日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

怪猫 逢魔ヶ辻   1954年 大映

監督 加戸敏 脚本 木下藤吉

出演 入江たか子 坂東好太郎 勝新太郎 村田知栄子 阿井美千子 霧立のぼる

   橘公子 

 

白塗りの優男だった勝新太郎が見れます(笑。

 

女歌舞伎の頭、入江たか子の興行は好評だが、舞台の花道に穴がありそこで足を痛めてしまったり、舞台の上から突然モノが落ちてきたりする。

実は料理屋のおかみの村田知栄子は妹、霧立のぼるを主役にしたいのでなんとか入江を舞台に立たせまいと大道具の男達を引き込んでいた。

 

興行主?の息子、勝新太郎は入江の弟子2人と心配するが、入江はなんとか次の舞台にたつ。

歌舞伎の人形振りの入江はみごとだった!(これだけでも一見の価値あり 笑)

 

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人形振りを披露する入江たか子

入江の愛人、坂東好太郎は料理屋の村田知栄子と通じている。

怪我をおして出演した興行も大成功で、村田の料理屋で祝賀会を行うことになったが、

村田が入江の席に座り、嫌がらせを妹たちとする。

耐える入江だが、村田は茶碗をなげつけ、入江の顔に傷をおわせる。

 

包帯を巻いて床に臥せっていると、姿を現さなかった坂東好太郎がいい薬があるという。そこへ弟子のひとりが大道具さんからいい塗り薬をもらってきたと帰ってくると

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入江と坂東好太郎

坂東好太郎は、その薬だと入江の顔の傷に塗ってやる。

坂東を信じ切っている入江はすっかり夢心地。

しかし、その塗り薬は入江の美しい顔をただれさせてしまった・・・。

 

入江の弟子のひとりはなんとなくそのことに気づく・・そして坂東に殺されてしまう。

 

入江はこんな顔では興行できないと引退を決意する。ある晩、坂東と舟にのる・・・。

そこで自分の弟子を殺したのはあんたでしょう・・・とかまをかける。

 

入江は切られ、川へ投げ込まれるが・・・

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恨めしそうに舟につかまる入江

この映画で入江は化け猫にはならない。

かわりに残った弟子に幽霊となり、自分は殺されたというのだ。

 

その後、主役の座を射止めた霧立のぼるが舞台の稽古をしていると・・・

入江の可愛がっていた猫が・・・

というストーリー♪♪

 

化け猫女優と言われた入江だが、5本の化け猫映画にしか出演していない。

それよりもっと多くの普通の(笑 映画に出演していたのに・・・。

昭和初期には田中絹代を抑え、人気ナンバーワンだったという。

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お祝いの席でいじめられる入江たか子。いじめる村田知栄子。

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優男 勝新太郎