日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

素っ裸の年令  1959年 日活

監督 鈴木清順 脚本 寺田信義 鈴木清順

出演 赤木圭一郎 堀恭子 藤巻三郎 左卜全 初井言栄 高原駿雄 小沢真好

   仙頭哲 清水義之 嶋田蓉子 久世晴美 呉麗香 清水秀一 青木富夫

 

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50分ほどの映画。赤木圭一郎が初主演とある。ただ話のメインはサブという中学三年生を演じた藤巻三郎という少年じゃないかとも思う。

 

当時の言葉でハイティーン、ローティーンというのがあった。赤木圭一郎はもうすぐ20歳になるハイティーン、中学三年生のサブはローティーンらしい。

 

棄てられていたかまぼこ型兵舎を別荘と呼び、そこに集まる健(赤木圭一郎)をリーダーにして彼の恋人の陽子(堀恭子)、中学生のサブ(藤巻三郎)以下バッタ、ダダ公、クロ、ミッキー、もっと幼いパー子たち。彼らは自分の夢のために日夜お金を稼いでいる。オートバイで競争したり万引き、泥棒、あまり褒められたことをして稼いでいるわけだはない。

 

サブの家は貧しい子沢山で母(初井言栄)は高校へ行くんだというサブに貧乏人の子供は中学をでたら働くんだという。サブは稼いだお金で高校へ行こうと思っているが

問題も起こす。同じクラスの女の子は軽蔑のまなざしで彼をみたりする。

 

健は若者の暴走ぶりを取材している記者(高原駿雄)から金銭を受け取り、自分達の出没先を教えて写真を撮らせたり、記事にさせたりしている。そしてその記者に自分が20歳になったら船員になるために就職の紹介も頼んでいたのだ。

 

健を慕う子供たちはもちろんそんなことは知らない。

来月には20歳になる健は最後に荒稼ぎしたいとヤクザからダイナマイトの運搬を頼まれるが途中に敵対するヤクザに阻まれその組に金をもらってダイナマイトを渡すチャッカリぶり。別荘で金を分配し田舎に帰る健を追いかけるサブたち。健が記者に彼らの情報を教えていたことを知ったり、健からの分け前が少なくて怒り心頭だったのだ。

 

最後は衝撃な展開。ちょっと疑問なところもあるけれどサブの演技に感心した。

この藤巻三郎という少年のその後はわからない。

 

赤木圭一郎は「拳銃0号」の不良を演じた後の主演抜擢がこの映画。

鈴木清順のいいところはロケ地選び。

映画冒頭で少年たちが喧嘩するのは段々になって水が滝のように流れる川の場面。

洒落てます。