日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

野火   1959年 大映

監督 市川崑 脚本 和田夏十 原作 大岡昌平

出演 船越英二 ミッキー・カーチス 滝沢修 浜村純 山茶花究 星ひかる 

   佐野浅夫 潮万太郎 稲葉義男 

www.kadokawa-pictures.jp

そう言えば今日は終戦記念日だった→じゃなくて終戦の日だ。

 

市川崑監督では「ぼんち」とこの「野火」が最高だと思う。

 

フィリピンのレイテ島。肺病で野戦病院行きを命ぜられた船越英二だが、歩いて来れるまだ元気な船越英二を収容するどころではなく、追い返される。しかし部隊に帰ると上官からなんで帰って来たのだ、また行ってこい、もし追い返されるようなことがあれば自決しろと言い含められ、また部隊を後にする。

 

その時の上官の言葉はまるで今の政府の言い分と同じだと思った・・・。(;'∀')

 

船越英二のあのキャラがこの兵隊役にピッタリだ。

 

野戦病院の軍医が山茶花究だとは気づかなかった。なにせみんな汚れているから。

 

ミッキー・カーチスの役どころが怖くて凄い。当時21歳で声が若い。

そしてあのガリガリの痩せ具合も良かった。食うや食わずの人が豊満な体つきではね。

 

そして不謹慎なようだが、兵隊に死に方の演出が良かった。

 

可哀そうなのが、終結地へ向かって前進したが、行く手を阻まれ、一緒の兵隊は散り散りバラバラ・・。船越はひとり木陰に座っていると、パロンポンへはこっちですか?と歩いてきた兵隊に聞かれるが、船越は米軍に阻まれて行けませんと答えると、「ずいぶん長い雨季ですねぇ・・・」と言って倒れこむ。彼は同じ日本兵に会ってほっとしたのだろう・・・そこで死んでしまった。

 

船越英二は途中でボロボロになった靴を脱ぎ棄てたので裸足だった。

そして目の前で死んだ兵隊が履いていた靴を脱がせ、自分が履くのだ。

 

もう、いろんな悲惨なことがあってみていてツライ。

 

ジェリー藤尾が亡くなった。私はミッキー・カーチスも亡くなっていると思ったが存命でした((;^_^A。

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アマゾンより