日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

像を喰った連中  1947年 松竹

監督 吉村公三郎 脚本 斎藤良輔

出演 日守新一 空あけみ 高松栄子 原保美 岡村文子  安部徹 朝霧鏡子 

   笠智衆 文谷千代子 神田隆 村田知栄子 横尾泥海男 植田曜子 

   若水絹子

 

昨日は牛で今日は像です(笑。

研究所の科学者、日守、原、安部、神田は動物園で具合が悪くなって死んだ象の肉を食べた。

食事の最中に訪ねて来た死んだ象の係の笠にも肉を勧め、5人が象の肉を食べたが、笠が妻にそのことを言うと、シャムで象の肉を食べた夫婦が30時間後に死んだことをいうと笠は慌ててそのことを4人に知らせる。

 

30時間の命と知った5人のドタバタ喜劇。

 

終戦後2年でつくられ、街の様子もすこし映るが道路は広々として車は少なく、空は高い建物がないのでこちらも開けている。

 

病原菌に侵された肉を食べた人間を救うには血清が有効だ。

その血清を仙台から持ってきてもらうことになり、上野駅へ集まる5人とその家族だが、(「うへの」というひらがなが懐かしい)5本の血清のうち1本が割れていた。

公平をきするためにマッチ棒の先が折れたのを引いた人が「血清をうたない人間」とするが、日守は自分が犠牲になるために5本のマッチ棒全てを折らずに引かせる。

みんな折れていない・・・最後の日守はそれではさようなら・・といってその場を後にする。

 

アパートに帰ると30時間の15分前。午後9時45分だった。。

 

いよいよと言う時に仲間の3人が部屋に来た。

10時を知らせる掛け時計・・・しかし、日守は死なない。

すると安部が「この時計7分早いぞ」という。やっぱり死ぬしかないのかとがっかりする日守。

原はいてもたってもいられず、若い娘と新婚旅行中の教授へ電話をすると

その菌は70度以上で死滅するのだ、血清なんかうつと後で全身が痒くなるぞ!と聞き、自分たちは焼いて食べたから大丈夫だ!と日守に知らせる・・・。

 

吉村公三郎がこんな映画を作っていたとは!