日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夜の流れ  1960年 東宝

監督 成瀬巳喜男 川島雄三 脚本 井手俊郎 松山善三

出演 山田五十鈴 司葉子 白川由美 草笛光子 水谷良重 越路吹雪 三益愛子

   宝田明 三橋達也 志村喬

 

アマゾンで購入。これは5月に予約していてかなり期待していたが、勘違いに気づいた。私が欲しかったのは「赤坂の姉妹 夜の肌」という映画だったのだ((-_-;)。

 

見終わった後、どうもおもしろくないなぁ・・・と思った。

若い人達は川島雄三が監督し、年寄りは成瀬巳喜男が監督した。脚本が井手俊郎、デコちゃんの夫 松山善三だったので期待は大きかったけれど、とにかくいろんな話が多いのと長い。

 

築地の料亭の娘、司葉子とその母山田五十鈴。料亭の女将とはいえ彼女は志村喬から経営を任されているだけの雇われ女将だ。志村は山田を愛人にしようとするのだが、山田には料亭の板前、三橋達也がいるのだ。

その三橋に対してやはり気があるのは司葉子。彼女は志村喬の紹介の男性とホテルのプールで見合いのようなことをするが、やはり三橋のほうが良いと思うのだ。

 

ここで遊び人の大学生4人がでてくる。そのうちの一人が児玉清だった。

 

志村喬の娘は白川由美。彼女の伯母は彼女が料亭の娘や芸者とつきあうのを良く思っていないが、白川由美は気にしない現代女性。

司葉子に頼んで芸者になったりして父親を驚かせる。

 

三益愛子芸者置屋の女将で草笛光子を筆頭に、水谷良重、星由里子などを抱えている。

水谷好重が自由奔放な芸者で、大学生に酔わされたあげく暴行されたりする。

彼女の登場シーンはかなり多いのだが、私はなんだか彼女は好きではない。

 

この中で草笛光子はよかった。元々亭主持ちだったが、その亭主が結核で入院中に同じ病院で知り合った若い女をつくり家を出て行ってしまっているのだが、お金を稼げないその男、金子信雄から付きまとわれる。彼女は銀座の着物やに勤める宝田明と将来は結婚して店を持つつもりなのだ。

無事 一緒になり五反田に店をもった二人だが、草笛は書類上では離婚していないのだ。そこへ元亭主がやってくる。お金を要求された草笛は離婚してくれるならと金を渡し、その足で離婚届けを出しに三人で行った帰りの駅で「一緒に死んでくれ!」と無理やり抱きつかれホームから転落・・・そこへ列車がやってくる!というのが衝撃。

 

 

かたや山田と三橋は月に一回逢瀬を重ねるが三橋から別れを切り出される。そこへ司葉子が・・・

 

山田五十鈴を自由にできない志村喬は山田の代わりに越路吹雪を連れてきて山田は雇われ女将をクビになる。頼ったのは三益愛子置屋で、司はこれからは母を食べさせるのだと芸者になるのだ。その日、でかけた司を見送り、山田はひとり置屋をでる。

どうなるかわからないがやはり三橋達也を追うのだった・・・。

成瀬巳喜男特有のどうなるかわからない終わり方。

 

この映画、殆どがセットだった。

ロケは司が芸者になり、各料亭をあいさつに回るところ。京橋郵便局の裏あたりだという。司の芸者姿は美しかった。

 

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アマゾンより