日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女豹の地図  1951年 新東宝

監督 田中重雄 脚本 八田尚之 原作 田村泰次郎

出演 久慈あさみ 折原啓子 伊沢一郎 若原雅夫 徳大寺伸 宗方規子

   一の宮あつ子 江川宇礼雄 清水将夫

東宝公式チャンネルより

9月13日(金)午後12時59分まで無料、YouTubeチャンネルで視聴できます。

久慈あさみは私が好きな女優さんのひとりですが、森繁の社長シリーズの奥様役で彼女のことを初めてみました。美しい人ですね。元子爵の令嬢役ですが、ピッタリでした。

 

戦後、没落した子爵の娘、杏子(久慈あさみ)。すでに父は亡く、病弱な母(一の宮あつ子)と妹の美津子(折原啓子)と暮らしている。生活のため、家にあったピアノや高級家具などを売り豪邸だった家の面影はもうない。彼女は音大で学び、助教授であった

一平(伊沢一郎)にはわがままを言う奔放な娘だったが、橋見(徳大寺伸)という亡き父の世話で外国に留学までさせた男が肉体関係まであった妹と一方的に婚約を解消し、涙にくれていることに怒りを覚え、ひとり、彼の元へ乗り込む。

ゴルフ場で妹とのことを非難すると、お互い楽しんだのだから良いじゃないですかと言う橋見。妹の美津子は橋見と結婚できるのだと思って身も許したのになんたる男だ。しかもそこには橋見と結婚するという新興財閥の娘、美佐江(宗方規子)もいた。悔し紛れに妹と橋見が仲良く収まっている写真を投げつけ、それを見た美佐江は腹をたてるが、橋見は彼女たちを野良猫にしてやるという。

徳大寺伸・宗方規子

すでに杏子の家屋敷は他人のものになっており、その管理は橋見に任されていたのだ。

そこで彼女たちを追い出そうと美佐江の父が金を出し、開店したキャバレーカザリンの用心棒を社員寮として屋敷に乗り込ませ、大騒ぎさせる。って、バブルの時の立ち退きの嫌がらせと同じだ(笑。

さらに困窮している杏子にカザリンの宣伝をさせようとするが、断固拒否する杏子。

ところがそれにヒントを得た杏子は他のキャバレー、シルバークインへ行って、「元子爵の娘が歌って店の宣伝をするから」と雇ってもらう。その金で彼女は母と妹を連れ、貸家へ引っ越した。

一平にアコーディオンを弾いてもらい、杏子は夜の街で歌う。元子爵令嬢が話題となり杏子は新聞にまで載った人気者になった。

ある晩、一平の部屋へ行った杏子はこのまま泊まると言い出すが、一平は困るという。

彼女はそこで結婚するならあなただと言うのだが、一平は困った顔をする。橋見に婚約破棄され弱って泣いている妹の美津子のお目付け役を一平に頼んだ杏子だが、一平は美津子の弱々しさに自分がいなければ・・・と心がかたむき、とうとう接吻してしまったという。杏子はショックを受けつつも自分の驕りを恥じる。

お濠を歩く 折原啓子・伊沢一郎

ところで、キャバレーカザリンというのは、キャサリンの日本語読み?のようだ(;^_^A。KATHERINE

その夜、杏子の母は失意の中、病死。

ある晩、シルバークインに来店した男。それは杏子の家の猟犬を母に内緒で10万円で引き取ってもらった西方(若原雅夫)だった。

落ち目となったキャバレーカザリンを西方が買うことを知った杏子は自分がマダムとなる条件で西方の妻となることを承諾した。

久慈あさみ・若原雅夫

若原雅夫と久慈あさみの大恋愛作品かと思いきや、若原雅夫は映画冒頭にちょっと出てきて、終わりの頃にまた出てくる。それより脇役イメージの伊沢一郎が久慈あさみを結果として振る役というのは意外に新鮮だった。

西方夫人としてカザリンに乗り込んだ杏子に絡む橋見

 

カザリンが新開店した夜。杏子はステージで歌い終わった後、倒れてしまった。

橋見から西方はプレイボーイで、妻となった後は離婚か自殺する運命なのだと言われたのだ。

しかし、杏子の苦悩を知った(想像です)西方は、カザリンは杏子にあげるという手紙を残して去る。

・・・ところが~~~~。

映画冒頭で杏子を含む多数の若者が歌い、その指揮を一平が行っているのだが、しばらく登場人物の背景がよくわからなかった。

まだ占領国時代でGHQの検閲もあった時代の作品。ちょっと退屈でした。

美しい久慈あさみ

 

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