半の間南洋(東南アジア?)に仕事で行くのでその間、自分の家ににいてもらって弟の面倒もみて欲しい、お金は送りますと言って旅立つ。

ある日、岡から山田名義の銀行預金が届く。300円入っていたその銀行は・・・

破綻してしまっておろす前になくなってしまった。

その光景がなかなか良い。

(多分)丸の内を岡の弟の少年に手を引かれながら歩く山田。歩道で新聞を売っているスタンドをみつけた少年が、×〇銀行破たんだって・・破たんて何?と山田に尋ねる。

はっとする山田が新聞を買う。破たんの意味は少年に教えない。

すると少年が歩いていた男性に「破たんてどういう意味ですか?」?と尋ねる。

その尋ねられた男性が元婚約者の立松だが、一緒に歩いていた女性(つきあっている?)に早くいきましょうなどと言われたりする。

 

破たんの意味が分かってうなだれる少年。

 

しかし山田はこれからは人をあてにしないで自分で稼がなければと気づき、お琴をひく芸人になる。

楽屋でそんな山田を励ます親方の女房が(多分)清川虹子

観衆も山田の身の上に同情し、また山田の演奏に魅了され山田は自信をもつ。

その観衆のなかにまた立松の姿が・・・。

 

山田の身の上に同情し責任を感じた立松は山田を訪ね、自分が売られてしまった山田の屋敷を買い戻し、お金も援助すると申し出るが、山田はきっぱり断る。

 

いつも誰かに頼って生きて来た山田だがそこには自信に満ち溢れた顔があった。

 

wikiには山田を騙して結婚した男は斉藤達雄となっているが、斎藤達雄ではない。

なぜか千葉早智子の名前もキャストに上がっていたけれど、違うと思う。

 

もう少し調べようとすると新妻鏡は1940年以外にも数本撮られ、そちらの情報だったりする。

ここまで書いてそうだ、キネマ旬報の日本映画作品全集を持っていることを思い出し見たけれど、1956年の新妻鏡だった。

 

私の本棚は古本ばかり買っていたので今、あの古本特有の匂いがしている。。