日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

美しき隣人  1954年 松竹大船

監督 大場秀雄 脚本 武井韶平

出演 水戸光子 三浦光子 飯田蝶子 笠智衆 松島詩子 高倉彰 大塚君代

   広瀬徹 坂本武

 

農林省馬政局推奨の国策系映画。軍馬と満州移住の話だが、普通に楽しめた。

 

東京の会社に勤める水戸光子は、兄に出征で田舎で一人暮らしになる母のために田舎へ帰ることになる。

田舎には近所の幼馴染で農家の次男坊とその妹がいて仲が良い。

その幼馴染とは将来一緒になる(らしいことが見ていてわかる)

 

ある日、馬の訓練からの帰り道、スキー客が足をねんざしているところに出くわす。

水戸光子に助けられた三浦光子は、水戸のいた会社の元同僚男性の妹だった。

裕福な家で、水戸は東京のケーキをもらって帰る。その男性は密かに水戸に好意をもっている(のが冒頭からなんとなくわかる)

東京に人間と付き合う水戸を幼馴染はおもしろくない。

彼は友人と満州へ行こうとしており、その時には水戸についてきて欲しいが、水戸は母ひとり残していくわけにはいかず、満州行きを延ばせないかと提案するが、そんなことしたら君が悪い女だと言われるなどといって怒ってしまう。

なんとなくぎくしゃくする二人・・・。

 

ある日、兄が前線で負傷し、東京で手当てを受けていると知らされる。それを知った東京の男性とその妹 三浦光子は、東京へお見舞いに来ればまた逢いましょうといって別れるが、旅費を工面できずに兄の見舞いには行けない水戸光子と母だった。

それを知った三浦光子が兄を水戸光子のところへまた行かせて連れてこさせる。

ふたりで喜んで田舎を後にするが、その間に幼馴染が急遽満州へ旅立ってしまう。

旅立ちの日、何も知らずに東京から帰った水戸は急いで駅まで引き返すが、列車が発車してしまったあとだった。

 

彼の妹が、兄から預かった手紙だと渡された水戸光子。読んでみるとそれは別れの手紙だった・・・・。

 

東京で治療を受けた兄が戻ってくることになった。喜ぶ水戸光子と(密かに?好意をもっている満州へ行った兄)(水戸の幼馴染)の妹。

兄はお前にお土産があるぞといって手紙を読む。

そこには満州へいった幼馴染が、水戸のことが忘れられない、やはり満州へ来て欲しいと伝えてもらえないかという手紙だった。

そしてすぐに行くと電報をうってこいと言われ、その彼の妹と一緒に家をでる。

ふたりして泣いていると、通りがかった村長とその部下がなんで泣いているのかと尋ねると「嬉しくて泣いている」という。

村長が部下になんで嬉しいのか?と訊き、その理由を尋ねなかった部下が慌ててまたふたりを追いかける・・・そして終わり♪♪

 

途中、満州へ行った彼からの別れの手紙で、東京の御曹司で元同僚の男性とどうにかなるのか?とも思った(笑。

 

ところどころ、軍馬(になるための)の調教とか、満州の話とかで戦時中なんだなぁと思うが、控えめな恋愛映画でした。

飽きるところもなくそつなくまとまっていました。

 

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農村に帰り幼馴染と話す水戸光子

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東京の会社の同僚の妹 三浦光子

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水戸光子に思いを寄せる会社の同僚男性(三浦光子の兄)

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満州へ旅立つ水戸光子の幼馴染

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水戸光子と幼馴染の妹 仲が良い