日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

出来ごころ   1933年 松竹蒲田

監督 小津安二郎 脚本 池田忠雄 原案 ゼームス・槇

出演 坂本武 大日方伝 伏見信子 突貫小僧 飯田蝶子 

 

前にみたことがあったが、アマゾンプライムで無料視聴♪再び。

無声映画だが活弁士がしゃべる。(1985年頃?新たに録音?)

これ字幕が少ないから活弁士がいないとよくわからないと思う。

 

無声映画にしては長い(笑。

 

ビール会社の坂本武には一人息子の突貫小僧がいる。妻の姿がないのは死んだからか。

同じ長屋の大日方伝とは職場の仲間である夜浪曲を聞きに行った帰りに夜道でぽつんと立っている娘を見かける。

気になった坂本武が娘に話しかけると、娘は千住の工場にいたがクビになり泊まるところがないという。同情しかけた坂本に大日方伝はだまされちゃいけないと帰ろうとする。そんな手口があったのだろうか?家に泊めてもらって泥棒でもするのか?はたまた売春だろうか??

しかしどうにも気になる坂本は毎日通う食堂へその娘を連れていきおかみの飯田蝶子に今晩泊めてやってくれないかと頼むのだ。

 

翌朝、朝ごはんを食べに食堂へ寄るとおかみがいい娘だからうちを手伝ってもらうことにしたと言い、坂本は一安心。

実は坂本、その娘伏見信子に年甲斐もなく一目ぼれしてしまった。

 

ところがその娘は大日方伝のほうに気がある。

当然だろう(笑。この映画の大日方伝、今でも十分通用する野性味あふれる超美男子!

(だと思う)ガン見(笑。

ところが大日方伝は興味がなさそうだ・・・が・・・。

 

そんなある日、坂本の息子、突貫小僧が腸カタルで入院。無事退院するが入院費の50円が工面できない。大日方伝とふたり頭を悩ませているとが坂本も大日方伝も娘を当てにしているわけではない。大日方は娘に女がそんな大金を工面するなんてどうなるかわかっているのか?と叱り、自分がなんとかするから「君は自分の言うとおりにしていればよいのだ」←出た!明治生まれ男の決め台詞!という。

静かにうなずく娘・・・(うなずくのか・・今ならモラハラ?セクハラ?笑)

そして二人は抱き合う・・・。実は大日方も娘に好意があったのだ!

 

近くの床屋で50円の借金をし、金を工面した大日方はその床屋に貼ってあった蟹工船の乗組員募集のポスターをみて船に乗ることを決意する。

 

別れの日、泣く娘に大日方は優しくなだめる。

 

それを知った坂本が大日方の代わりに自分が蟹工船に乗る決意をして若いふたりの幸せを願うのだ・・・が、、

根室へ向かう船の中で蟹工船へ乗る仲間と自分の息子自慢をしているととても息子が恋しくなってしまい、やはり帰るのだと海へ飛び込んで泳いでいく・・・終わり(笑。

 

蟹工船に乗ったら生きて帰るのは大変らしいが、前借?をした坂本が脱走したらホントは大変だろうが、まぁギャグとしてみればそんな展開もありかな・・。

 

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