日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

温泉女医  1964年 大映

監督 木村恵吾 脚本 木村恵吾 田口耕三

出演 若尾文子 丸井太郎 菅井一郎 飯田蝶子 ミヤコ蝶々 姿美千子 三原葉子

   中村雁治郎 山下洵一郎 宮川和子 横山通乃 弓恵子

 

若尾文子

そもそも古い邦画にはまったのが60年代の大映作品で、若尾文子は好きな女優さんのひとり。この時代、若尾文子の美しさマックスなのです。

ただ映画の題名からあまり見る気がおこらなかった(笑。

映画が始まって早々に三原葉子が芸者で登場し、益々男性向けなのかと思いきや、川口松太郎ばりの人情劇だったのが意外です♪

 

若尾文子三原葉子

温泉町で唯一の医者、薮内大作(菅井一郎)は酒好きの高血圧。息子の昌彦(丸井太郎)は医大をでたが養蜂に興味を覚え、勘当されている。

代診を頼んだ東京の医者から紹介されたという塩月イサオ若尾文子)が医院にやってきた。男だと思っていた大作やお手伝いのばぁや、おたみ(飯田蝶子)はビックリする。

医院には色々な人がやってくる。毎日のように注射を打ちにくるヌードダンサー。

彼女はダンサーだけでは食べていけないと言う・・のが意味深。注射というのは元気になるビタミン注射か?(笑。温泉宿の主人で若い嫁をもらった多平(中村雁治郎)もそのひとり。彼は大作と仲が良い。宿に泊まっている客からも呼ばれる。数人の若者グループは寝ないで麻雀に嵩じてイサオは鎮静剤を打って眠らせ、後で文句を言われたりする。美人女医が診てくれるというので医院は大盛況♪♪

 

芸者の豆福(三原葉子)はパトロンの子供を妊娠するが子供はいらないと思っているが、イサオから神様から授かったのだと言われ、赤ちゃんをみると考えてしまう。

看護婦になりたいが家が貧しく舞妓になった吉弥(姿美千子)のことを不憫に思うイサオ。後日、なんと彼女は自分の貯金をはたいてで吉弥を身請けする。

姿美千子・三原葉子若尾文子

勘当されている大作の息子、昌彦は養蜂場でつくったはちみつを売って生計をたて、さらに孤児たちの面倒をみている。そして高血圧の父のために植物を栽培していたりする。

そんな昌彦に興味をもつイサオだった。

 

ある日、東京から便りがある。イサオが温泉町へ行く前に提出した論文が評価を得て、

大学に戻ってこいというのだ。大作はイサオにお祝いを言い、送り出す決意を固めるが

その晩、イサオは昌彦になんとか父親と仲直りして家に帰るように言う。そして昌彦は突然イサオに愛の告白♡♡。イサオもこの温泉町にいるつもりなのだ。

 

丸井太郎・若尾文子

丸井太郎という俳優さんはコメディ系の映画でみるが、この作品の役は良かった。変に笑いをとろうとするシーンもない。

彼は若くして亡くなるのだが、惜しい人だと思います。

三原葉子といえば新東宝/大蔵貢ですが同時代に日活の筑波久子がいました。

今風にいうと(今風でもないかw)セクシーダイナマイト!なお二人です。

三原葉子筑波久子

実際の温泉町でロケしたと思えるシーン

しかし、このポスターはなんとかならんのか(;^_^A

 

世界の母 1958年 新東宝

 

監督 野村浩将 脚本 舘岡謙之助

出演 宇津井健 三ツ矢歌子 小峰千代子 二本柳寛 林寛 小畠絹子 江見俊太郎

   宮田文子 五月藤枝 鈴木久弓 松本朝夫 江幡絢子 国創典 花岡菊子

 

雰囲気。ブログを書くようになって気づきましたが、この「雰囲気」って変換するのに「フインキ」と打つと雰囲気とは変換されない。

「フンイキ」と打たないと「雰囲気」とはならないので本当は「フンイキ」が正しいのでしょう。

注意深く、テレビでなんと言っているかと聞いても皆、フインキって言ってますよね?!

「フンイキ」が正しいからと言っても多数の日本人が「フインキ」と言ってる現在、私は日本社会で「フンイキ」と言える「雰囲気」ではないです(笑。

 

三ツ矢歌子没後20年ということで新東宝公式チャンネルで無料視聴できるこの作品。

すでに大蔵貢時代なので知っている俳優さんたちが非常に少なく、いかにも大蔵貢系面構えの女優さんと俳優さんが江見俊太郎と宮田文子。そして五月藤枝という人は老人役でちょくちょく東映の警視庁シリーズでも出て来た?人もソッチ系な顔。

江見俊太郎

五月藤枝

宮田文子・二本柳寛

小畠絹子はかなりの美形な女優さんでwikiにも載っていました。

小峰千代子・小畠絹子

で、肝心な物語は、BB版マッチ売りの少女で最後はBB版シンデレラみたいなストーリー。ただ「世界の母」という題名が謎です(笑。

世界一な日本の母?という意味か?

 

那須の地主だった土屋家。今は家屋敷は抵当にとられ、三男の修三(宇津井健)はアルバイトをしながら学校へ通っている。ある晩、当主の修作(林寛)は畠山という男に会社設立の話で呼び出されるが、彼の魂胆は土屋家の財産狙いであることに激怒し、畠山を夜道でみかけた彼は思わずこん棒で彼を殴ってしまう。死んだように倒れている畠山をみて逃げ出した修作は三男の修三と出くわす。

父の慌てぶりを不審に思った修三は畠山が倒れているのをみて父の仕業と思い、自ら自分がやったと自首をする。幸いにも命に別状はなかったが修三は懲役1年となり刑務所へ。

 

刑期が明けて那須へ帰ると父は亡くなっていた。屋敷からは立ち退かなければならず、

残された母と亡き長女の娘トシ子(鈴木久弓)をどうするかで長男、次男、嫁にいった二女、そして修三で話し合う。二人分の生活費、月8000円を4人で負担することになったが誰も二人を引き取るとは言わない。修三は行くところすらない。

しぶしぶ長男の修一(二本柳寛)の家へ行くことになり、前科者となった修三は北海道の炭鉱へ行って母のためにお金を送る。

修一の家でお手伝いのように働く母、お民(小峰千代子)だが、嫁綾子(宮田文子)はお民やトシ子につらく当たる。トシ子は綾子から出ていけと言われそのまま行方知れずに。

修一から母を預かることになった新婚の次男、修二(松本朝夫)の住む団地に行くが、

嫁のみつ子(江畑絢子)と修二が自分のことで喧嘩するのをみてお民はそこの家も出る。

二女、まつ子(小畠絹子)の嫁入り先で弁護士をしている竹田(江見俊太郎)の家にはお姑の時枝(五月藤枝)がおり、お民は訪ねた早々嫌味を言われて住むところがないとも言えず、優しいまつ子に見送られてその家も後にする。

とにかくいなくなったトシ子を探そうと夜の街を歩くとトシ子が花売りをしているところに出くわす!

二人でとりあえず那須のお墓に参ると、お民が村に帰ってきたと知った弓子(三ツ矢歌子)がやってきてトシ子を弓子の家で預かるという。お民にもいていいというがお民の姿をみた畠山が村に帰ってきたらただではおかないと言われたのでお民はトシ子だけを預けて東京へ戻る。

団地住まいの二男夫婦・・江畑絢子・松本朝夫

季節は冬。東京にも雪が積もっている。

お民は長男、二男、二女の家を一軒ずつまわり外から彼らが楽しそうに過ごすのをみて満足する。

そして雪の中に行き倒れ・・・って死んだのかと思ったが(笑。←BB版マッチ売りの少女♪

 

倒れたところが養老院の前で、彼女はそこに引き取られた。

 

そんなことになっているとは知らない修三は、自分の設計?が採用されたとかで賞金200万円をもらい東京で就職することになった。兄の修一の家へ行くと母がいない。

そして修一が修三が送った計1万円を誰にも言わずに自分の懐に入れていたことがわかる!

養老院にいた母を迎えに行った修三!!←BB版シンデレラ♪で抱擁シーンで終わる。

三ツ矢歌子より小峰千代子登場シーンが多いのは母ものだからだと思われる。

ところで三ツ矢歌子のマフラーの巻き方が懐かしい。昔はみんなマフラーはこういう巻き方だった。

 

小峰千代子・三ツ矢歌子 

父役の林寛という人は1905年生まれの古い人だが、66歳で早々に没している。

林寛

 

あなたと私の合言葉 さようなら、今日は。1959年 大映

監督 市川崑 脚本 久里子亭 舟橋和郎

出演 若尾文子 京マチ子 佐分利信 野添ひとみ 菅原謙次 川口浩 船越英二

   田宮二郎 浦辺粂子 見明凡太郎 潮万太郎 三好栄子 倉田マユミ

アマゾンプライムビデオより

なんだか小津安二郎みたいなセリフ、俳優の所作とカメラワーク。市川崑は面白がってワザと真似たのか?? 

ただし使う俳優が佐分利信以外違うので似ているようでやっぱり小津映画とは違う。

若尾文子京マチ子

東京の外車ディーラーに勤める和子(若尾文子)は父、伍介(佐分利信)と妹でスチュワーデスをしている通子(野添ひとみ)と暮らしている。彼女には半次郎(菅原謙次)という婚約者がいたが、彼は大阪に転勤となったので今は離れ離れだ。

 

大阪から大学時代の3年先輩で料理屋の娘、梅子(京マチ子)上京してくる。彼女はやり手で今度、東京に進出するという。

半次郎との結婚に乗り気になれない和子は梅子に彼との結婚を断ってもらうことにした。大阪へ帰った梅子は半次郎のいる大阪支社へ行き、彼に会って和子の気持ちをいうが半次郎も半次郎の母(三好栄子)も突然のことなので納得できない。

 

和子は大阪出張の際、梅子と半次郎の会社へ行く。このところ梅子は半次郎によく面会に来るらしいが、半次郎は来たのが和子と知り、梅子をまいて二人で話そうと誘いだす。

和子は父の面倒をみるから結婚はできないというのだ。

 

その後、梅子は和子に半次郎が好きになったので結婚したいと言い出す。和子はただ笑うだけだ。

梅子には血のつながらない兄、虎雄(船越英二)がいるが、梅子と自分が一緒になればいいのに・・と言い出す始末。

 

東京の家に御用聞きに来るクリーニング屋の男、哲(川口浩)は苦学生だが、和子が好きだ。自分の望む就職はできなかたが、ある日和子に呼び出され意気揚々と出かけるがなんと妹の通子が哲と結婚したいと伝えてがっかり・・・。

振られた3人が大阪で呑む。

 

月日が流れ、梅子と半次郎の結婚する。そして通子と哲も一緒になった。

 

その晩、父の伍介は自分は子離れをしなければならないと和子に言う。これまで和子のお見合いの日になると具合が悪くなる父は和子を嫁にいかせたくないのだった。しかしこれからは和子の好きなように生きて欲しいという父に和子は会社から進められているアメリカ行きを決心する。

 

最初は若尾文子が結局、菅原謙次とすったもんだで結婚するんだよね・・と思っていたがあっさり京マチ子と一緒になって拍子抜け(笑。和子も半次郎が好き?な感じはしたが友人にとられても結構平気なようだった。

 

和子のいつ会社ディーラーはどこのあたりでしょうか。赤坂ぽいんですが。

川口浩菅原謙次若尾文子

銀座の明治屋が映っていた。

見明凡太郎と佐分利信

 

踊子 1957年 大映

監督 清水宏 脚本 田中澄江 原作 永井荷風

出演 京マチ子 淡島千景 船越英二 田中春男 藤田佳子 平井岐代子 楠よし子

 

アマゾンプライムビデオより

ん~~、京マチ子の貫禄が凄すぎてとても田舎からでてきた娘という感じが最初からしなかった作品(笑。

短いスパンで展開されるので上京したでの頃の娘時代の女優さんは違えるってことが無理?だったんでしょうか。

 

浅草、シャンソン座のレビューの踊子、花枝(淡島千景)は舞台でバイオリンを弾く

山野(船越英二)とアパートに住んでいる。そこへ金沢でバスの車掌をしていた妹の千代美(京マチ子)が上京。東京に暮らしたいといい、彼女は花枝のいるレビューで踊り子になる。花枝も踊子なら女でもひとりで東京で生きていけると賛成だ。

 

ある晩、千代美からお金を預かっていて欲しいと起こされた山野は千代美の妖艶さに思わず・・・

そんなある日、振り付けの先生と呼ばれる田村(田中春男)から千代美の手癖の悪さを知らされる山野。アパートでは管理人の女の指輪がなくなったと騒ぎもあって自分たちの部屋を調べるとなんと指輪がでてきたりする。

 

千代美は踊りの筋がよく、田村のお気に入りとなる。

千代美のよくない噂が立ち始めたころ、山野は千代美から妊娠を告げられる。

そしてそのことは花枝も知ることになるが、花枝は千代美が産んだ子は自分が育てるというのだ。花枝は山野との子供を望んでいたが子供はできなかった。

 

振り付けの田村から呼び出された山野は、千代美が田村とも関係があったことを知る。

誰の子がはっきりしないまま千代美は女の子を産んだ。産院で同室となった芸者は旦那を3人も抱えていると聞いた千代美は芸者になると言い出し、向島へ。

慌てて迎えにいった山野とまたホテルへ行く千代美なのだ。

 

浅草のレビュー小屋で田村から千代美と関係があったのだと責められた山野は思わず田村を殴り喧嘩となる。花枝と山野はもう田舎へ引っ込もうと荷造りをしていると千代美がアパートに訪ねてくる。なんと川口の鋳物工場の社長の妾になるから芸者はやめたという。

 

山野は田舎の幼稚園?でオルガンを弾き、花枝は保母?となった。

そこへまた千代美が現れ、男とはとうに別れたと赤ちゃんのためのお人形をぶら下げてやってくるのだった・・・。

 

永井荷風の踊子系の作品は別にも映画化されたようだが、この作品は千代美が男から言い寄られると悪くて断れないという性格は全く描かれていない。

どんな仕打ちをされても妹を許す姉は不憫だがちょっとねぇ。

 

3月27日は高峰秀子のお誕生日で今年は生誕100年ということですが、京マチ子淡島千景も同じ1924年生まれです。

牝犬 1951年 大映

監督 木村恵吾 脚本 成澤昌茂 木村恵吾

出演 京マチ子 志村喬 根上淳 久我美子 加東大介 北林谷栄 藤原釜足

   利根はる恵 高品格

 

アマゾンプライムビデオより

どこかの自民党県連主催の懇親会でのセクシー衣装のダンサーが話題のようですが、

京マチ子も負けずにセクシーでした♪♪

保険会社に勤める堀江(志村喬)は学歴はないが勤勉で部長までになった男。社員が会社の金を使い込み、行方不明となり堀江は彼が夢中になったというダンサーがいるという。その後、舘林に300万円の集金から帰り、浅草で降りた堀江は思い立ち、そのダンサー、エミー(京マチ子)がいるというレビューの楽屋と訪ねる。

彼の行方を訊くがそんな男は知らないとケンモホロロな対応をされ、帰ろうと楽屋を後にしてカバンを置いてきてしまったことに気づいた堀江は慌てて楽屋へ引き返すがカバンがない。エミーはもしかしたらと兄、的場五郎(加藤大介)に訊くと彼がかばんを隠していた。堀江から300万円入っていることをきいたエミーはカバンを返してあげたら?というがそんな大金が入っていたと知った五郎は承知しない。そしてエミーに堀江を誘惑しろとカバンは兄が持って帰ってしまったと言わせ、色仕掛けで堀江を誘惑させる。

 

すっかりエミーと五郎の罠にはまった堀江は、病弱な妻(北林谷栄)と娘(久我美子)を捨てた。

それから一年。とある港町でキャバレー?のマダムとなったエミーの横にはパパと呼べれる堀江がいた。堀江の金でキャバレーをオープンさせたようだ。

エミーに夢中な堀江だが、エミーは夜な夜なキャバレーの客と出歩く。朝方まで帰ってこないこともあるが堀江はエミーを強く叱ることもできない。

 

そんなある日、キャバレーの音楽隊にひとりの男がやってきた。

白川(根上淳)というそのサクスフォン奏者が気になるエミー。彼を篭絡しようとするが白川は全くエミーを相手にしない。これまでどんな男も自分のものにしたエミーは意地でも白川と関係をもとうとするが・・・

 

古い邦画を見始めた時に最初によくみたのが大映映画で、この作品のジャケットも気に入って購入しようかと思ったこともあったが、買わなくて良かった・・・と思いました(笑。

作品全体が暗くて、ほぼセットの同じ場所でなんだか単調なんですね。

悪い女の虜となった中年男の悲哀が延々と続くし、エミーはとにかく白川にアタックし続け、エミー兄は途中でいなくなりまたちょっと登場。

最後は、堀江の娘がダンサーとしてそのキャバレーに応募してきて父娘が対面するという悲劇なんですけどね・・・。

志村喬京マチ子

おお!まさしく堀江の娘、由記子の踊るセクシーダンス♪(ただし久我美子じゃなくて別人の吹替だと思われる。その後の顔のあっぷが久我美子となる)

 

若い高品格発見。

高品格

 

屋根裏の女たち 1956年 大映

監督 木村恵吾 脚本 井手俊郎 木村恵吾 原作 壺井栄

出演 望月優子 川上康子 倉田マユミ 市川春代 八潮悠子 賀原夏子 

   藤田佳子 岸田今日子 浦辺粂子 村田知栄子 船越英二 多々良純

 

アマゾンプライムビデオより

出演者は地味だけれどなかなか良かった作品でした。原作が壺井栄というのは驚きでした。ロケはなんと小豆島で行ったようですが設定は伊豆半島?かどこか?

 

 

とある漁村でうどん屋を営むおきん(望月優子)はこの春学校を卒業するおコウ(川上康子)と二人暮らし。うどん屋ではたいした稼ぎにならないが、村越という流れ者の男から女をおけばお酒が売れると言われる。

近所で宿屋を営むおしま(賀原夏子)がちょうどいい女がいるとはるみ(倉田マユミ)という女を連れて来た。酌婦として雇ったつもりがはるみはお客を屋根裏部屋に連れて行き商売をする。おきんには稼ぎの半分を渡すというので乗り気ではなかったおきんもその気になった。

そして次々と女を雇い、おしまの店は繁盛しだす。学校を卒業したおコウには花や洋裁を習わせ、お嬢さんと呼ばせる。店の離れを改築し風呂も作った。

ある日漁業組合の組合長の息子とおコウの縁談がもちあがり、おきんは意気揚々と旅行を兼ねて女たちも連れて行くがなんとその話は組合長の妾の話であった。

怒ってその日のうちに帰るおきん達。運転手として雇った東京から来たという川井(船越英二)と話すようになったおコウ。川井はその後、女たちから誘われても帰ってしまうような真面目な男のようだった。物腰も柔らかく優しそうな川井。ある日おコウが母の薬を取りに行こうと家をでたところに川井が自転車でとおりがかり、乗せて行ってもらうことになった。

川上康子・船越英二

他の自転車カップルと競争したりしておコウは楽しかったが、川井は山中へ・・・そこでおコウが早く帰ろうというといままでと違った態度を取る川井におコウは恐怖を感じる・・・そして乱暴されてしまった。

しかしおコウは川井を愛するようになる。ところが彼女は妊娠した。

川井のところへ行き妊娠を告げると、川井はおコウの家があんな商売をしているのだから自分の子供ではないと言い出す・・・翌日、川井の姿はなく、逃げてしまったのだ!

 

おきんのあいまい屋の女の一人は魚を売りにくる漁師と一緒になったり、刃傷沙汰を起こしたり、逃げ出したりする女が立て続けにでた。柳橋にいたという菊江(市川春代)は眼鏡屋の主人に見初められ、後妻として見うけされることになったが、ひょっこり現れたおきんに女を置けといった村越が現れ、菊江が逃げた妻だとわかって彼女はまた慌てて逃げ出す・・・。

最初、彼女が市川春代だと気づかず、うまい女優さんだなぁと思っていた(;^_^A

市川春代

 

そしておコウの妊娠を知ったおきんは出ていけとおコウを追い出すが、船着き場で切符を買う娘に二人で生まれてくる子供のためにまたうどん屋をやろうという。おきんも男に騙されて産んだ子供がおコウだったのだ。

 

川上康子

川上康子は「赤線地帯」で初めてみましたが、野添ひとみのようにはならずその後、姿をみなくなりました。

1934年生まれだそうで存命なら89歳になります。

 

 

薔薇いくたびか  1955年 大映

 

監督 衣笠貞之助 脚本 衣笠貞之助 相良準

出演 若尾文子 根上淳 三益愛子 京マチ子 菅原謙二 長谷川一夫 南田洋子

   船越英二 村田知栄子 小沢栄 村瀬幸子 山本富士子 見明凡太郎

   入江洋祐 市川和子 林成年 勝新太郎 北原義郎 市川雷蔵 高松英郎

   矢島ひろ子

 

wikiより

好意を寄せながらなかなか結ばれない男女のメロドラマ。2時間越えで大映スター多数出演です。

 

大受験で知り合った光子(南田洋子)と弓子(若尾文子)。試験が終わって光子の兄、真一郎(根上淳)の迎えの車に同乗した弓子は真一郎がよく行く大学のクラブでお茶を飲む。受験番号しか知らない光子達はそのまま別れるが、真一郎は弓子に心を惹かれた。松戸?あたりの田舎に住む弓子も真一郎が忘れられない。しかしお互い名前も知らないのだ。

南田洋子・北原義郎・矢島ひろ子・根上淳

 

若尾文子

合格発表の日。光子は合格したが、弓子は落ちてしまった。そこへ真一郎が現れ、送っていきましょうというが、弓子は不合格のショックでそのままひとりで帰る。

弓子の家は没落しており、弓子を見初めた市岡家の長男、松夫(船越英二)の元へ嫁ぐことになった。その地方では足入れといって正式に結婚する前に婚家で暮らす風習がある。その嫁が気に入らなければ戻されるのだが、弓子は気に入られているし、そんなことはないだろうと皆思っているのだが、市岡家に行って2日目、何気なく新聞を見た弓子の目に飛び込んできたのは、117番連絡せよ、119番の兄 とある尋ね人の広告だった!その新聞をもってひとり脱衣所に入ると、そこへ松夫が入ってきた。弓子の様子がおかしいので問い詰める。弓子は芸大で会っただけの人だというが松夫は納得しない。結局、弓子は男がいたということになって実家に帰されることになった。

松夫には手をつけた女中がおり、訪ねてくるが、母(村田知栄子)は追い返すというシーンがあって、男ってどうしてそうなの?といつも思う。

村田知栄子と船越英二

一方、真一郎は友人(菅原謙二)から夢をみるのはよせと言われ、いつまでも弓子を忘れられない真一郎を注意する。大阪の従妹、富子(矢島ひろ子)は真一郎が好きで結婚話のでた大阪からでてくるが、まだ名前もわからない弓子(117番)という女性が好きなことを知るがなんとか自分に向かせようと躍起となる。妹の光子はそんな富子を応援するのだ。

 

弓子の夫、松夫は広告に載っていた電話番号みて電話をかける。「俺のオンナに手をだすな」的なことを一方的にいわれた光子は新聞広告をみて兄がだしたに違いないと思い両親(村瀬幸子・小沢栄)に報告するが、真一郎は知らない。

 

実家に戻された弓子は、(ここがなんだかわからないが)東京の鶯谷にいる故郷の友人宅へ身を寄せる。道代(山本富士子)はどうもクラブ勤めのようだが、なんか突然なんでどうして弓子が東京へ行くことになったのかがいまいち不明。

久しぶりに芸大へ行ってみると偶然真一郎に会う。一年ぶりの再会だ。そして真一郎は両親に会って欲しいと箱根の別荘にいる両親へ会せるが、そこで過去にあった松夫からの電話の話がでる。ウソがつけない弓子は真一郎に足入れのことを言ってしまい、それを知った真一郎は弓子が純潔でないことが許せず、そのまま別れる。

富子は真一郎が自分のものになると嬉しがるが、訪ねて来た弓子のピアノ教師(京マチ子)に真実を言った弓子の心は純潔なのだと言われ我に返る・・・。

2時間越えなのは途中で長谷川一夫市川雷蔵の踊りの舞台シーンなんかもあるからだろうと思うけれど、長いわりには1年前にお茶だけのんだ女性に再会しただけで両親に合わせるのは微妙な話。これぞ一目ぼれの王様!。前述したがどうして弓子が東京へ行くのかはどうも実家の父が亡くなり田舎の家は売ったからだろうけれど残された弟(入江洋祐)はどうなるのだ?とか、弓子の友人の道代はなんでクラブに勤めてるのだ?がわからなくてこんなに長い映画なのにそれは描けなかったのか??と思いました。

白塗りの優男時代の勝新太郎が学生服で登場

勝新太郎

市川雷蔵と矢島ひろ子

根上淳長谷川一夫

船越英二若尾文子・林成年・市川和子

若尾文子三益愛子

矢島ひろ子という人はなんだか岸惠子似の女優さんですが、どうも引退しているようでその後は不明です。

矢島ひろ子

このシーン、左奥の建物は明治大学でした。お茶の水

 

明治大学 お茶の水

日比谷公会堂