日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

機動捜査班 東京暴力地図 日活 1962年9月 第10話

監督 小杉勇 脚本 松村基生 遠藤三郎

出演 青山恭二 香月美奈子 内田良平 宮崎準 上月佐知子 郷鍈治 山田禅二

   長尾敏之助 伊藤寿章 木島一郎 木下雅弘 市村博 興梠佐智子

 

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日活より

 

日活の機動捜査班シリーズはお話は違っても出演者が同じだからすぐに見てはいけない・・と言いつつ、第9話の翌日にこの「東京暴力地図」第10話を見てしまったアタシです(笑。

この回、当時社会問題化していた「カミナリ族」を登場させつつ、ヤクザ組織の利権争いを描いた作品ですが、集中力が試されたものでした。

とにかくちょっと他の考え事をしながらなんとなく見ていると、登場人物が入り乱れ、誰が誰だかわからなくなりました。

さらに、このシーンは何?が映画冒頭にあって、何度か見直しましたがいまだに謎(後述します)。

 

夜の神宮外苑。絵画館前に男が来た。懐から封筒を取り出す。

そこには「國友幸信殿」と書かれた関東刑務所からきた手紙・・・それを読みもせずにライターで燃やした。

内田良平が取り出した手紙

関東刑務所からきた封書だ

そこへ甲田組の土屋(木島一郎)が男を迎えに来た。

彼は三木(内田良平)といい、土屋が刑務所に入った時に知り合ったのだ。

三木が出所したときき、迎えに来たのだ。

連れて行ったのが、甲田組の亡き親分の情婦、利恵(上月佐知子)の経営する新宿のモンタナというクラブ。甲田組は親分亡き後、壇一家にシマを奪われ、残ったのが土屋ただ一人の弱小組織なのだ。

そこへカミナリ族が押しかけて店で好き放題の乱痴気騒ぎ。利恵が警察に連絡し、機動捜査班が駆けつけるが、いざ店に行くと何もなかったという・・・。

(警視庁の機動捜査班が駆けつけるのってちょっと大げさ?まぁそうじゃないと映画にならないかw)

三木は土屋から壇一家のことを聞き、壇のシマを奪うことを考える。策士な三木はカミナリ族を利用しようとあの手この手で壇一家のなかに入っていくのだ。

利恵はそんな三木と情を通じ、三木のオンナとなっていく。

壇一家の親分、壇(山田禅二)はトルコ風呂や湘南海岸からかなりの利益をあげている。夜、その利益の金を車で運ぶ幹部の勝又(郷鍈治)と子分の健(柴田新)の殺害をカミナリ族の7人のうちのひとり、サトルに手伝わせる。

警察では金の持ち逃げで勝又を健が殺害し、逃げているとの結論に達したが、大宮刑事(青山恭二)は疑問に思う。

その後、健が乗った車が海中から引き上げられ、二人とも殺されていたことがわかった。

 

杉子(香月美奈子)は壇の一人娘で東京で芸能社を経営している。壇一家と関係がある興行主で、一家の者が詰めている。その事務所をカミナリ族に襲わせた三木だがそれを縁に三木は壇一家と仲良くなり、杉子とも話すようになる。

ある日、杉子がモンタナを訪ねたが三木はいなかった。そこへたむろしていたカミナリ族が杉子を襲おうとしていたところに三木が助けに入る。

それを見た利恵は三木に若い女と付き合うのは許せないというが、三木は気にもとめない。そして杉子からも好意を寄せられるようになる。

壇は幹部だった勝又がいなくなり、三木に東京のシマを見て欲しいというが、三木は湘南の利権が欲しいという。杉子はこの時三木と結婚することを望んでいるが父親の壇は三木をまだ信じていない・・・。

 

私は、映画冒頭の三木が刑務所からきた手紙を燃やす場面でこの「國友幸信」というのは誰?なのかさっぱりわからず、三木は偽名で國友が本名なのか?と思ったが、刑事たちも映画が終わるまで三木と言っていたので誰なのか?なぜ封筒を燃やしたのかが???でした。誰かわかっている人教えてください(;^_^A。

 

当時のトルコ風呂ってビキニ姿の女性が男性をサウナに入れて体をマッサージするだけのところなんでしょうか?

あるシーンで三木がアリバイを頼むためにトルコ嬢(興梠佐智子)に客をとっているんだろうといって脅してアリバイを証言してもらうというシーン、さらに壇にトルコ風呂で客を取らせているだろうと脅すシーンがあって・・・マッサージだけ?かと思ったのです。当時のトルコ風呂事情を知っている方、教えてください(笑。

 

お話は込み入っていて、とても面白いのですが、絶対他のことを考えながら気楽に見るのはやめましょう・・という作品でした(笑。

 

日活より