日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

荷役はかわる  1958年 岩波映画製作所

映画ではないけれど、日本通運が昭和33年に企画した荷役の革新的変化の記録映画。

カラーでしかもおもしろい。ある意味教育映画的な感じで小学生になった気分で楽しめた。

 

ながーい間、荷役は人力で荷物を一つ一つ船や貨車から運んでいた。

ふんどし姿の荷役人足(というのか)の肉体がまぶしい(笑。

 

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荷下ろしや荷積みの時間は膨大でこれを変えたのが「ちょっとした工夫」(とこの映画のナレーションではよくいう)である。

 

パレットの登場!

おお、これは私も見たことがある。今でも。

 

最初はホームについた貨車の搬出口をパレットを転がすためにホームに固定されていたレールに合わせる必要があったので少しでも貨車の停まった場所がずれているとなんと人力で貨車を動かしていた(すごい)。

その後、ホーム上のレールのほうを可動式にすることで解決。

 

 

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パレット登場!

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ホームのレールに合わせて貨車を動かす日通の社員。頑張れ青年!

木箱のビール・・・

 

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さすがの私も木箱のビールは記憶にない・・・

そしてフォークリフトの登場!

などなど眠くもならず最後まで楽しみながら学べた(なんだか小学校の感想文のようだが 笑)

 

それにとどまらず、貨車の搬入ドアを一か所ではなく全て開放できるように3枚扉にしたり、トラックの荷台の位置に合わせ倉庫を高くしたり(これ今でもスーパーの裏の搬入口なんかそうなってますよね)、さらに工場で作った製品をその工場内でパレットにのせながら梱包していき、後は人の手を介さずそのまま運び、降ろし、トラックで店へ・・・なんてことも♪♪

 

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3枚扉の貨車

今は跡形もなくなった汐留駅(だと思う)これ貴重

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汐留のホーム

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汐留駅から望む

昔の映画の楽しみのひとつはその当時のロケ地の様子がわかることだけれど、こんなドキュメンタリー(というか日通の宣伝というか)をみたほうが良いかもしれないとちょっと思った(笑。

 

これは大阪の御堂筋?だろうか・・・黄色い大きいトラックが日通のトラック

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小さく映る日通のトラック

50分に満たないけれど脚本、演出もしっかりしていてさすが日通が企画(お金出した)だ。

このところユーチューバーと言われる人達の映像をみたりすることが多くなったが脚本などあるわけもなく、やっぱり素人が行き当たりばったりの撮影をしているだけでなんだかなぁ・・・と思っていた。それでも登録者の数や再生回数がすごければ収入になり一度やったらやめられないのだろう。私は登録などはしないが一度でもそういった番組(?)を見てしまうとしばらくは同じ人のチャンネルが表示されるのでそれに辟易する(笑。