日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

17才の断崖  1957年 大映

監督 原田治夫 脚本 須崎勝弥

出演 叶順子 根上淳 入江洋佑 鶴田和子(仁木多鶴子)酒井三郎 近藤美恵子

   品川隆二 見明凡太郎 丸山修 

 

www.kadokawa-pictures.jp

 

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kadokawaより

高校二年生の叶順子は役所勤めの父と妹二人の面倒をみている。学校ではだから「ママさん」というあだ名で呼ばれているがおとなしい良妻賢母タイプの娘だ。

友達の鶴田和子(仁木多鶴子)は活発でものおじしない娘で両親亡きあと、会社勤めの姉、近藤美恵子と暮らしている。

秀才で大学を目指す入江洋祐は叶順子と仲が良い。

 

そんなある日、クラスの担任になる根上淳が学校へ赴任する。

女学生にはたいそうな人気な根上が連休に伊豆の実家へ行くというのでクラスの女学生数人で一緒に行くことになった。叶は家のこともあるので躊躇するが恐る恐る父に切り出すと父はせっかくだから楽しんで来いと言ってくれる。

 

ところがそのことが学校で問題になり、伊豆行は中止になった。

しかし鶴田和子に誘われ、一旦は断るがやはり伊豆行の列車に乗るとそこで鶴田に出会い、ふたりで根上を訪ねる。根上は伊豆の海岸の断崖でふたりにどんな気持ちがする?と訊くと真面目な叶は「怖い」と言い、活発な鶴田は「頑張ろうと思う」という。

 

叶も根上に魅かれてはいるが、何か行動に起こすわけではない。鶴田も根上が好きだが

叶と根上を察して勝手に家を後にする。そんな鶴田を探すが見つからず二人は海岸で話をしている時、叶がはしゃいで濡れてしまった。それを助けようと根上もずぶ濡れとなり、服を乾かそうと旅館に行く。丹前に着替え、服を乾かしていると刑事が職務質問に来る。この時代そんなことをしたのか。

叶がおもいあまって自分たちは先生と生徒ですと言ってしまい、そのことが新聞記事になってしまう!

 

何もなかったと言っても信じてもらえず、学校で大問題に。叶のクラスでもクラス会が開かるが議長となった入江洋祐は苦悩するのだ。

根上は同僚の丸山修に「先生は何もしないのが一番だ」などと言われてしまう。

この同僚の丸山修、黄昏ていると自分で言う。当時黄昏というとやる気のない人という意味だったらしい。確かにこの丸山修という俳優さんは「稲妻」でも高峰秀子の兄役を演じていたが、そこでも戦争に行ったあと何もせずにブラブラしている役だった。

 

一方、鶴田和子は伊豆で車に乗せてもらったチンピラ?男性に姉のヌード写真を見せられ動揺する。姉は妹に黙ってヌードモデルのアルバイトをしていたらしい。姉の写真を返して欲しければ自分のヌード写真を持ってこいと言われ、鶴田は自分のヌードを撮る。

 

学園もので最初は明るい物語かと思いきやドンドン暗い話になっていく。

残念だったのは叶順子の父役の酒井三郎という人のセリフが棒読み系でうまくない(笑。

鶴田和子(仁木多鶴子)ってアングルによっては若尾文子みたいな美人。wikiだと野球投手と1960年に結婚後は脇役となり1968年頃まで仕事をしたようだが44才で没とある。

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鶴田和子(仁木多鶴子)ヤフオクより