日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

ごろつき無宿  1971年 東映

監督 降旗康男 脚本 伊藤俊也 澤井信一郎

出演 高倉健 志村喬 山本麟一 奈美悦子 葉山葉子 月丘千秋 南利明

   加藤嘉 北林谷栄 渡辺文雄 穂積隆信 たこ八郎 近藤宏

 

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U-NEXTより

 

健さんがヤクザ映画から脱皮している途中?の映画。

多少ツッコミどころあり(笑。降旗康男監督だからいままでのヤクザものとは一線を画している・・・かも。

 

九州の炭鉱で働く若者、勇(高倉健)は同じ炭鉱で働く父(加藤嘉)を事故で亡くす。

死ぬ間際、父親は炭鉱などで働くなという遺言を残し死んでいった。

職を求めて東京へ行く列車で同じく就職のために乗り合わせた娘、ゆき(奈美悦子)と知り合う。

 

工場街で募集の看板をみて入場しようとする勇だが、守衛に募集時期はもっと先だと断られるも会社の人と話すと言って強引に場内へ入る勇。そこへ社の人間と土地のヤクザで親分の唐沢(渡辺文雄)が通りがかり、勇の勇ましさをみて川沿いに杭を打つ仕事をする一員となる。

 

勇んで行った先の土地は地元の漁業組合員たちともめている土地だった。そんなことを知らない勇は一生懸命杭を打つが子供に石を投げられたりする。

 

漁業組合の組合長、常吉(山本麟一)はもとはテキヤの親分浅川(志村喬)の子分だったが親父の亡きあと、組合長を引き受け、テキヤからは足を洗った。それでも浅川との付き合いは続いており、浅川は常吉のことを気にかけている。

会社からは漁業権の放棄として3億円もらい、組合員の船を売って遠洋漁業用の船舶を買って生活していこうとするが、間に入った唐沢と社の人間(穂積信隆)の悪だくみもあって3億受け取れるはずが契約のだんになって一憶5千万円と記載されており契約をせずに怒ってその場を後にする常吉だが、唐沢の一味の車にはねられ、遺体は運河に・・・。翌朝上がった常吉の遺体をみて浅川親分は唐沢と決着をつける覚悟を決めるが、夜道でやはり唐沢一家に刺殺されてしまう。

 

山本麟一って悪役が多いんだけどこの映画では皆のために働く男を演じている。

さらに元テキヤ(ヤクザ)だったという設定にはぴったりな顔だ。

 

で、勇はというと自分たちが囲った場所を通れずに事故死した古物商の子供をみかけ、

唐沢に挨拶に行ってくれと頼むが子分に逆切れされ、そんなことが嫌になった勇は浅川の元でテキヤになるべく修行を積む。しかし唐沢一味に露店を襲撃され、勇も殴られたりするが、浅川親分が手を出したらイケナイというのを守ってやられっぱなしの勇だった。

 

健さん、いつもの髪型じゃなくて最初のころはかつらをかぶっているがそのズラ感が半端なく(笑、しかも似合っていない。

テキヤになるとあのかっこいい健さんになる。髪型ってたいせつですね(;'∀')。

 

勇の兄貴分の一夫(南利明)の名古屋弁?がおもしろい。

浅川の娘役の葉山葉子という女優さん、見たことある。そういえば最近は全くみていない。これが藤純子だったら私は興ざめする。温厚な志村喬の娘っていう設定はこの女優さんでマストだった。

 

奈美悦子はというそのあとの出番はあまりなく、結局病気が原因で九州へ帰ることになる。健さんは病気の私には結婚してくれる人などいないとい奈美悦子に自分が結婚するという場面がある。

 

我慢に我慢をかさねた勇だが、浅川親分まで殺され、ひとり日本刀をもって唐沢の事務所へ乗り込み・・・切ったハッタのパターン。

炭鉱で働いていた青年(のはず)が途中で拳銃を撃ったり、日本刀で大暴れってどうよ??って感じだけど、そんな健さんを聴衆が見たかったハズだから許そう(笑。

 

で、警察に捕まる・・・のかと思いきや、血だらけになった健さんが立っている・・・で終わり。

なんか昔聞いたことがあるけど、こういう場合は必ず警察に捕まるってオチにしないといけない・・・ような。ま、いいか。

 

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