日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夜の狼  1958年 日活

監督 牛原陽一 脚本 阿部桂一

出演 葉山良二 芦川いづみ 白木マリ 金子信雄 楠侑子 小沢昭一 近藤宏

   芦田伸介 天草四郎 宇野重吉 山田禅二 西村晃 植村謙二郎 松本染升

   浜村純 峯品子 深江章喜 相馬幸子

 

www.nikkatsu.com

衛星劇場より

 

いかにも日活らしい作品。拳銃、ヤクザ、キャバレー、夜の女。

 

石原裕次郎小林旭とはちょっと違い、葉山良二が主役だと結構シリアスで哀しい映画が多い感じがする。

 

立花商事の社長、立花(松本染升)は、卍組を配下に納め、拳銃の密輸、キャバレーの経営、売春、闇金と手広く商売をしている。卍組は元々黒沼(金子信雄)がつくった組だが、今はキャバレーレインボーの支配人として立花の下で働き、黒沼の一番の子分の月田(葉山良二)は立花商事の取り立て屋として働いている。

 

売春婦を紹介して稼いでいる卍組の若い衆。毎晩縄張りに出かけているがある晩、見慣れない女が立ちんぼをしていると売春組織の女(峯品子)が言いに来る。

おどおどしながら立っている女を見て声をかけようとした瞬間、兄貴分の月田がやってくる。そしてその女に早く帰れと諭すのだった・・・。

 

いつものように取り立てにいった一軒の長屋。内職をしているお内儀が用意していた金を受け取ると、外であの晩に立っていた女、勝美(芦川いづみ)に出くわした。

彼女は月田が取り立てにいった家の娘で、取り立てたその金はどうも勝美が売春で稼いだ金のようだった・・・。

 

数日後、黒沼に見せられた新聞記事であの長屋の夫婦が自殺したことを知った月田。

月田の良心が少し痛むが・・・それでも彼はヤクザとして生きていくのだ。

 

黒沼のキャバレーを根城にしている月田。ある晩、キャバレーに鳳組の北島(植村謙二郎)と一緒にやってきた女があの時の勝美だとわかるが、勝美は居合わせた立花社長に酒を投げつけ、月田の制止も振り切り行ってしまう。月田は金を払うからと勝美のボロアパートへ行くが、自分を抱くつもりのない月田を勝美は罵倒するしかできない。彼女は両親の自殺の原因となった立花と月田を憎んでいる。そして自暴自棄となり、もう借金を返さなくてもよいのに夜の街に立ち続けているのだった。

 

一方、立花社長を脅しにきた鳳組の八木(深江章喜)は卍組の若い衆、小山(近藤宏)から脅しのネタを聞いたことを立花に話してしまう。立花が借金のかたに乗っ取ったバーのマダム(白木マリ)と一緒にいた小山に八木から電話があり、逃げるように言うが時すでに遅く、立花、黒沼、そして月田3人でマダムのアパートへ行き小山に命を助けてやる代わりに八木を殺せと指示される。

 

立花商事へゆすりの金を受け取りにきた八木を待ち伏せて小山に殺させた立花だが、その後、小山には用はないと子分の黒沼に小山を殺させようとするが、立花を日ごろから気に入らない黒沼はなんと拳銃を立花にむけ発砲。八木と立花を相打ちのように見せかけ、月田と命拾いした小山と共に会社を後にするが、それを立花に拳銃の取引をしている男(西村晃)に見られてしまう。

 

勝美は事故にあい、入院することになった。それを知った月田は毎日のように勝美の元へ通う。勝美はだんだんと月田の優しさに心惹かれるようになったが、退院が許可されるも月田は医者から勝美の胸が悪く、那須で療養するように言われる・・・。

二人で勝美のアパートへ帰り、月田が療養のことを口にすると今まで元気だった勝美は

また自暴自棄になったようなことを口にする。月田は思わず勝美との結婚を考えていることをいうのだった。この時の芦川いづみの表情がなんとも良かった(^^)/

 

月田はヤクザから足をあらい、勝美が元気になって戻ってくる間に自分も真面目に働こうと一緒に旅立とうとするが、黒沼へ組をぬけてヤクザから足を洗うことを言いに行ったキャバレー店内で黒沼が取り出した拳銃・・・もみ合いの結果、黒沼を撃ってしまった・・。

 

そんなことも知らずに上野駅へ行った勝美。そこへ刑事(山田禅二)の温情で見送りに行った月田は、急な用事ができて一緒にいけなくなったが、あとで行くからと汽車の窓越しに言う。勝美がふとホームへ目をやると刑事の姿が見え、そこで彼女は月田がなにかで逮捕されたことを知るが、口には出さずに「待っている」といい汽車は動き出す・・・みたいな。

物語も終盤になると葉山良二に何かあるよね~という予感は大有りだったが、やっぱりいづみちゃんとの別れのシーンで涙・涙(笑。

 

途中、乗っ取ったバーのマダム(白木マリ)からの誘惑なんかもある。

そしてこの物語の金子信雄、なんだか普段よりハンサムだった(笑。

 

 

以下 suizou様専用

 

峯品は映画の冒頭、結構早い時期に登場します。

卍組傘下で新宿の夜の街に立つ女の役で、卍組の組員の小沢昭一に見慣れない女がいると御注進する役でございます。

 

まずキャスト名ですが・・・なんで峯が峰になってるんでしょうか・・。

峯品子→峰となっている。隣の佐久間玲子と言う人も夜の女で峯品と一緒にいる女性らしい

小沢昭一にご注進している峯品

 

見慣れない女がいる!という峯品。隣が佐久間玲子?か?

街にたたずむ芦川いづみを見ている卍組小沢昭一と峯品の後ろ姿

 

小沢昭一と峯品子

 

胸の真珠のネックレスをじゃらじゃらさせながらの演技。監督の演出だろうか。

 

 

葉山良二が登場し、訳を話す小沢昭一

 

場所が変わって、売春婦が待機している卍組の息のかかったパチンコ屋店内。

パチンコをしながら客待ち中の峯品。ここで客に顔見せしている。

 

 

物色中の客と峯品

 

 

結局、客は別の女性を選び、パチンコ屋をうろつく峯品

 

 

画像がよくなくてすみません。峯品登場がこれまでで、映画後半でも縄張りを奪われた卍組に属する夜の女たちの場面があるんですけど、そこでの登場はなぜかありません。

日活作品だし、近い将来アマゾンプライムで放映されればいいですね♪♪

紅の翼は同年の12月28日の公開とあり、この作品は10月8日公開と日活のサイトにあります。

撮ったのはいつ頃なんでしょうか。

虎の巻ではなぜか紅の翼も12月の公開ってなってるんですけどね??(どっちが正しいのだ?)。ただこの夜の狼については未見のようですね。