日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

『子に詫びる』より 母待草 1951年 松竹

監督 佐々木啓祐 脚本 長瀬喜伴 原作 竹田敏彦

出演 水谷八重子 岸惠子 水原真知子 村田知栄子 江原達怡 新田實

   高橋とよ

 

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衛星劇場より

子役で若大将シリーズでマネージャー役の江原達怡が出ていた!wikiによると残念ながら2021年に亡くなっていた。数年前にテレビでやはり若大将ででていた女優の中真千子ともういちど若大将の映画を作ってくれれば是非出演したい(若大将の現在)と言っていた。私も観たかったなぁ。

 

動く水谷八重子でこんなに鮮明に顔をみたのは初めて。

ま、見た目の感想は言わない(笑。

 

白百合の家という保護された少女を収容する施設に勤務する保護司?多美江は長男の幹男、長女でまだ幼い紀美子と施設内の敷地に親子3人で暮らしている。

ある日、新しく入ってきた娘、道子は皆となじめず、多美江と同僚の朝子を困らせるのだ。

 

多美江の尽力で道子は心を開いていくが、道子に「私の母になってくれ」と言われ承諾する多美江。道子は両親がおらずそのためにグレてしまっていたのだ。

 

ある日曜日、多美江一家が多美江の亡き女友達の家を訪ねようとしていると道子が寮に来るようにと呼びに来る。強引に多美江を連れて行こうとする道子に息子の幹男が怒って喧嘩になる。多美江は仕事に熱中するあまり、自分の子供たちには寂しい思いをさせているのだ。

道子は多美江を嘘つきだと言って行ってしまうが、多美江一家が出発して門の外へ出て歩いていると施設から道子が逃げたと言われ、多美江は息子の幹男に妹の面倒を頼むと言い置いて施設へ戻っていくのだった。

 

道子は街で男の子の洋服を奪おうとしているところを捕まり、その男の母親で清川病院の院長婦人の伊勢子(村田知栄子)が怒り心頭で厳罰に処せと騒ぐので警察も少年院?に送ると言うが、多美江と朝子はそれだけは勘弁してくださいと頼むのだった。

 

施設を代表して多美江が清川病院の伊勢子に謝りに行くことになるが、朝子はその夫人が自分を捨てていった母親だということに気づく。そして道子も伊勢子の娘だとわかるが道子は自分の母親のことは知らない。そこで多美江と朝子は道子にはしばらく黙っていようということになった。

 

清川病院を訪ねた朝子は出て来た伊勢子に謝るが伊勢子は道子を不良だといい、ああいう菌が街にいるのは感染を広げるから隔離したほうが良いなどと今のコロナ時代みたいなことを言う(笑。我慢ならなくなった朝子は写真をみせ、私の母親はあなたですと言うと伊勢子はその場からいなくなってしまう。

 

施設に帰ってきた道子。多美江には心を開いているが朝子には冷たい態度をとる。

多美江がそのわけをきくと「朝子が自分を見る目が気持ち悪い」というので多美江は思い余って朝子は道子の父親違いの妹で血がつながっているのだ、その母親は清川病院の伊勢子だと告白する。

 

それを訊いた道子は清川病院へ行くと伊勢子は青少年?の会へ行ったと言われ会場へ。そこで伊勢子を捕まえて話があると言うが、伊勢子は迎えの車に乗り込んで行ってしまう。その時道子を轢いてしまうが、運転手はかまわずその場から走り去ってしまうのだ。

 

でも最後はなんと朝子、道子ともに伊勢子の3番目の夫、清川病院の院長が父親となり引き取られるという物語。すっかりお嬢さんになった道子の洋服が清楚だった(笑。

 

一方多美江は東京の亡き女友達の夫から求婚されるも・・・

 

どうなるのかははっきりしないが、多分再婚せずに職業婦人として頑張るのだろう。

 

この映画で良かった点は母、娘ふたりの顔がよく似ていたこと。違和感がなかった。

 

伊勢子が朝子から「男の間を渡り歩いた母親」みたいなことを言われちゃうのは時代を感じる。