日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

ねんねこ社員  1956年 大映

監督 斎村和彦 脚本 高橋二三

出演 北原義郎 八潮悠子 潮万太郎 倉田マユミ 岡村文子 ジョー・オハラ

   中条静子 二木てるみ

 

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ねんねこ社員という題名なので寝てばっかりいて働かない男の話かとおもいきや、

なんと赤ん坊を背負って出社する化粧品会社のサラリーマンの話だった。

 

県人会のアパートに住む北原義郎は化粧品会社のサラリーマン。同じ社には恋人で専務の秘書をしている八潮悠子がいる。課長で専務の姪?倉田マユミは出戻り(というのは今は差別用語だよね)で北原義郎を気に入っている。

 

帰りの電車内で酔って寝ていた北原。車掌に起こされ慌てて立ち上がる。電車を降りようとすると北原の座っていた座席には男の赤ん坊がいて北原の子供だと思った車掌は赤ん坊を手渡す。

酔っていてなんだかわからない北原・・・。受け取った赤ん坊と駅前の交番へ行くと

なぜか赤ん坊を抱いた警察官、潮万太郎の愚痴をきかされる。潮はちょっと赤ん坊を預かってくださいと若夫婦に言われたがそのまま引取りにこないという。だから孤児院?に連れて行かなければならない。そんな可哀そうな目にあわせないためにも北原の赤ん坊は自分で面倒をみるように言うのだ。

まだ酔っていて言い返せない北原はそのまま赤ん坊とアパートへ帰り、翌朝、赤ん坊の泣き声で眼をさます。

 

ことの次第を思い出せないがとりあえず管理人のおばさんの元へ赤ん坊を預かってもらおうと行くが、なんと留守。しかもそのおばさんの娘、二木てるみの面倒をみるという約束になっていたらしく、逆に二木てるみから自分の面倒をみるようにと言われてしまう(笑。

 

仕方なく朝食を作り、二木てるみの手を引き、赤ん坊をおぶって会社へ行く羽目になる。駅前の交番に二木てるみを預けようと交番の目の前にある公衆電話から「7才の女の子を預かってください」と電話。潮万太郎が通りに目をやると確かに7才の女の子が立っている(笑。

 

満員電車では赤ん坊が押しつぶされないように四苦八苦。やっと着いた会社だが社の人間に知られないように管理人夫妻に赤ちゃんを預けるが噂はすぐに広まる。

同僚の中条静夫(若い)は日頃から北原を良く思っておらず、北原の恋人を誘って音楽会へ。赤ん坊は北原が父親だということになっていて女子社員からは不潔だとかエッチだとか言われ、皆口をきいてくれない。

唯一希望を見出したのは倉田マユミで、彼女は出戻りの私には子連れの北原はぴったりな相手だと伯父の専務へ相談する。

 

赤ちゃんを巡るドタバタだけれど北原の困る様子がおもしろい。

 

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スカパーより

八潮悠子という女優さん、「女は二度生まれる」で枕芸者からホステスとなった人だ。