日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

洲崎パラダイス赤信号 追記の追記 1956年 日活

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昨夜で最後の無料アップロードでした。

 

で、

夢の島へ土?を運んでいるトラックの運転手、信夫が千草に連れてくる騙されて

洲崎に来てしまった「仙台の田舎」娘は誰だろう?が謎でした。

映画の中で、彼女の名前が呼ばれる場面がないので「廓の女」のうちの誰かかな?

か「女中志願の女」かと思っていましたが、前に書いたように「女中志願の女」はやはり新珠三千代の実の妹、桂典子でした。

話は前後しますが、映画の終盤、落合(河津清三郎)がいなくなった蔦枝の行方をさぐりに千草に行った時に入ってきて2,3言葉を交わし、「バイバイ」と女が出て行ったあと、「ちょっとあいつに似てた」というと徳子が「未練がましいことをいう」とあきれる。「似てる」と起用が新珠の実の妹というところもいいねぇ(笑。

 

で、冒頭のキャストのクレジットに「初江 津田朝子」とあって、初江という女の人なんて出てきたっけ?と思い、注意深くみました。

でも、どこにも「初江」と呼ばれる女性の出番はないし、信夫が連れてくる娘?だとも思えなかったのが謎でしたが、日活映画専門に解説しているブログがあって

世の中には詳しい人もいるのですね、それだとその「初江 津田朝子」が仙台の田舎からきた娘だった。

そのブログの凄さは、なんとクレジットにもでていない俳優、女優の演じた役まで書いてあって、それも冒頭の洲崎で客を取り囲む場面で建物の横の遣り手のおばぁさんまで紹介してありました。

 

その津田朝子という女優さんは他の日活作品にもでているようで、そのブログの別の日活作品にも書いてあります。

 

どうしてそれ?と感じた場面。

夜にその初江と千草を訪れた信夫は、廓の年増、田中筆子のじゃまもあってなにも相談せずに千草を後にするが、後日、昼間また一緒に訪ねてくる。

そこで徳子に初江の働き口の相談をするのだが、帰り際、信夫がジュース代「30円」を渡そうとする時に小銭を土間に落としてしまう。

カウンターの中でちょっと身を乗り出し、下をみる徳子。信夫と初江も土間をきょろきょろする。

初江が「あった!」と言ってで小銭を拾う。

その場面はなんであるのか?ということだ。

初江の「あった!」が訛っているところが良いけれど、なんでわざわざそのシーンがあるのかはいまだに何度見ても謎です。

 

蔦枝が義治の働く蕎麦屋、だまされ屋の近くへ風呂の帰りに行き、掘割?で義治に田舎に送るお金をどうにかならないかと無心したあとに渡る「萩木橋」はそれを今検索しても出てきませんが、やはり詳しい人がいてどこにあったかわかりました。

今は暗渠となっている洲崎川緑道公園にかかっていた橋らしいです。

映画では昭和30年に建てられたことがはっきりわかります。

洲崎近辺のマップではその橋の形状通りの道?になっているように見えますが、実際は通れないようです。

二人がたたずんだ掘割はどこでしょうか。汐浜運河が近いですがもっと広いような感じがします。でも高い建物がなかったからそう感じるだけかもしれません。

 

永代通りを洲崎弁天へ向かう大横川に沿った道で買い物帰り?の徳子と蔦枝が歩いている場面があります。蔦枝はいなくなった義治の悪口を言っています。

そこへオートバイで通りかかった落合がきます。

蔦枝に「アパートみつかったぞ」というと蔦枝が乗り気になり、

「あたし、このまま行こうかしら。」と言いあまりの突然の展開にビックリしている徳子に「おかみさん、色々有難うございました。」と言ってオートバイの後ろへ腰かける。徳子が「そぅ?でも・・・」と口ごもっている間合いもいい場面でした。

そしてバイクは弁天橋を渡って去っていく・・・所へはわたしも昔行きました。

橋は当時のままだったと思います。

弁天橋を渡り切ったところに洲崎弁天へ通じるコンクリートの階段がありました。

(多分 写真に撮ったはず)

映画でも何度か登場しますが、今は封鎖されているそうです。

 

だまされ屋の場所。

ここはどこだか全くわからなかったのですが、やはりネットで知ることができました。

場所は江東区石島の美術館通りで、今は「餃子太郎」というお店だそうです。

その横のタバコ屋は健在で、グーグルでみるとその右となりには映画では入松生花店という花屋さんでした。今は何もやっていないようですが、間口も同じようだし、

flowerという文字の跡とあるので確かにここでしょうね。

昔は映画でみるような商店街だったのでしょう。さらに右となりの「伊豆屋」という間口の広いお店も実際見てみたいので機会があったら美術館通りへ行こうと思います。

 

続く(ええ・・笑