日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

競輪上人行状記  1963年 日活

監督 西村正五郎 脚本 今村昌平 大西信行

出演 小沢昭一 南田洋子 加藤嘉 加藤武 高橋昌也 高原駿雄 初井言栄

   三崎千恵子 武智豊子 渡辺美佐子

 

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青梅で高校?中学?の教師をしている小沢昭一は家出した教え子を上野駅?で保護したがその娘の伯母さんが自分の実家のそばに住んでいることを知り、いったん実家である寺へ帰る・・・すると寺を継いでいる兄が死んでおり、父である加藤嘉の勧めもあり教職は休んで坊主として檀家の葬儀でお経をあげることになる。

寺は本堂再建でお金が必要だが、檀家回りをしてもなかなかお金が集まらない。

兄の嫁の南田洋子は、こっそり死んだ犬を葬り、飼い主からお金をとって本堂再建のために稼いでいるが、ある日、小沢は自分の寺が「犬寺」と呼ばれ、犬の肉を飲食店に卸していることを知る・・・。

 

檀家総代には本堂再建をせっつかれる・・・ある日、松戸の檀家へ寄進を願うが体よく断られた帰途、松戸の競輪場が目に入る・・・たまたま買った券が大当たり、一万五千円ほど手にして南田洋子にもう内職などしなくても毎日お金をもってくる・・と言う。

 

父は南田と結婚して寺を継いでくれといい、元々南田を好きだった小沢もその気になって京都で修行をし帰ってくると、父が勝手に教師を辞めると退職願を出していた。

怒った小沢は父のタンスから本堂再建用に貯めている通帳、150万円を競輪で使うがすべてすってしまった・・・。

 

その晩、父と言い合いになりおもしろくないと家をでた最中に、今度は父が急死。

 

もう後がないと小沢も寺を継ぐ気になり、南田に求婚するが、南田は兄との間の息子は実は義父との間の子供であると言う・・・兄には子種がなく、血筋を残すために父に説得され子供を作ったのだという告白をきいて小沢は南田に出ていけという。

 

ひとりになった小沢は自分の教え子の家出娘と寺で一緒に住むことになるがあくまでも教師と教え子とした関係だ。

 

出入りの葬儀や、加藤武と競輪場で会った小沢を加藤武はノミやに連れていく。

ノミやもお寺の住職ならとかけ金を貸すが、50万溜まったところでノミやの男がつけを払えと寺にやってくるが、とにかくお金がない小沢は間一髪、教え子と共に逃げるが結局捕まってしまい、無理やり寺を売るという証文に拇印を押されてしまう。

 

無一文になった小沢の必死さがすごい。なんと教え子を知恵遅れ?の息子の嫁に欲しいと言った近所のおばさん、武智豊子の家へ行って娘をあげるからお金を貸してくれといったりする。

 

ノミやで50万の借金よりもっと価値があった寺だというとノミやが30万円を投げて寄こした・・・その金でまた競輪へ行く小沢昭一

 

最後の大勝負だと30万円を第七レースへ賭けようとすると隣の女、渡辺美佐子も自分も10万円を第七レースで勝負するのだという。

 

・・・判定の結果、小沢の予想が的中し、300万円!(くらい?)になった。

タクシーへ乗ろうとするお小沢にさきほどの女、渡辺美佐子が田舎のおばぁさんの家へ帰るお金3000円を貸して欲しいと近づくと小沢はあげるというが、女は承知せず、借りたものは返すから、一緒にホテルへ行こう・・となる。

私の想像では、そのホテルで小沢がシャワーでも浴びている間に女がお金をもってとんずら・・・するのかと思いきや・・・シャワーからでてきた小沢にジュースを勧める女・・・ところがそのジュースを小沢がこぼしてしまい・・・それを見て女が「あんた、ここでもついている・・・」といって自分はコップのジュースを一気飲み・・・

「一緒に自殺しようと思ったのに・・・」といって息絶える。

 

小沢は南田にいるアパートへ行き、お寺の後を継いでほしい。

お寺は買い戻した、あなたは立派にお寺をやっていける、跡継ぎもいる・・・という。

 

ここで疑問なのはホテルで死んだ女・・・自殺とはいえそのまま?(笑

 

ま、そこでまたなにかの展開となると話が違ってくるのでまぁ許す(笑。

 

小沢は教え子を連れ汽車に乗る。教え子が先生、どこへ行くの?ときくと「まずは青森」という。

 

五年後・・・・小沢の妹の嫁ぎ先でやり手の住職がとある田舎の会合に出席するため車に乗っていると、小沢と少女が歩いている。

一緒にいた後部座席の住職が誰かと問うと「競輪上人ですよ!」という。

 

とある競輪場で小沢は予想屋をしていた。横には教え子の少女。5年経ってすっかり大人びている。小沢は全国の競輪場を回り、予想屋として生計を立てているようだが、その口上がおもしろい。袈裟姿の小沢・・・。

 

昨夜見たのですが、話が前後しているかもしれません(笑。

 

とにかく小沢昭一の演技が上手すぎる・・・が、そこが難だった。

教師の時は、本当に真面目で生徒思いの先生なのだが、南田を押し倒すところは単なる助平な(いつもの 笑)小沢昭一となっていて、競輪場にいる時は、そのような場所によくいる男性の顔になっていて、借金とりに追われるときは泥棒のような顔になっていて、元々教師だった人なんだからもう少し不器用に演じてもよかったのにと思う。

監督の西村正五郎という人は知らないが、ほぼやり直しなくオーケーでたのではないかな?小沢の演技(笑。

 

日活のサイトには脚本に今村昌平の名はないが、映画ではふたりの名前が載っているのはなぜだろう?

 

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