日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

勝利者 1957年 日活

監督 井上梅次 脚本 枡田利雄 井上梅次

出演 三橋達也 石原裕次郎 北原三枝 南田洋子 殿山泰司 安部徹

   宍戸錠 清水将夫 山田禅二 小林旭(エキストラ)服部千代子(峯品子)

 

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なんと石原裕次郎北原三枝にフラれる!(笑

 

登場人物4人のど根性物語・・と言いたいがなんか中途半端感あり。

井上梅次監督なのでそれなりに作ってあるけれど・・・。

 

三橋達也は元プロボクサーだがチャンピオンになりそこね、将来有望なボクサーのスポンサーになることで自分が果たせなかった夢を実現しようとしている銀座のクラブ経営者。しかしそのクラブは婚約者のデザイナー、南田洋子の父で実業家の清水将夫から資金提供を受けている。南田は結婚を3年待たされているが、三橋が面倒をみているボクサー、宍戸錠がある試合で無名の石原裕次郎に負けたことで宍戸とは縁を切る。

元々、宍戸が負ければ、もうボクシングのことは忘れ、南田と結婚するはずだったのだが、諦めきれない三橋は、飲み屋で仲間と騒いでいる石原をスカウトしに行く。

 

石原は街の愚連隊?のようで、ボクシングなどやる気はないと突っぱねるのだが、

その後、安部徹の所属ジムのボクサー(多分本当のプロ)に打ちのめされ、三橋の元を訪ねる。

しかしジムへ連れて行っても石原は基本から練習するのを面倒くさがるのだ。

 

三橋の経営するクラブに踊り子として踊っていた北原三枝は新潟の田舎からでてきてバレーで身を立てたいと思っているが、生活のために夜、クラブで踊っていたのだが、相方の女性の嫉妬で踊れなくなった。それをみた三橋は月々生活の援助として2万円渡し北原が一本立ちできるまで面倒をみることにする。そこには恋愛感情は一切ないのだが、三橋に徐々に惹かれる北原三枝だった。

 

三橋が北原と待ち合わせの喫茶店でひとりで三橋を待つ北原をみかけて石原裕次郎・・・ひとめぼれ。

 

ある日、石原裕次郎に誘われ三橋のクラブ「チャンピオン」に行くと、そこには婚約者

南田洋子の誕生祝をする三橋がいた。その日は北原のバレーの発表会だったが、三橋の代わりに石原が姿を現したのだ。

で、ここで観客として小林旭がエキストラとしてでているらしいが・・・もうひとつは石原がジムで練習している後ろにいるやはり練習生のボクサーはなんとなく小林旭っぽいのだが。

 

南田洋子をみて動揺する北原三枝。南田も訝しげに北原を見る・・。

 

三橋はふたりに「好きだとかなんだとかは勝利してから言え」という。

 

それをき肝に銘じて一年後・・北原はとうとう主役を射止め、コンサートは大盛況。

石原裕次郎は相手に自分の弱点を読まれるも逆転ノックアウトでフェザー級のチャンピオンとなる。

 

その後、前から北原の気持ちに気づいている三橋は北原に告白させない・・・しかし

それを部屋の外で聞いてしまった南田洋子石原裕次郎はきっぱりふたりを諦めるのだが、三橋は北原に「自分たちの住む世界は違うのだ」(大阪の宿 で佐野周二が言ったセリフのまんまだった 笑)と北原の愛は受け入れられないことをいう。

 

ハッと気づいて石原の元へ走る北原三枝

ひとりになった三橋にそっと寄り添う南田洋子・・・終わり・・みたいな物語。

 

結果オーライだが、そもそもこれでその後両名はうまくいくのか疑問(笑。

石原や北原の奮闘ぶりもあまりなく、モヤモヤする。

しかしひねくれ者の裕次郎、殴られる裕次郎はなかなかで三橋達也もかなりカッコよかった。

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このアングルがよい。三橋に殴られころぶ裕次郎

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主役の座を射止めた北原三枝の舞台

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北原三枝石原裕次郎 もうこの頃は付き合っていたのだろうか

裕次郎と騒ぐ服部千代子(峯品子)

 

服部千代子(峯品子)と石原裕次郎