日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

森の石松  1949年 松竹

監督 吉村公三郎 脚本 新藤兼人

出演 藤田進 殿山泰司 轟夕起子 朝霧鏡子 志村喬 飯田蝶子 三井弘次

   安部徹 笠智衆

 

森の石松という映画はたくさんつくられた。この作品は松竹の1949年というが日活では1937年、黒川弥太郎主演のものがある。見てみたい。

 

貧乏百姓の石松は年に一度地主の旦那の茶摘みをして手間賃をもらうのだがその帰り道、博打に誘われもらった手間賃は全てなくなってしまう。そんな暮らしはもういやだと石松は家を飛び出し、ヤクザになる。それが清水の次郎長一家。

しかしヤクザの修行?はつらく、逃げ出すがとらえられ海に沈められてしまう始末。

よく行く飲み屋の女、轟夕起子はなにかと石松の世話を焼くが、ある日出入りでやはりヤクザだった兄を亡くす。その出入りで活躍した石松はどんどん出世していっていい顔になるがその出入りで片目を負傷して黒い眼帯をしたあの石松になる。片目になったきっかけは初めて知った。

 

ある日親分の代参で金毘羅様へ行った石松。船問屋の集金も終えて帰る船の中で乗り合わせた乗客。たまたま男の一人が清水の次郎長一家のことを話、その子分の中で誰が優秀か・・・ということになる。それを聞いていた石松、なかなか自分の名前がでないのだが最後に自分が一番だと言われすっかりいい気分になり乗り合わせた乗客に奢ってやると飲めや歌えや芸者をあげて大騒ぎ。ちょうど勤王と維新の侍に切りあいの最中に飛び込んで石松は頭を殴られ気絶してしまう。目を覚ますと騒いでいた座敷にいる。

他の衆はどうした?ときくと皆さんもう発ったと言われ、代金の20両を請求されるが石松はお金がない。貸してくれというが主人は納得せず石松はしぶしぶ親分の集金の金で払うことになりほとんど一文無しになってしまった。

 

これではまずいと一家に帰る前に博打で取り戻そうと島千鳥という親分(志村喬)の賭場へ。

博打に強い石松。最初は勝っていたが親分と指しでやろうと言われ勝負すると負けがこみ、最後は自分の刀までいれるが着物までとられてしまう。

これではますます一家へ帰れない。

友人の殿山泰司から3両、飲み屋の轟夕起子から10両を借りまた島千鳥の賭場へ。

その時轟夕起子からこの10両は将来飲み屋でもやろうと思っていた金だがヤクザを辞めるなら貸してあげると言われる石松。とにかく貸してもらいたくてその約束をする。

 

今度は絶好調でしこたま儲けた石松だがおもしろくない親分の命令で石松はその子分たちに切り殺される。やっとの思いで実家まで行きそこで息絶えた石松の手には轟夕起子から借りた10両が握られていた・・・。

 

アニキがやられたときいた弟分?の三井弘次はアニキの仇をうつのだと走っていく・・・

ま、ヤクザ同志の抗争ですなぁ。

 

♪♪寿司食いねぇ・・・の浪花節と共に船の中で自分のことが褒められた石松のシーンはなかなかだった。

 

 

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スカパーより