日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

東京五人男  1946年 東宝

監督 斎藤寅次郎 脚本 山下興志一 原作 本木荘二郎

出演 横山エンタツ 花菱アチャコ 古川ロッパ 柳家権太楼 石田一松 戸田春子

   田中筆子 永井柳太郎 鳥羽陽之助 石田守衛

 

日本映画専門チャンネルより

ビックリなのが終戦後・・というか敗戦後すぐ作られた映画。公開は1946年の1月。いったいどのくらいの人が劇場へ行ったのか?そもそも映画館なんて残っていたのか?焼けてない?(笑。

 

徴用工として働いていていた五人の男。戦争が終わり、町は焼け野原・・・。

軍需工場の社長に頼まれた物資?をやっとのおもいで持ち帰り、とりあえず家へ帰ると自分たちの葬式が行われていた。そこへ死んだと思っていた夫が帰って来たので妻はビックリ。横山エンタツの妻役の戸田春子はまだ若く、多少細い(笑。

 

古川ロッパは親一人、子一人で息子は学童疎開に行っているが、戦争が終わり東京へ帰ってくる息子のために農家をまわって食べ物を交換してもらおうと自分の洋服を出すも

農家の主人は時計やら着物やらで裕福な生活を送っている・・。別の農家はとても親切で持ちきれないほどの食料をもらう。

 

エンタツアチャコ路面電車の運転手と車掌に復帰するがなにせ電車の数が足りずにいつも乗客で超満員、それどころか乗客が乗り切れない。

 

配給所に勤める石田一松はそこの所長のお役所仕事に辟易している。困った人が配給の物資を欲しいと来ても、役所でハンコをもらって来いと取り付くしまもない対応。

長い間保管しているので腐りかけてしまっている芋も、役所から指示がないからと配給しない。人々は配給をもらいに毎日四苦八苦。

 

柳家権太楼は配給酒場?に勤めるが、酒場の主人は軍需工場の社長と配給所の所長を優遇し、券をもって並んでいる人たちを酒場にいれずに彼らだけに酒を提供し、代わりに自分も彼らから物資の優遇を受けている体たらく・・。

 

古川ロッパの子供は熱を出し、医者を呼びに行くが看護婦に断られ、○○男爵だか○○閣下だかの息子だといって自分のあばらやへ医者を連れていく。ロッパは薬屋だったが今は売る薬もなく、医者は医者でロッパの家にあった酒をくれれば薬を出すという始末・・・だがその一升瓶は酒ではなく・・・

 

全て賄賂、賄賂で何もない庶民は大変だったんだね。

 

町の有力者は自分たちの金もうけの邪魔になる彼ら五人を追い出そうとするが、堪忍袋が切れた五人の男たちは成敗に乗り出す!

・・・みたいな話。

 

どうも私は古川ロッパエンタツアチャコ系の笑いにはついていけず、話にスピード感がないので飽きてしまう。長い映画でもないのに途中で視聴をやめることしばし(笑。

ただ、ほんとにな~~~んにもない焼け野原の東京?がロケでおさめられていてそれだけはかなり貴重な映像。

 

それにしてもいつの時代も自分たちはうまくやってお金儲けしようとする人たちはいるんですね。東京2020も騒がれたね~♪♪これも賄賂が焦点だった・・。

歴史は繰り返すってホントですね。

 

配給の風景

古川ロッパと子供の住む家