監督 稲垣浩 脚本 八尋不二夫
明治中期、阪東妻三郎は自由民権運動のために各地を回る座長となり町々の人々に自由や平等意識を持ってもらおうと奔走する。
彼は武士の息子だが、社会の役に立ちたいと郵便配達や警官をした過去がある。
警官の時に犯罪者を護送するために山中を二人で歩くところから始まる。
なんと護送される犯罪者が山本礼三郎だが、細くて(笑、わからなかった。
阪東には許婚がいたが、新聞社から旅役者となった阪東。どうしても役者をやめないというので彼女は華族のもとへ嫁に行く。
北海道へ渡った一座。ひょんなことから入江たか子と知り合う。何度も警察に検挙され、一座はとうとう解散になるが、お金がなくて東京へ帰ることもできない。入江は身売りしてそのお金で東京へ帰ってくれと姿を消した。
入江のおかげで東京へ帰れた一座のメンバーは、また興行を行うことになった。
そして10年・・・入江の行方はようと知れない。
ぽっちゃりしている日高澄子が一座の小間使い?の娘を演じています。
これが映画デビュー作だそうです。
ある日、一座のみんなといると、聞き覚えのある尺八の音に合わせた唄が・・・
男女二人連れの後を追って阪東がその歌はだれに教わったのかと尋ねるが、女は男の影に隠れるだけでなにも言わない。
男は盲目で女はその妻だという。その唄は自分が昔入江に教えた唄だったのでそれがわかれば入江の居場所がわかるとしつこく訊いていくうちに・・・
阪東はその女が入江だあることに気づく・・。
入江たか子の化粧していない、みすぼらしい姿に注目!
茫然自失で彼らと別れたが、盲目の夫が馬車にひかれそうになる。
その馬車に乗ってふんぞり返っていたのは警視総監とその妻。彼女は阪東の元許婚だった。
阪東は野次馬に向かって言う。
こんな横暴が許されるのだろうか?みな平等とは言うが、偉い人間がふんぞり返って
戦争へ行かされた人間が盲目になっても誰も心配してくれない・・・。
野次馬はその警視総監に謝れ!と言うのだった。
最後の終わり方がなんだかわからないのだが、警視総監の妻として馬車に乗っていた阪東の元許婚が阪東のいる宿屋?の階段をあがり、部屋へ行く途中で終わる。
阪東に「ただの飾りだ」と言われてハッとしたのかもしれない。
阪東妻三郎、この映画では結構太っていた感じがする。戦後まもなくなのに食べ物が良かったせいか。