日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

薔薇の木にバラの花咲く 1959年 大映

監督 枝川弘 脚本 舟橋和郎 原作 芝木好子

出演 若尾文子 角梨枝子 田宮二郎 川崎敬三 村田知栄子

 

www.kadokawa-pictures.jp

 

川本三郎筒井清忠両氏の会話を収録した「日本映画 隠れた名作 昭和30年代前後」

という本で筒井氏が良かったと述べていたので購入した♪

若尾文子が美しい。この映画で田宮二郎は新人とあるが、大映田宮二郎となった第一作なので全くの新人ではない。

 

芝木好子の原作とあって期待して見たが・・・まぁ、買わなくてよかったかも笑。

 

戦争で両親を亡くした若尾文子は大学4年の苦学生だ。彼女には大学院に通う川崎敬三がいる。ある日、お金持ちの家の娘の家庭教師に雇われて出会ったのが建築家の田宮二郎。彼は若尾に一目ぼれしてしまう。

 

若尾には姉、角梨枝子がいるが、悪い男に洲崎で働かされていた。その男から逃げてきた姉は若尾文子の下宿へ住まわせてもらえないかと来るが、若尾は姉を泊めることはできないと追っ払う。姉は新宿の飲み屋兼、売春宿で働くことにした。姉から手紙をもらい、行ってみると姉は喜んで妹を迎えるが、やはり若尾は縁を切りたいと念押しするのだ。逃げるように飲み屋を後にした若尾は同級生に目撃される。

 

田宮との仲を邪推したお金持ちの家の長女は、その同級生から若尾の姉のことを聞きだし、家庭教師をクビにする。さらに田宮にもご注進するのだが、田宮は若尾との結婚のために姉の元を訪ね、小切手を渡してこれでどこかへ行ってくださいと頼む。それを聞いていた角梨枝子の情夫は小切手を受け取って角をどこかへ連れて行ってしまう。

 

若尾は田宮の求婚に悩んでいた。姉のことがあるので言い出せないが、田宮から姉のことを聞いてどうしてそんなことを勝手にしたのかと田宮を責めた。

そして川崎を訪ね、田宮とのことを話すと君は身体を許した相手と結婚すべきだ!と言われる。若尾は「一度肉体関係を結んだ男と結婚しなければいけないのか?」と訴えるのだが・・・。

 

川崎は意を決して田宮二郎の建築事務所を訪ね、若尾を幸せにしてやってくれと頼むのだが、田宮から若尾から来たと言う別れの手紙を見せられる。

 

その夜、無事就職が決まった大学院の同級生との祝いの会を下宿でしていると若尾が訪ねてきた。

実は川崎はその後、男とどこへ行ったのかわからない姉を探し出し、大学の用務員として職を世話していた。そして若尾に結婚を申し込むのだった。

若尾はお金持ちは私たちとは違うのだ・・・と思うのだった。

 

ここで姉役の角梨枝子。小暮実千代の後のヴァンプ女優さんだがなんだか太っていた。

あの、林家一家の次女みたいな感じになっていた・・・すごい似ている。

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角梨枝子 wikiより

 

結局、ただの大映映画だった(笑。これなら「お嬢さん」を買った方がよかったかなぁ。