日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

その場所に女ありて    1962年 東宝

監督 鈴木英夫 脚本 鈴木英夫 升田商二

出演 司葉子 宝田明 原千佐子 大塚道子 水野久美 森光子 児玉清

   山崎努 浜村純 西村晃 織田政雄

 

西銀広告という宣伝広告会社に勤めるキャリアウーマン(今 こんな言葉あるのか?笑)の話。60年代、それも初頭にこれだけバリバリ働く女性はいたのか??(笑。

 

27歳の司葉子は製薬会社をメイン顧客としてライバルの大通広告と張り合うのだが、

その間、惚れた男の面倒をみるために借金を重ねる同僚 水野久美や離婚して金貸しをする 原千佐子、やたらと男勝りな大塚道子、自分の姉森光子と年下で働かないその夫、児玉清、実力もないのに司からアイディアをもらい祭り上げられ、最終的に転職するデザイナー、山崎努、大通広告と裏取引をするデザイナーの浜村淳、そしてライバルの大通広告社員の宝田明との恋愛模様が描かれている。

 

全体的に話は暗い(笑。

 

あっぱれなのは、浜村が金をもらい大通広告とも仕事をして後にそれを司葉子が知ることとなるが、

浜村を呼び出した司は辞表を書くようにせまる(というか浜村自ら言う)その辞表を司が預かる・・・という場面。浜村の実力を知る司は会社のために辞めさせるよりうまく使ったほうが良いというすご~~い決断のもとだと思うけれど、私なら会社の部長西村晃にすぐ報告するよ!(笑。

それにおおきな取引が大通広告にとられ、それを司が大通の社員 宝田を付き合いがあることから疑われる場面でも浜村のことは一切言わず、辞めさせられる覚えは一切ない、私はこの仕事が生きていくために必要だとはっきりいうのだ。

さらに司のアパートまで押しかけて司のアイディアの宣伝文句を使った広告が話題となり、50万円という賞金をもらった山崎努のことも司は一切他言しない!すごい!凄すぎる!

 

人の好い課長 織田政雄は製薬会社会長から司のお見合い話を司が断って欲しいと言われ、残念がる・・・「君、一生結婚しないのか?」と問われ司は「時期がくれば結婚するかもしれない」という。

 

こんなすご~~い女性なら社長になれると凡人な私は思った(笑。

 

こんなに煙草を吸う司葉子は初めてでしたが、やり手の女性はぴったり。

まさにクールビューティ♪♪

f:id:nihoneiga1920-1960:20201004150300j:plain

煙草を吸う司葉子

f:id:nihoneiga1920-1960:20201004150428j:plain

宝田明に別れをいう