日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

清水の暴れん坊  1959年 日活

監督 松尾昭典 脚本 山田信夫 松尾昭典

出演 石原裕次郎 北原三枝 芦川いづみ 赤木圭一郎 金子信雄 清水将夫

   西村晃 内藤武敏 松下達夫 近藤宏 峯品子(クレジットなし)

 

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日活より

石原裕次郎、いつものように大活躍。ここでは市議会議員を殴ってテレビ局の清水支社から転勤となった正義感あふれる局員の名字が石松(^^)/。

 

同じ放送会社の児島美紀(北原三枝)は石松を東京駅まで迎えに行くが、彼は山登りの恰好をしていて気づかない。東京へ行く前に山に登りなんと1週間も風呂に入っていない石松。

 

会社の寮へ行く前に入った蕎麦屋で、かれのリュックに白い粉がいれられていた。

それは石松と同じ格好をし、同じ注文をする男に渡すはずの麻薬だったが、一味の店員が先に来た石松を勘違いしたのだ。

 

彼はその麻薬と組織のことを調べ、社会に訴えようと奮起する。

そこまで麻薬が憎いのは、過去、麻薬中毒で気が狂ってしまった男の子供を助けたことがあったからだ。

 

夜、組織に人間に居場所を突き止められ、石松は襲われるがなんと一味の中に昔助けた子供のうちの弟がいた・・・・

昔、石松に助けられた姉、弟、健司(赤木圭一郎)は姉の令子(芦川いづみ)と育つが

ある日行方不明となってしまう。清水から東京へでたあと、組織に拾われて一味に入っていたのだ。

 

石松は、美紀の父で羊毛会社の社長(清水将夫)の理解を得て、ラジオ番組のプロデューサーとして番組をつくることになった。潜入捜査をして録音機を持ち歩き、隠し録音したり、警察で麻薬担当の刑事から話をきいたりするがどうも核心には迫れない・・・

 

たんなるアクションだけでなく、闇に潜む社会問題を扱っている。

北原三枝芦川いづみ、そして石原裕次郎の恋のさや当ては・・・ない ・・に等しい(笑。

汚い恰好で来た石原裕次郎のことを北原三枝が社の人間と噂するシーンで「足が長いってだけ」というセリフには笑った。

 

組織の頂点に君臨する三国人西村晃。この人も小沢昭一と同じく芸達者でどんな役でも違和感がない。古い邦画を見るようになって好きになった俳優のひとり。

組織のボスの金子信雄がなぜか毛沢東みたいな人民服、おまけに宗教家みたいな数珠?をクビにかけてるのってなんで?(笑。

 

裕次郎が麻薬を入れられた蕎麦屋は刑事と後で行ってみるともぬけの殻なのだが

まるで「鬼平犯科帳」とか「雲霧仁左衛門」が浮かんだ。

 

コンピューターグラフィックなどなかった時代、最後のシーンのロケにはどのくらいのエキストラが動員されたのだろう。

一時間半ほどでなので私の集中力持続時間にはちょうど良い物語だった。

 

日活より

 

備忘

クレジットにはないが峯品子出演。

裕次郎がファッションショーの舞台裏、間違って女性更衣室?に入り廊下で蕎麦屋の出前に出くわし、あわてて出ていくシーン。更衣室から出てきたモデルのひとり

峯品子 右端

階段を下ってくる峯品子

峯品子(着物姿)