日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

銀座の女  1955年 日活

監督 吉村公三郎  脚本 新藤兼人

出演 乙羽信子 轟夕起子 藤間紫 日高澄子 北原三枝 長谷部健 清水将夫

   飯田蝶子 多々良純 近藤宏 田中筆子 殿山泰司 安部徹

 

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感想・・・一言で言うとなんだこれ?(笑。

もう一言で言うと どうした吉村公三郎!(笑。

 

銀座の芸者たちの物語なんだけど、???なにかのパクリ・・にしては出来が悪い。

 

銀座の芸者置屋 しづもと。おかみの轟夕起子、芸者の乙羽信子藤間紫、南寿美子、

下働きの田中筆子と福島から売られてきた16歳の少女がいる。

 

物語は養老院前というバス停に降り立った飯田蝶子。当時、養老院に入るお年寄りは可哀そう・・・というカテゴリー。慰問に訪れた幼稚園児のお礼にと三味線を披露する。

その場面を見た轟夕起子は、そのおばぁさんが、自分が芸者になるときにいた置屋のおかみだった・・・。

芸者である自分にはもちろん子供はおらず、轟は大学生の世話をしている。

将来、その子に養子になってもらい、自分は幸せな老後を送ろうとするが・・・

轟夕起子は太り過ぎで、あまり芸者には見えない。

 

藤間紫は田舎に預けた息子と一緒に住むためにお金が欲しいといつも宝くじを買う。

この藤間紫が一番芸者っぽかった(笑。 

 

乙羽信子は兄が税務署勤めで、座敷ではその兄を通じて自分の税金をなんとかしてもらおうという客に人気が高いが、彼女はそのことに気づいていない。

ある日、兄に呼び出された乙羽は、兄が八王子に転勤になることを聞かされる。

それを境にお座敷で声がかからなくなる。兄に自分の妹だから人気があっただけだ、芸者などやめてお嫁に行った方が良いなどと言われてしまう。

 

で、ここでなんで税務署に勤める兄がいるのに乙羽信子が芸者になった?(笑。

そのことは一切でてこない。。

 

福島から売られてきた少女は胸の具合が悪く、おかみに内緒で月島の診療所で診察を受けに行く。医者に東京の空気が悪いから・・などと言われるが売られてきた少女は東京を離れられないので先生になんとか治してくださいと薬をもらう。

 

ここも、??少女は診察代や薬代をどう工面したのだろう?国民皆保険など(多分)まだなかったろうし、あったとしても少女が加入しているとは思えない・・・。

 

芸者たちの本音や生き方、さらに人員売買が行われている実態を描きたかったのだろうが、とにかく変な映画だった。

「赤線地帯」「洲崎パラダイス」「夜の女たち」「大阪の宿」のような物語を期待すると裏切られる映画です(;^_^A

 

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銀座の女