日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

真白き富士の嶺  1963年 日活

監督 森永健次郎 脚本 須藤勝人 原作 太宰治

出演 芦川いづみ 吉永小百合 浜田光夫 小高雄二 岡村文子 

   宮口精二

 

芦川いづみちゃん、やっぱりこういう役がぴったり。

 

3年暮らした逗子の家の引っ越し場面から始まる。芦川いづみは今は亡き妹が座っていた籐の椅子をみて妹が生きていた時のことを思い出す・・・。

 

白血病で入院している妹、吉永小百合が退院する。フィアンセの小高雄二と芦川いづみが迎えに行くと、荷物に手紙の束があった。妹は誰にも見られたくないようなそぶり。

 

芦川いづみ一家は3年前、吉永のために東京の家を売って空気のよい逗子に引っ越した。父の宮口精二は高校?の教師、芦川は服飾学校の先生でフィアンセの小高は繊維メーカーに勤めている。

 

家に帰った吉永は元気いっぱいに遊びまわるが、医師は吉永の命は長くないということを父に伝える。それを偶然きいてしまう芦川。

 

それにしても家に届く吉永への手紙が誰なのか気になった芦川はこっそり手紙を読んでしまう。それは男性の文字で吉永への愛を書いてあるものだが口にだしては言えないほどの内容だ・・・ということをフィアンセに相談する・・・。

 

芦川はそのイニシャルM・Tという男性は誰なのか探りに病院の入院患者や妹の知り合いを訪ねるが全くわからない。

妹になにかあったら大変だという姉をよそに妹はまるで姉が手紙を読んだことを知っているようなそぶりで、あっけらかんとしている。

 

ある日、吉永は庭で水まきをしていてあやまって通りすがりの高校生、浜田光夫に水をかけてしまう・・。

浜田はヨット部の部員で、ある日吉永を学校のヨットにのせ転覆させてしまった。

そばのホテルの支配人に助けられたふたり。芦川は連絡をもらって駆け付けると悪びれもせず騒ぐ吉永がいた。もしや浜田がMTではないかと名前を訊くとトミタカズオだという。KTだから違う・・・・。

 

家に帰ると吉永は熱をだしてしまった・・・。

 

そんな妹にまたMTから手紙が届いた。吉永は芦川いづみに手紙を読んでもよいと読ませると、それは別れの手紙であった。

 

こんな手紙を読んだ妹は生きる気力もなくすと芦川と小高雄二は相談してMTとしてまた手紙を出すことにする。それは先日の暴言をわび、これからも付き合って欲しい・・・という内容なのだが、小高が偽の手紙を書いて逗子の家に出し、それを吉永に持って行くと、妹はまた手紙を読んで欲しいという。

芦川が読む・・・よかったわねという姉に妹は「この手紙、ねえさんが書いたのでしょう・・・」と言われる。

 

そして吉永は自分が自分宛に書いた手紙だったのだ。お別れの手紙も自分が書いた、だからそれ以上MTから手紙など来ないのだと告白する。

しかし、吉永は姉に感謝していると言い亡くなってしまう。

 

その3日後、浜田光夫がヨットで嵐の海に出て死ぬ。芦川はその死を妹と関係があるのではないか・・・と回想する。

 

そしてまた引っ越しの場面に戻って終わる・・。

 

吉永、浜田コンビの映画のようだが、割に出番は少なく(特に浜田光夫芦川いづみ、小高雄二コンビ(笑 がメインだ。大人の二人が吉永のために頭をひねる。

芦川は途中でもしかしたら自分は妹に嫉妬?しているのではないか・・・などと悩む。

 

こういったとにかく優しい役はいづみちゃん以外いない!(笑。

 

MTは誰なのか?がサスペンスっぽいが、私は途中からなんとなく吉永の自作自演なんじゃないかと思って退屈だった(笑。原作やこの映画のあらすじも知らなかったがなんだか筋が読めてしまったのだ。。

 

ところでお手伝いのおばあさん役で岡村文子がでている。

 

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岡村文子。この映画では吉永小百合を探すのに走り回る(笑

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いづみちゃん!(笑

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高台の土手の脇で小高雄二と・・後ろの教会はどこでしょうか?