日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

続清水港(清水港代参夢道中)1940年 日活

監督 マキノ正博 脚本 小国英雄

出演 片岡千恵蔵 轟夕起子 広澤虎造 沢村国太郎 沢村アキヲ(長門裕之

   美ち奴 志村喬 上田吉二郎

 

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なぜ 続 がつくのだろう??と思うのだが、筋書を読むと映画の内容と一致しない。

古いフィルムだから一作と続編をつなぎ合わせているのだろうか??

 

戦前のバックトゥザフューチャーみたいな映画でなかなか面白い。マキノ正博最高♪

 

舞台監督の石田(片岡千恵蔵)は森の石松の舞台俳優たちの演技に苛立っていた。秘書(轟夕起子)とも喧嘩して事務所でふて寝する・・・と、

なんと「アニキぃ」と言われ起こされる。目を覚ますとそこは次郎長一家の2階。

チョンマゲで片目がつぶれている自分をみてビックリする。そんな千恵蔵をみてまわりのみんなは頭がおかしくなったと思うのだ。

 

親分の次郎長から代参で金毘羅参りを申し付かるが道中自分が殺されるのを知っている千恵蔵・・・そこへ千恵蔵(森の石松)の許婚だという娘、轟夕起子がついていくという。

 

有名な舟の中の「寿司食いねぇ」「神田の生まれよ」のやりとりが実に良い。

当時は浪曲が人気だったのだろうか、広沢虎造も二役で熱演。

 

七五郎のところには寄らない(寄ると結局殺されることになるので)と誓うのだが、

七五郎(志村喬)が宿屋へ迎えに来て強引に自分の家へ連れて行く。七五郎は極貧な生活をしているが、石松のために自分と妻(美ち奴)の着物を売って酒を買う。

その時のスッタモンダも面白い。

 

しかし道中、襲われて切った相手のヤクザ者が呼びに来て・・・結局後ろからバッサリ切られる・・と同時に夢から覚める。

 

舞台の子役が長門裕之で彼の初出演映画だそうだ。この子役も夢の中で切ったヤクザ者の子供として親がいなくなった代わりに連れて歩く。

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長門裕之

 

片岡千恵蔵はまだ細く、轟夕起子は当時23才でなんだか16才の原節子を彷彿とさせる可憐さ。彼女もまだ細い(笑。

 

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現代の片岡千恵蔵轟夕起子

そうか、マキノ正博夫人は轟夕起子なのだ。

 

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石松とおふみ