日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女人哀愁 1937年 P.C.L

監督 成瀬巳喜男 脚本 成瀬巳喜男 田中千禾夫

出演 入江たか子 佐伯秀男 北沢彪 堤眞佐子 清川玉枝 御橋公 澤蘭子 

   大川平八郎 水上玲子 伊東薫 神田千鶴子

佐伯秀男・入江たか子

女人哀愁の記事は2回目です。このあたりの入江たか子は超売れっ子で一番輝いていたように感じます。前の記事では入江たか子の義妹のひとりが森川まさみって書いたんですけど、澤蘭子という人でした(;^_^A

澤蘭子 

上原謙・森川まさみ

 

もうひとりの義妹役の水上玲子という人は水上怜子ともあり、wikiにはないが結構な出演作がある。

水上玲子・入江たか子

河野広子(入江たか子)は銀座で働く女性。父は亡く、年老いた(といってもまだ若いが)母とまだ中学生の弟(伊東薫)と暮らしている。

いとこの北村良介(佐伯秀男)と仲が良く、良介の妹で高校生のよし子(堤眞佐子)はよく広子の家へ遊びにくる。

 

佐伯秀男・入江たか子

広子に縁談が持ち上がり良介に相談する広子。広子はみんなから自分の意見をはっきり言わない古い女だと言われることが気に食わないが、この結婚はうまくやっていけると思っている。

入江たか子北沢彪

婚家は夫、堀江新一(北沢彪)、義父(御橋公)、義母(清川玉枝)、義妹の洋子(澤蘭子)、道子(水上玲子)、小学生の義弟、お手伝いの女性がいる。

新一は会社の仲間から美人な奥さんをもらったと言われ、ワザと飲みに出かけて夜遅くに帰る生活を繰り返す。まるでそれを楽しむかのように(怒)。

義父母や義妹、義弟を手伝い、広子は忙しい毎日を送っているが義母はよくできた嫁だと思う。しかし義妹の道子はなんでもかんでも広子に頼む、わがまま満開な娘。

洋子は敏雄(大川平八郎)と暮らすようになるが、郊外の豪華な家で暮らしたいなどと敏雄を困らせる。自分のサラリーではとてもそんな生活はできないが洋子が好きな敏雄はなんとかしようとする。

しかしそんな貧乏暮らしが嫌になったのか洋子はまた戻ってくる。そこへ諦めきれない敏雄が訪ねてくるが洋子は会うのを拒否し兄で広子の夫、新一も一緒になって敏雄を追い返す。まぁこれは敏雄はストーカーになってますけど。

 

久しぶりに外出した広子は銀座でいとこの良介と会うがそこを新一の会社の同僚に目撃される。家には敏雄から電話があり、洋子に上野のホテルにいることを伝えてくれと言われた広子。彼女は敏雄の気持ちがわかるが、なんと敏雄は洋子のために会社の金を持ち逃げ?使い込み?していたのがわかる。

慌てて家に帰る新一は広子が銀座で男と会っていたのを責める。そして敏雄の居場所を教えろ、警察へ連絡するのだというが広子は頑として口を割らない。

そこで新一はそれなら出ていけというと広子の必殺の一言!が気持ちいい(笑。

堀江家の両親が広子に感謝しているというのも自分が便利に使えるからだと言う広子(拍手)。そして新一からは愛を感じられない。脅し文句で出ていけといった新一の態度の軟化がオカシイ。

日本髪姿の入江たか子

また働くという広子!未来は明るい。

1937年というと昭和12年で、こういった女性はほぼ皆無だったからこのような作品ができたんでしょう。入江たか子が働いていたのは今も銀座の同じ場所にある教文館

教文館内部のロケだと思われる

当時の女性観客からは応援された作品でしょうね♪♪