日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

美徳のよろめき  1957年 日活

監督 中平康 脚本 新藤兼人 原作 三島由紀夫

出演 月丘夢路 三國連太郎 葉山良二 千田是也 宮城千賀子 安部徹

   北林谷栄 渡辺美佐子 南田洋子 芦田伸介 西村晃 高友子

   二谷英明 草薙幸二郎 

 

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月丘夢路、よろめきます!なんとボーイとして入社間もない二谷英明が登場しているらしいが、どのボーイだったのか記憶にない(笑。

 

節子(月丘夢路)の少女時代(と言っても回想シーンで写真のみ)が月丘洋子という名前なのだが、月丘夢路の妹のらしい。

 

名家に生まれた節子は倉越(三國連太郎)という男と結婚し、幼稚園に通う男の子の母親で28歳。

倉越は実業家?で金持ちだが節子とは育ちが違う(ことが食事シーンでわかる)。

 

女中(高友子)もおり、鎌倉で何不自由ない暮らしだが、3年前のある日、銀座の交差点ですれ違った男性・・・しばらく経って夫の見送り?で来た東京駅の階段で節子はまた彼とすれ違う。その男性も気づいたようだがそのまま月日が流れ、

さらに2年後、節子の知人である会社の重役夫人の与志子(宮城千賀子)と行ったステーキハウスで今度は女性を連れた(南田洋子)彼とまたすれ違う。

彼、土屋(葉山良二)は節子が女学生の時に初めて接吻を交わした男性であった。

 

重役夫人の与志子は、プロレスラー(安部徹)と今でいう不倫の最中だが、与志子は彼のことを飽きてきていた。そんな話をして面白がる与志子に節子はなにも言えない。

 

節子の実家では宮家から嫁いできた祖母(北林谷栄)が亡くなり、その葬儀会場で

節子は土屋から3時に鎌倉八幡宮で待っていると突然言われる。

 

その日が来た・・・。

3時の10分前になっていたが節子は迷っている。行くか、行かないほうがよいか・・・行こうと思った時に息子が幼稚園から帰ってきた。

結局行きそびれ、土屋とは会えなかった。

 

土屋のことを考えるようになった節子・・・そしてこう思うのだ。

「土屋と会っても清い関係でいれば何も悩むことではないではないか・・・」

 

奔放な重役夫人の与志子との対比、夫や子供、そして実家の名誉なんかも考えてしまう節子・・・

さぁどーなる?どーなる?どーなる?どーする?(笑。

 

北林谷栄渡辺美佐子は二役で出演、まず節子の祖母(北林谷栄)、そして渡辺美佐子は姉として家族写真で登場。

次に産婦人科の医師で北林谷栄がまた登場し、渡辺美佐子は銀座のバーのマダムで再登場。なんでだ?(笑。女優さんならたくさんいたろうに・・・

 

葉山良二は田中絹代監督の「乳房よ永遠なれ」でやはり月丘夢路と共演した。

この作品はそれから2年後くらいだが、彼、太りやすい体質なのか2年前と比べると

細くない(かといっても太ってるわけでもないが)。その後、芦川いづみの相手役として日活で活躍したがそれもあまり長く続かなかった・・のは、ドンドン容姿が変わってしまった?から?デビューも遅かったせいかもしれない。(二谷英明も同じくデビューが遅かった。二人とも当初は主役もあるが結局準主役が多いイメージ)

 

ところで最近の人に「よろめき」なんて言っても意味がわかるのか?