日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

殺ったのはおまえだ 修羅となりし者たち、宿命の9事件 平成16年第10版 新潮文庫

トラウマになる本がある。

第一級トラウマ本は「凶悪ーある死刑囚の告発」というノンフィクションだ。

人殺しで死刑判決を受けた元暴力団員の男が拘置所で記者に「先生」とよばれる男のことを話した。それを聞いた記者は実際自分で調べて警察へ届けるが、当初警察は動こうとしなかったという。そもそも死刑囚の話から始まった物語はこの記者の尽力で「先生」も裁かれたのだ。

 

図書館で借りて読んだが、とにかく怖い話だ。到底この本は買う気にもなれなかった。

2度と読みたくない。

この事件が映画化され、アマゾンプライムビデオで無料視聴した。

逮捕されたピエール瀧暴力団員、先生役のリリー・フランキーの演技が凄かったが

先に本を読んでいたのでトラウマ度は低かった。

 

殺人事件のノンフィクションは怪談話と一緒で、怖いけれど聞きたい・・・と思う。

で、やっぱりその後トイレに行けなかったりする。

あまりにも残忍なので報道を控えたと言われるのが北九州監禁殺人事件だそうだが

wikiを少し読んだだけでトラウマなので本は読みたくない。

 

で、このノンフィクションはやはり新潮45編集部編の3部作といわれるひとつ。

 

9つの事件だが、犯人よりもその周囲の人間に焦点をあてている。

 

平成13年に書かれたものなのでまだ判決もでていない人もいる。

 

大阪「池田小」児童殺傷事件では犯人の父親にインタビューしているが、

その父親の口からでる「あー、しんど。」はやはり犯人が犯行後に言った言葉と同じである・・・という記述を読んでまずトラウマ・・

 

自分の息子を殺した母親の事件ではその母親の母のことが書かれている。

 

恵庭社内恋愛絞殺事件では犯行を行った女性、殺された女性、そして同じ職場の交際男性のことが書かれているが、この事件は冤罪だといって騒がれた(らしい)。

結局この人は刑に服したが、出所後に冤罪を訴えたが棄却されている。

(ネット調べ)

彼女には過去にもおかしな点があって、私からするとやはり冤罪とは思えないのだが

・・・そしてこの本の出版元も訴えたらしい。

 

さらに怖い埼玉略奪愛殺人事件では、犯行は三角関係のもつれ・・・みたいだが

なんと犯行を行った女性にその事件のきっかけとなった男が犯行後プロポーズ・・・

その男が裁判に呼ばれるが女の弁護にあたっている弁護士からの質問は遠回しに

その男が真犯人ではないか・・・のような質問で、被害者家族もその男性のことを怪しんでいたことが語られる。

ただその犯人である女性と男性が本当に結婚したのかは書かれていないので調べてはみたがみつからなかった。

 

すでに女は出所している。刑に服した16年間(ぐらいだった)、彼女はいったい何を思ったのだろうか・・・

 

池袋通り魔殺人事件では被害者のことが語られている。毎日の生活の中、まさか自分が死ぬなどと家を出る時に考える人がいるのだろうか・・他人ごととは思えず。

 

業や因果は本当にあるのだろうか?

氏より育ちというが本当か?

遺伝・・・・

 

こういった本は一度読むと読み返したくなくなる。この本はかなり売れたとみえ中古で購入したが、本棚にいれようか迷っている。