日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

花の才月  1962年 日活

監督 中島義次 脚本 谷口葉子 原作 畔柳二美

出演 田代みどり 川地民夫 内藤武敏 高品格 初井言栄 堀恭子 浜村純

   佐々木豊丸 河上信夫 福田トヨ 田中筆子 山崎二郎(子役)

 

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日活より

 

両親が死んでしまった姉と弟の物語。迷信深い村でおこる珍騒動♪

 

石田ひろ子(田代みどり)は父(河上信夫)と共に工事現場の飯場で暮らしていたが、父が倒れ、ひろ子は飯場の手伝いをしながら故郷の母と弟が来ることを待っている。

働けななくなった父は飯場で寝ているのが申し訳ないといっているが、現場監督(高品格)以下、現場の人間は彼女一人ぐらいなんとでもなるといい、彼女は張り切って働いている。毎日、列車が到着する時刻になると母を迎えに駅へ行くが、母の姿はない。

ある日、寺の次男坊で浪人中の山川元享(川地民夫)と知り合う。彼は自分が何をしたいのかわからず、和尚である父には黙ってブラブラしている。兄は町の寺の住職になっているが坊主になる気もない・・。

ひろ子をオートバイに乗せて飯場へ送ったことをきっかけにふたりは仲良くなる。

 

父の具合は日に日に悪くなるが、母も具合が悪いようでなかなか来てくれない。

駅へ行くと幼い弟が荷物をもってやってきた。一体どうしたのかと訊くと母は死んでしまい、もう火葬もすませてやってきたという。飯場へふたりで戻ると今度は父が危篤になっており死んでしまった。

なんか前頭葉がゆるくなっているのでここで思わず泣いてしまった(;'∀')

 

ひろ子と弟の隆(山崎二郎)は行くところもなくない。工事ももう少しで終わるが現場の人たちもどうすることもできない。

元享はひろ子にお寺で父親が育てている花を村の人に売ってお金を稼いだらよいとアドバイスしてひろ子は花を売って歩く。幸いにも村の人たちは買ってくれてそのお礼にひろ子は洗濯をしたり、赤ちゃんの面倒をみたりするのでみんな好意的であった。

 

ある日、村長の母が卒中で亡くなった。よく花を買ってくれた商店の主人は盲腸で入院・・・ひろ子の知らないところで村ではあるうわさが立つようになった。

それはひろ子はきつねっ子だというもので、村長の90歳過ぎの母が死んだのも、商店の主人が盲腸になったのも、はたまた目にゴミが入ったのも、みんなお寺の花をひろ子から買った者たちで昔キツネを退治したときの祟りだというのだ・・・。

 

村人が飯場へ押しかけ、ひろ子と隆をすぐに村から追い出せとやってくる。

現場の人間との言い争いをきいたひろ子は隆を連れてそっと村を出ていく・・・。

 

逃げる途中の橋で元享と出会い、彼は自分の寺へ連れていく。父親に彼らを寺に住まわせてほしいというが、父親は断るのだ。元享は自分が父から言われているある寺へ修行へ行くことを条件に頼むが父は彼に手紙を渡す。それはひろ子たちを長男(元享の兄)が住職をしている寺へ預けるための手紙だった。

別れの日、元享は別れを惜しむひろ子にいつでも会えるさと明るく送り出すのだった・・・。

 

ロケ地をみると駅舎は千葉県の酒々井駅とある。

舞台の寺は日高市の高麗聖天院

ひろ子役の田代みどりのえくぼが可愛かった。

 

日活より