日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

明日は日本晴れ  1948年 松竹(東宝配給)

監督 清水宏 脚本 清水宏 

出演 水島道太郎 三谷幸子 日守新一 国友和歌子 御庄正一 荒木忍

   明美京子 上田秀男 間山政次郎 石原ミドリ 上田熊男 坂田源次郎

 

衛星劇場より

最近、日本に住んでいる韓国人男性の動画を見ている。彼の友人が韓国からやってきて

日本を案内する動画なんだけどもっぱら食べ歩きがメインでその韓国からやってきた友人男性、テグさんが爽やかなイケメンで日本の食事ですごーく感激してくれる♪♪とにかく私好みの清潔なハンサムっぷりでほぼ毎日?動画がアップされるので見てしまう(笑。

で、この映画・・・

んー、期待しすぎたせいか、あまり面白くなかった・・・ような・・

ただ、戦後3年の映画で、戦争で足を失ったかつぎ屋の男(御庄正一)がひょんなことから声をかけられた同じバスに乗った乗客の初老の男(荒木忍)をぶん殴る場面がある。その初老の男は戦争では偉い地位だった男性で、戦後、戦死した部下の墓参りに歩いているという設定。そしてかつぎ屋の男は片足がないんだけれど、彼(御庄正一)は本当に片足がないようだ。清水宏の「蜂の巣の子供たち」でも御庄正一がでてくる。

お前のせいで俺の足がなくなったと怒るかつぎ屋の男(御庄正一)

彼はこの「明日は日本晴れ」「蜂の巣の子供たち」「その後の蜂の巣の子供たち」(全て清水宏監督)の3本だけ映画出演したらしく、職業としての俳優ではないような気がする。4月に衛星劇場で「その後の蜂の巣の子供たち」が放映されるようなので楽しみだ。

 

山間をいく路線バス。乗客もそれぞれだ。

バスが古いので調子がよくない・・・。すでに時間も遅れ気味・・・そしてとうとうシャフトが折れ、バスは山中で走れなくなった・・・。

水島道太郎と三谷幸子

そのバスの中に、都会に匂いがする謎の女が乗っている。彼女はワカ(国友和歌子)といい、6年前に戦争成金?の愛人になり、東京へ行った。ワカはバスの運転手をしている清次(水島道太郎)とは恋仲だったが、戦争中に徴用で働くことを嫌がり東京へ行った・・・ことになっているのだが、実際は母と自分の幼い弟、妹を食べさせていくには徴用でタダ働きするわけにはいかなかったのだ。

↑これがわかるのが後半なのでそれまでは他の乗客のやり取りなんかが続く。コメディあり(笑。

国友和歌子

日守新一は今回もめくらの役で、一緒のバスに乗り合わせた”つんぼでオシ”(今はどれも差別用語)のおじいさんとのやり取りなんかもある。そのおじいさんは自分は耳が聞こえないから世の中の雑音がはいらない、だから長生きだし、もっと長生きすると言ったりする(実際はバスの車掌の三谷幸子が代わりに言うが)。

 

日守新一御庄正一

車掌のサチ(三谷幸子)は清次が好きなのだが、ワカの存在を知ることになり・・

ただ、最後は迎えのバスが来て、みんなが乗っていき、清次とサチだけが動かないバスに残される・・・って、あっさり終わる(笑。

現実を考えるとどーするの?このふたり・・・食べ物もないのに一晩過ごすの?

とか考えちゃうんでやっぱりあんまりおもしろくなかったんだろうと思う(;^_^A

まぁ、清水宏が言いたかったのは「戦争が人々の運命を変えてしまう(それも不幸のほうへ)」ってことはよくわかる。