日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

都会の怪異七時三分 1935年 P.C.L 

監督 木村荘十二 原作 牧逸馬

出演 中野英治 嵯峨善兵 佐伯秀男 丸山定夫 小杉義男 滝沢修 小島洋々

   細川ちか子 千葉早智子 神田千鶴子 小沢栄 藤輪欣司 生方賢一郎 

 

スカパーより

久しぶりのP.C.L 。

むかーしの有名な俳優さんが出演多数。しかも警官役の若い小沢栄やら、競馬場の客の藤原釜足なんかは映画を見終わったあとにキャストを書くためにネットで調べてわかってなんだか大興奮!もう一回警察官と競馬場のシーンを見てみようと思ってます(;'∀')

なにせ、両者ともにまったく気づかなかった。

と、書いたところでもう一度キャストのクレジットを見直すも、小沢栄の名前はあるが藤原釜足の名前はなく、競馬場の客を何度も見直すも、これって藤原釜足じゃぁないよね・・・

競馬場の男

 

気づいたのは質屋の主人役の滝沢修、会社社長の丸山定夫、会社の顧客の小島洋々、会社の同僚でいつも寝ている?小杉義男、主人公の同僚の佐伯秀男(いい男!w)、バーのマダムの細川ちか子、主人公の恋人の千葉早智子、主人公の友人で新聞社に勤める嵯峨善兵(若いがすでに体形は太いw)。

中野英治が主人公だが、しばらくわからなかった・・くらい中野英治を見慣れていない(笑。というか中野英治が出演している映画そのものって数本しか見てないと思う。

英百合子の夫で長谷部健の父だが、なんかよくみると猿顔系(笑。まぁハンサムなんだろうけど上原健ほどでもない。新藤兼人の「ある映画監督の生涯」でインタビューにでていた中野英治は確かジャンパー姿でサングラスだか、眼鏡だかをしていて競馬場にいるオッサンみたいな人だった・・・という記憶がある(その時は中野英治がこんなに有名な俳優さんであったことは知らない)・・・。撮影当時1975年すでに70歳。結構長生きで1990年に85歳で没とある。彼のwikiななかなか面白い。1975年の彼が競馬場にいるようなオッサンに見えたのも彼の生き方やその後の仕事を知ればなんだか納得した(笑。

藤輪欣司はどこで登場なのか???謎。

 

この映画の公開は1935年って私の母が生まれた年より前で父の出生(1934年)の一年後に作られた・・・(絶句)

今更ながらも古いよねぇ(笑。一言で古い邦画が好きです!っていっても、今から30年前だって1992年なんだよねぇ・・・1990年前後はバブルの余韻はまだまだあって世の中、景気もスーツの肩パットも凄かった。で、私が好きな古い邦画っていうのはそれこそこの映画のような戦前のトーキーものから1960年代のそれもせいぜい前半までで中でも一番好きな年代は1950年代だ。だから70年以上前の邦画が好きと言わないとね。

衛星劇場でSF怪奇もの特集のひとつで放映されたんだけど、なんと「バックトゥザフューチャー」テイストな映画。

 

興信所で働く宮本(中野英治)は愛人の閉子(千葉早智子)が妊娠したことで金が必要になった。給料は未払いで困った宮本は新聞社にいる友人の垂平(嵯峨善兵)に助けを求める。垂平は有楽町の酒場で待ち合わせようと提案し、宮本はその酒場へ向かうがその途中、見知らぬ老人に声をかけられる。その老人(小島洋々)は夕刊を買わないかという。それも明日の夕刊だという。無視していこうとする宮本だが、彼はなぜか宮本の名前をしっており、面倒に思った宮本は老人から20銭で夕刊を買い、バスに乗る。

バスの中で宮本の前に立つ男性が持っていた夕刊にはとある事件の記事が載っていた。

宮本が老人から買った夕刊にはその事件の犯人が逮捕されたとあり、さらに宮本が垂平と待ち合わせた酒場が火事になったという記事も載っている。

右隣の男性に今日は何日ですか?と宮本は訊いた。さらに左隣の男性にも訊いた。

9月26日・・・そして彼の夕刊の日付は27日なのだ・・・。

 

バスを降り、酒場へ向かう。酒場のマダム(細川ちか子)が久しぶりだと席に座るが、友人はなかなか現れない。その酒場は雰囲気を出すためにまだ電気を引かずに(古っ)

ランプに油を使っていた。なかなか現れない垂平にしびれを切らして宮本は酒場を後にするがなんとその後、その酒場が火事となり、明日の夕刊の記事の通りとなった・・・。

 

明日の夕刊をもつ宮本は明日に開催される競馬の結果が載っていることに気づき、

その賭け金をつくるために近所の質屋へ行く。夜分にたたき起こされた質屋の主人(滝沢修)は8円だというが、20円欲しい宮本の頼みもむなしく8円で納得できなければ他へ行ってくれと言い、宮本はしぶしぶ金を受け取る。

宮本は明日の夕刊に今晩、日本橋で強盗があったことの記事を思い出し、その強盗犯から金を奪おうとでかけるが、強盗犯と思しき男から奪った財布の中にはたいした金はなかった・・・しかしその男ともみ合いになった宮本はその男を川へ転落させ殺してしまった・・・。

翌日、競馬場で大勝した宮本だが、殺人を犯しているので愛人の閉子に金を渡し、自分は大阪へ行く、住まいの用意が出来たら連絡すると言って東京駅へ向かうが車内で持っていた夕刊に目を落とすとなんと自分はタクシー車内で死亡という記事が!!!

 

フィルムが古すぎて欠落箇所があるのか、なんだかよくわからないところが散見されるのでいまいちだったが当時としてはかなりのサスペンスだった。ビジネス街とか競馬場でロケが行われているのも貴重なんたって昭和10年のですよ!。

小島洋々が一人5役の大活躍(笑。

 

ハンサムな佐伯秀男。長生きで2003年に91歳で没とある。霧立のぼる結婚し、娘をもうけて(霧立はるみ)離婚。

三原 秀夫 

佐伯 泰輔 

という名前でもテレビや映画に出演しているのでもしかしたら何度も映画で見ているのかもしれない・・・。独立系成人映画に出演ってあるけどなんだろう。

 

佐伯秀男

神田千鶴子という女優さんのwikiはないが写真があった。確かにこの人が中野英治の(先進的?な)同僚だった。

 

オークフリーより