日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

愛のお荷物   1955年 日活

監督 川島雄三 脚本 柳沢類寿 川島雄三

出演 山村聰 三橋達也 山田五十鈴 轟夕起子 北原三枝 東野英治郎 菅井きん

   フランキー堺 殿山泰司 坪内美子 三島雅夫 小沢昭一 小沢栄太郎

   高友子 東恵美子

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昭和30年、日本の人口が8900万人を超え、ナレーションではあと10年で一億になる・・という。人が多い、人が多い、人が多い・・・これ以上日本の人口が増えたら食料問題が起こり・・・ともいっている。今はどうでしょう?少子高齢化がすすむと日本の人口は8000万人になって、大変だ!と言っていますが(笑。

 

厚生大臣山村聰は、これ以上日本の人口が増えないように悪戦苦闘するが、48歳になる妻の轟夕起子、息子 三橋達也の恋人北原三枝産婦人科医と結婚し6年間子供ができない長女、フランキーと結婚を控えた次女、経営する薬屋?の番頭 殿山泰司とつきあってしまう女中の小田切みき、全て妊娠しちゃう映画(笑。

おまけに京都では学生時代、舞妓だった山田五十鈴が28年前にあなたの息子を生んだ・・と言われ、人口爆発問題の解決は自分の足元から崩れていくブラックコメディ。

 

最初の議会での質疑応答が川島監督にしては長くて飽きた(笑。

実はこれも途中で寝てしまったので今夜またみなおします(汗。

 

三橋達也轟夕起子山田五十鈴、の両方の息子を演じている。ついでに京都の橋の袂で(渡月橋?)チャンバラする武士。

轟夕起子はまだ30代なのに48歳の妻を演じているけれど、なんだかぴったりだった。

小沢栄太郎が小沢栄というクレジットだった。wikiだと戦前は小沢栄、戦中、本名の小沢栄太郎とし、1949年にまた小沢栄にした。1957年、再び小沢栄太郎に戻したとある。

この映画は1955年だから小沢栄の時代ですね。

 

箱根の隠居、東野英治郎が孫の高友子に俳優座東野英治郎にそっくりと言われるギャグもある。

坪内美子はその東野の世話をする元芸者?で、息子(山村聰)が子供でもできたら・・・と心配する。

東野は82歳(設定)なのだが78歳と年を偽っている(笑。

 

映画の心配はよそにその後日本の人口は増え続けたけれど、今度は少子高齢化でこっちのほうが問題が大きい。

川島監督が生きていたら今の日本の現状をどんな映画にするのだろう。