日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

男と男の生きる街   1962年 日活

監督 舛田利雄 脚本 熊井啓 舛田利雄

出演 石原裕次郎 芦川いづみ 南田洋子 渡辺美佐子 大坂志郎 加藤武

   平田大三郎 二本柳寛 山田吾一 稲葉義男 高品格 高原駿男

   長門勇 野呂圭介 浜田虎彦

 

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日活より

 

舞台が大阪、京都、神戸でみんな大阪弁?関西弁?だけれど裕次郎渡辺美佐子がなぜか標準語(たまに関西のアクセント)が謎な物語(笑。そのほかの人もこてこてのアクセントでもなく明らかに東京人が東京人向けに作った?のか?

 

毎朝新聞大阪本社の記者、岩崎(石原裕次郎)は西成の殺しの現場へ駆けつける。

当時の新聞記者って、特ダネもとめて警察の制止も振り切って現場へズカズカなだれ込むんだけど、これ当たらずとも遠からず?

そこには岩崎の今は亡き刑事であった父(稲葉義男)のよき部下であった北川刑事(加藤武)がいた。北川は、5年前の密輸事件の捜査で岩崎の父と捜査にあたるが、犯人と撃ち合いとなり、謝って岩崎の父を撃ち、死亡させてしまった過去がある・・・。岩崎の姉の恵美(南田洋子)は美容院を経営しているが、北川との結婚話があった。しかし今は父の死でそのままになっている。

 

岩崎は独自にその殺人事件を調査することにして、まず被害者の家を訪ねる。

その家である西陣織の織元?の妹和枝(芦川いづみ)。被害者である和枝の兄は絵描きでフランスへ渡ったが妹もしらないうちに日本に帰り殺されていた。

和枝から兄が描いたというスケッチブックを見せてもらった時、一枚の写真がはさまっていた。被害者と女が写っている。岩崎はその女を西成の現場にいた野次馬のひとりだと気づくがその時はどこの誰ともわからない。

 

その後、その殺人事件の容疑者が捕まったという。当初その男は殺人を否定していたが自供したのだ。

 

岩崎はどうもその容疑者は事件とは関係ないと調べるうちに感ずるが、北川にそれを言っても彼はきく耳をもたない・・・だが、その男は岩崎の言う通り嫌疑不十分で釈放される。

ここまでの裕次郎、新聞記者とはいえ警察の上をいく捜査なんだよね~(笑。

 

西陣の和枝と被害者の墓へ訪れた岩崎。墓前には写真に写っていた女がいた。様子をうかがっているとそこへ容疑者として逮捕され、釈放された男が近寄り、お姉さんと女を呼んでいる。彼らは姉弟だったのだ!

 

和枝と二人の後をつけ、寺の縁側で話す二人の会話を聞く岩崎・・・って地獄耳か(笑。この地獄耳はいかんなく発揮され、北川刑事に耳打ちする他の刑事の話をソバに立っていた岩崎がしっかり聞いているという場面がある。

 

男と男の~っていうタイトルの通り、いづみちゃんと南田洋子の出番は少なく、

キャスト順が後ろの渡辺美佐子が一番出番が多く、さらに鍵を握る女性だった。

いづみちゃんの役はいづみちゃんでなくてもよいような気がするが、やはり芦川いづみを出演させた方が人を呼べたんだろうと思う。ただ段々大人の女性になってきたいづみちゃん、その後、イメチェンを図るもなかなかうまくいかなかった感がある。

 

刑事役の加藤武を疑う裕次郎という設定は面白かったし、私もいつもの加藤武の役柄からすると加藤武は悪いやつかもしれないと思ったりした。

 

よく見る悪役の野呂圭介の前歯がない迫真の麻薬中毒の演技、今回は買った!(笑。

 

日活より