日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

兄とその妹 1939年 松竹

監督 島津保次郎 脚本 島津保次郎

出演 桑野通子 佐分利信 三宅邦子 上原謙 河村黎吉 坂本武 笠智衆

   菅井一郎 小林十九二

 

撮影当時、上原謙はすでに私生活で結婚し、子供(若大将!)がいた。

だからかもしれないが(笑、英語が堪能なキャリアウーマンの桑野通子が上原の求婚をあっさり断る内容(笑。

 

桑野は兄、佐分利信とその妻三宅邦子と暮らしている。佐分利は囲碁が好きで転職した先の会社の重役 坂本武とよく碁をしているが、社内ではそれが出世狙いだとよく思わない社員がいる。

桑野はそんな兄にそれとなく注意するが、兄は意に介さない。(佐分利の役柄で多いですね)

桑野が通勤途中で兄の元同僚で今は自分で会社を経営しているという笠智衆と電車であい、名刺をもらう。

桑野は秘書をしているが、ある日そこへ上原謙が訪ねてくる。すっかり桑野を気に入った上原だが、桑野は自分には絵描きの夫がいます!とうそをつくが、上原は桑野の上司から桑野は独身だということを聞き、桑野の誕生日に花を送ったりするが、一緒にいれた手紙を誕生日に集まった友人の前で読み上げたりする(笑。

 

兄に縁談が持ち込まれた。それは重役の甥で相手はなんと上原だった。

そんなことを知らない兄はオックスフォードを出た立派な人だと妹に彼の写真を見せる。その人があの上原だと気づいた桑野・・・ここで承諾するのかと思ったが・・・

暫く考えさせてくれという。兄もお前の一生のことだからと優しくいう。

 

桑野の心配は、自分が重役の甥と結婚などしたら兄は尚更妹を使って重役にゴマをすっていると言われないか・・・ということだった(ということは上原にはまんざらではないということか?)。それを聞いて(なぜか 笑)感動する兄(笑。

 

そして上原のことははっきりお断りしたいというのだ・・(え)

 

佐分利の会社では移動があり、佐分利は経理課の係長が課長に昇進するのでその後釜になり辞令をもらったあとの会社の廊下で佐分利の告げ口で自分が左遷されたと思っている同僚からいちゃもんをつけられ殴られる・・・我慢の限界に達し、殴り返し、課へ帰るとそれを追ってきた同僚。止めに入る河村黎吉だが、実は彼も佐分利のことを悪く言いうひとりで佐分利は「お前が欲しいのはこれだろう」と昇進の辞令を河村になげ、殴って辞表を書く。

 

会社をあとにした佐分利は夜の街をふらつくが、家へは帰れない。

笠の家を訪ねてことの顛末を話すと笠は自分の会社を手伝ってくれという。

喜ぶ佐分利。

行く先は大陸(満州?)

なんと3人、旅客機で飛び立つのだよ日本を!

佐分利は笠に妹は自分が成功するまで結婚はしないと言っているという。

 

それで終わるが、いつまでも小姑の世話をしなきゃなんない三宅邦子がかわいそう気がした(笑。

上原の出番はそんなになく、ふたりで会話するのもほんの数秒、しかも桑野はいやーな顔をしていうセリフ・・・。

なんだか胸がスカッとした(笑。

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満員電車で笠と偶然会う。桑野通子のオーバーが派手だった(笑。