監督 原研吉 脚本 岩沢庸徳 岩沢鶴夫
浪花節の芸道もの・・・だが筋は鶴八鶴次郎よりあまい。
敗戦前の貴重な?映画。
一座を伴って全国を慰問して歩く高田浩吉の回想から始まる。
今は有名になった高田は8年前、釧路のことぶき座で浪曲師だった。
その小屋のオーナーの娘、高峰三枝子に淡い思いを抱く高田だが、身分の違いからあきらめざるえない。
その思いを断ち切ろうと浪花節をきわめるため、東京根岸の廣澤寅蔵の弟子となり芸に精進を重ねる。
高峰は釧路の実業家?と結婚するが・・・
高峰の伯母として桑野通子がでてくるけれど、30歳でおばさん役はちょっとなぁ・・
クレジットをみたときは旅芸人の高田の相手役で高峰の恋敵かと思った。
20代前半のピチピチさ?からするとずいぶん落ち着いていて老けた印象だった。
この時点で桑野みゆきを産んでいたから当時の女性は母になるとこんな風になるのか。
出番もちょっとでもう脇役?という感じ。
で、
高田は久しぶりに釧路へ巡業。ことぶき座は軍事工場になっている。
オーナーの元を訪ねる。
高田は高峰の様子を尋ねる。「もういいおかぁさんでしょうね・・」
父は「あんた、子供は?」高田「いえ、まだです・・・」
実は高田はまだ独身だった。
下男から高峰の結婚相手は相場に手をだし父の財産もなくしてしまった。
高峰は元の自分の牧場で働いているときかされ会いに行く。
その夜、高田は自分が親子の面倒をみるから是非東京へ来てくださいというが、父親は
「同情など受けたくない、帰れ!」と怒ってしまう。
父をとりなす高峰、実はまだ高田が忘れられない・・。
高田は釧路の公演をすますと自分の師匠が偶然北海道へ巡業にきていることを知りあいに行く。
師匠、廣澤寅吉から「おとこらしくきっぱり結婚を申し込め」と言われ、決断する高田。早速釧路へとって返す。
下男から高田が釧路駅へ到着しますよと連絡をうけると高峰は私も迎えに行きますと笑顔で歩き出す・・・
のハッピーエンド。
高田浩吉を初めて知ったのは彼の娘、高田美和がなんだか歌舞伎役者?の元夫から
無理な要求をされてすったもんだのワイドショーだったと思う。子供だったので
なんでもめてるのかよくわからなかったが、今はネットがあって・・そういう理由ね(笑。
昔の映画をみるようになって初めて高田浩吉の若い姿をみたのは田中絹代の「お琴と佐吉」だった。
記憶にあるおじさんと違い細かった(笑。