日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

暴力   1952年 東映

監督 吉村公三郎 脚本 新藤兼人

出演 日高澄子 若山セツコ 殿山泰司 浪花千栄子 夏川静江 木村功 進藤英太郎

   菅井一郎 

 

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東映というとヤクザ映画しか思い浮かばないけれど(笑、昔はこんな映画を作っていたのだなぁ・・という映画(笑。

ジャケットはショッキングで、名前も「暴力」だけれど(しかもちょっとエロチック)、監督が吉村公三郎で「偽りの盛装」の逆バージョンみたいなお話。

 

大阪の街を小説の舞台にしようと女流作家の夏川静江がお供と共に通天閣近辺?を訪れるところから始まる。

この町で見た目は旅館なんだけれど、実態は売春宿を営んでいる菅井一郎は、浪花千栄子の暴君で、浪花には二人の連れ子、日高澄子と目が不自由な若山セツコがいる。

日高澄子は夜な夜な心斎橋?の袂で客をひいてじぶんの宿に連れていくが、売春をするのは進藤英太郎が経営するストリップ劇場?の女達だ。

目が不自由な若山セツコは、毎日家で縫物をして菅井一郎に気を使い、小さくなって暮らしている。浪花も菅井に逆らえない。

 

旅館にいた売春婦が鉄道自殺してしまったりするが、菅井は田舎から出て来たその女の母親にそっけない。

 

ある日、日高が引いてきた男客二人は東京で自動車強盗?を働き四国へ高飛びする予定だった。相手が日高澄子でないことに文句を言うとひっぱたかれて叩きだされた。

その後、心斎橋で日高を見つけた木村功は、先日の仇だと言って日高のバッグを取って逃げるが、日高はふたりの飲食代を支払意気投合。明日、四国に出発するときいた日高は家族と一緒に連れて行って欲しいと言い、裏口からふたりを家に泊めようと部屋へ案内する。菅井がいない間を見計らって日高が妹と母を四国へいこうと説得する。

 

帰ってきた菅井は2階のトイレに入る木村を偶然みてしまう。前に警察から指名手配写真を見せられていた菅井はすぐに気づき警察へ連絡。二人はあっけなく捕まってしまう。四国の牧場の話は作り話だったことがわかる。

 

進藤英太郎が日高を気に入り、金をとって寝るようにしむけたり、日高がだめだと知ると妹の若山セツコを進藤と寝させようとしたりする菅井に日高の怒りは頂点に達して・・・。

 

日高澄子という女優さん、時代劇でよくみた気がします。どちらかというと脇役でしょう。

この映画では主役ですが、なんだか京マチ子2号。

「ふんっ!」というところとか、顔も似てますね。

 

あまり知られていないのはどうしてでしょう。

京マチ子だったらもっと話題になっていたと思います。

出演者は脇役で有名な人達だからでしょうか。日高澄子は売り出し損ねた?

それとも前は主役級の女優さんだったんでしょうか。

1923年生まれで京マチ子より1歳年上です。宝塚出身だったんですねぇ。

あまりにも京マチ子に似ている・・・。

 

謎なのは東京の二人は木村ともう一人は岡田英二となっているが違う俳優さん・・

名前が・・・思い出せない・・・。

 

ロケとセットがうまく組み合わさって大阪の街の感じがよくでていました。

 

追記 指名手配されている二人は木村功内藤武敏・・・でした。