日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

勝利をわが手に 港の乾杯 1956年 日活

監督 鈴木清太郎(清順)脚本 浦山桐郎 中川順夫

出演 三島耕 牧真介 南寿美子 天路圭子 芦田伸介 菅井一郎 河津清三郎 

   佐野浅夫 青木富夫 青木光一 コロムビア・トップ・ライト

 

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日活より

 

鈴木清順監督の日活移籍第一号監督作品!元々松竹にいたというのはビックリ。松竹時代、あの木下恵介監督からあんな汚い?男を(自分の)助監督につけるなを言わせたらしい(笑。

この作品ではあまり「イカシタ」感は感じられず、普通。恋愛ものだからか??

 

伸吉(三島耕)は元船員だが今は陸へあがり魚の担ぎ屋(行商?)をしている。船を降りたのはある事件がきっかけで自分が責任をおってのことだ。

港の人間が集まる酒場には看板娘の早苗(天路圭子)がおり、彼女は伸吉の弟で競馬の騎手をしている次郎(牧真介)を密かに想っている。

 

次郎の競馬場には赤いハンカチを振る謎の女が観客席にいる。同僚から彼女のことをきき、次郎はその女、あさ子(南寿美子)を知るが、次郎が勝利すると彼女は次郎に向かってハンカチを振るのだった。興味をもった次郎は彼の誕生日をあさ子と過ごした。

酒場では早苗がケーキを用意して皆で待ったがその晩次郎は帰ってこなかった。

心配する兄の伸吉をよそに次郎はあさ子に惹かれていくがあさ子にはずっとつきまとっている地元のボス、三沢(芦田伸介)がいる。

ある晩、あさ子を待ってナイトクラブにいると三沢からあさ子が欲しいなら八百長をやれと言われる。悩む次郎・・・。

レース中、次郎は落馬してしまい三沢の指示通り負けてしまったがそれは偶然のことであった。しかし三沢は同じことだと言い、もう一度八百長を次郎に指示する。

きっぱり断った次郎はボスの手下から暴行を受けるがそこへ兄の伸吉が助けに入る。

 

ところが伸吉は三沢をあやまって階下へ落としてしまい・・・

 

港の堤防へひとり現れた伸吉に顔なじみのトッ爺(菅井一郎)が伸吉と自分がまた船に乗れることを告げるが、すでに刑事(河津清三郎)が伸吉を待っていた!!

 

次郎とあさ子はその後結ばれるようだが、ある意味正当防衛で殺人を犯した兄の伸吉は皮肉にも船に乗れずに・・・という終わり方がなかなかであった。

 

三島耕ってかっこいい。まだ生きてる?のだろうかと調べたら1970年代に引退したとあった。どうりでずいぶん見ていないはずだ。1927年生まれとあるからもしかしたらもういないかもしれない。

牧真介は日活第一回のニューフェースだがこの年から数年は日活作品に出演しているがその後はどうなったのかwikiもないし不明なのが残念。

同年の「洲崎パラダイス赤信号」で廓の若い女の子に客をとらせまいと毎晩通ったがとうとう貯金もなくなり千草の女将に彼女の仕事を探してもらうもある晩突然彼女はいなくなる・・という青年役が牧真介を知った初めての作品だ。

 

日活より