日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

戸田家の兄妹   1941年 松竹

監督 小津安二郎 脚本 池田忠雄 小津安二郎

出演 高峰三枝子 佐分利信 斎藤達雄 吉川満子 三宅邦子 坪内美子

   桑野通子 葛城文子 河村黎吉 飯田蝶子

 

麹町の豪邸!に住む高峰三枝子には兄 斎藤達雄 兄嫁 三宅邦子 姉 吉川満子

次兄 佐分利信 次姉 坪内美子がいる。

母 葛城文子の還暦のお祝いの夜、父は急死してしまう。

生前、父は手形を振り出していてその金を工面するには屋敷や骨董と売るしかないことがわかる。

 

次兄で独身の佐分利信は大陸(満州?)へ自分の力量を試したいと行ってしまう。

家がなくなった母と末娘の高峰三枝子はまず長男斎藤達雄 三宅邦子夫妻の家へやっかいになるが、三宅とちょっとした考え方や生活の違いでどうもうまくいかない。

高峰三枝子の友人で母親とふたりで暮らしているキャリアウーマンの桑野通子に会い、

自分もなにか仕事をしたいと思いはじめる。

斎藤達雄は妹の吉川満子の家へ相談に行き、兄弟姉妹の家に交代で住んでもらうことになるが、吉川満子とも孫のことで母は叱られなんとも居場所がない。

高峰は自分は働きたいのだと吉川に言うと吉川は働くなんてそんなみっともないことをしたら世間に恥ずかしいと大反対される。

 

どこへ行っても気まずくなるので長い間空き家となっていた鵠沼の別荘へ二人で行こうということになり、次姉 坪内美子の家へ言いに行く。坪内も実は親子を引き取るのはあまり乗り気ではなかったので夫とともに胸をなでおろす。

 

父が亡くなって一年後の法要。満州?から佐分利が帰ってきた。法事の席で佐分利は兄弟姉妹にどうして母と妹が鵠沼にいるのだ?と責める。

席を立つ長男、長女、次女。

 

佐分利は自分が母と妹の面倒をみるといい、満州へ自分と来ないか?と誘う。

母と妹も承諾。

高峰三枝子は佐分利に自分の友人 桑野通子と結婚するようにすすめ、佐分利もまんざらでもないようだ。そして妹に満州?でお前にいい男を世話してやるから心配するな・・という。

そこへ桑野通子が訪ねてくる。そそくさと逃げだす(恥ずかしいから)佐分利信

 

明るい未来が感じられるところで終わる。

 

葛城文子のなんでもはいはいと聞く優しい母が印象的。

家の娘が働くことは恥ずかしかった時代に生まれなくてよかった(笑。