日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

ひとごろし 1976年 松竹

監督 大洲斉 脚本 中村努 原作 山本周五郎

出演 松田優作 丹羽哲郎 五十嵐淳子 高橋洋子 岸田森 桑山正一

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YouTube公式動画。原作が山本周五郎だったので単なる斬りあいの時代劇とは違うと期待して視聴。

越前福井藩きっての臆病者と言われている六兵衛(松田優作)は藩主が気に入っていた小姓、加納(岸田森)を切り殺したとしてお抱え武芸者で姿を消した昴軒(丹波哲郎)の上意討ちを自ら買って出る。六兵衛は日頃から妹のかね(五十嵐淳子)から嫁の貰い手もないと暗に彼の不甲斐なさを責められている気がして妹のためにもここで名をあげたいと考えたのだが、彼には剣の腕がない。

昴軒を追って六兵衛は旅立つ。斬りあいとなったら自分に勝ち目はないことをよく知っている六兵衛は臆病者であることを逆手にとった戦法を思いつく。それは強い者はほんの一握りで、殆どの人間は武士も含めて臆病なのだと気づいたからだ。

昴軒の行く先々で六兵衛は「ひとごろし!」「あの武士はひとを殺してきた!皆ころされるぞっ!」と叫ぶのだ。休み処でも、飯屋でも、宿屋でも昴軒が立ち寄るとすかさず後ろから「ひとごろしっ!」と大声をあげる。すると周りの人々は恐れをなして逃げ出し、昴軒はおちおち休むこともできない。

昴軒は六兵衛を卑怯者!というが、六兵衛は意に介さない。これが自分が勝てる唯一の方法なのだ。

といった具合で六兵衛の上意討ち大作戦は続いていくのだ。やがて昴軒は疲弊していくのだが・・・

さすがに山本周五郎、お話は面白い。映画の出来としては小説は読んだことはないけれど、これ、小説のほうが良いかもと想像してしまった。元々テレビ監督出身のこれが監督(大洲斉)初劇場映画だというからそれが理由なのかもしれない。

五十嵐淳子が可愛い。富山藩の与力役、桑山正一もいい味だしてます。

記事にするためにネット検索していたらTBSの東芝日曜劇場でもドラマ化して放映(1970年)されたようで主演は植木等。こっちも観てみたい。なんと!12月30日19:00から時代劇専門チャンネルで放送される。