日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

按摩と女  1938年 松竹

監督 清水宏 脚本 清水宏

出演 高峰三枝子 徳大寺伸 日守新一 佐分利信 爆弾小僧 春日英子 坂本武

   三浦光子 二木連 近衛敏明 磯野秋雄

 

高峰三枝子徳大寺伸

衛星映画劇場の今月は清水宏特集ということで「按摩と女」。

すでに動画でアップされていて10年近く前に視聴していたが、徳大寺伸をみた初めての映画だった思い出がある。按摩の役だったし、終始目が見えない演技なので顔の印象は全くなかった。その後、朧夜の女なんかで徳大寺伸が結構ハンサムであったのがわかった(笑。日守新一のことも知らなかったと記憶する。旅館の主人、坂本武が若い(笑。

どの温泉地だろうと思っていたが塩原温泉だという。塩原温泉っていうと日本閣事件が強烈なんだけど(;^_^A

 

塩原温泉 畑下

 

暖かくなるとやってくる按摩の二人連れ。道中しきりと目明きと目くら談義に花を咲かせている。今、目くらっていう言葉は差別用語だけれど彼らは卑屈になることなく堂々と世間とかかわっている。これって監督の清水宏のおもいそのものだと思う。脚本も清水宏だし。

日守新一徳大寺伸

そこへ東京から謎の女(高峰三枝子)が旅館へ逗留しにやってくる。

高峰三枝子、若干20歳!今の20歳とはくらべものにならないほどの大人♪

高峰三枝子

同日、やはり東京からやってきた子供(爆弾小僧)と彼のおじさん(佐分利信)。

 

東京からきた女がいる宿屋では盗難が相次ぎ、なんと東京からきた謎の女(高峰三枝子)が疑われる。

 

子供(爆弾小僧)を介して知り合った女と話すうちに子供のおじさん(佐分利信)は彼女のことが気になって温泉に滞在するのを延ばす・・・ってところが面白い。

 

佐分利信高峰三枝子・爆弾小僧

 

こんな美人なら滞在しちゃうよね(笑

徳市も名指しで按摩に呼ばれるうちに女に淡い恋心・・・

 

子供にそくされておじさんは温泉を後にする日。おばさんにあいさつに行けと言う佐分利信の心中は?(なんか成瀬巳喜男風な演出)

佐分利信

子供が帰るのを知ってあわてて河原から駆け付けるもすでに馬車は行ってしまっていた。

 

そして夜・・・。宿屋での盗難をとうとう警察が取り調べにくるということを聞いた徳市は慌てて女の部屋へ行き、逃げろという。女も慌てて徳市と逃げる・・・。

ところが自分が泥棒だと言われた女は「私は旦那が嫌になって東京から逃げてきた。旦那が追ってきたのかと思った」と言い、徳市の勘違いであることがわかる。

 

翌日、女が温泉を去るので馬車に乗っていると按摩の一団が通りがかる。

そのひとりの徳市は女の気配を感じて立ち止まるが女はなにも言わない・・。

そこへ窃盗で捕まった男が警察官?と共に馬車に乗る。



 

去っていく馬車を追いかける徳市。

 

↑の現在の場所↓

 

 

女はこれからどこに行くのだろうか・・・いい映画だった。

春日英子

旅館の女中、お菊役の春日英子という女優さんが気になったがwikiでも赤字なので長くは女優をやっていなかったのだろう。

 

女学生役で三浦光子(声でわかった)。男子学生役では磯野秋雄近衛敏明

古い人達だ。

 

85年前の映画なので出演者全員もうこの世にいない?と思う。wikiでは子役の爆弾小僧が95歳となっているが・・・。